海老は古来から縁起物として珍重されてきたことはご存じと思います。
大昔から宴会料理にはかかせなかった訳ですね。なんたって、この真っ
赤さ加減がいいですよね。ダイエットの方法として、食べる物全てに青
い色素をかけるという方法があるそうですが、青い色が食欲を減退させ
る効果を利用していると聞きました。その反対で、赤ってそれだけでお
いしそうに見えませんか? 青いトマトと赤いトマトなら、赤いトマト
を選ぶでしょ。縁起をかつぐという意味でも、やっぱり赤です。祝いの席
に登場するのは真っ赤な鯛ですよね。ハレの舞台に青魚が登場するなんて
聞いたことないですから。だから、日本の海老の王様は伊勢海老なんでし
ょうね。大きくて真っ赤なことは、きっととても重要なんだと思います。
でもみなさん、伊勢海老っておいしいと思います? 実は私、昔からあま
りおいしいと思って食べたことないんです。旅館の宴会料理なんかだと、
伊勢海老の刺身がでますよね。伊勢海老って、ぷりぷりしているだけで甘
味がないんですね。翌朝出てくる頭の入った味噌汁はうまいですけど。と
思っていたら、「築地魚河岸三代目」でも同じこと書いてましたね。そし
て、味が一番良いのは車海老だとも書いてありました。一番かどうかはわ
かりませんが、車海老がおいしいことは間違いないと思います。というこ
とで、この料理は細巻海老を使っています。細巻海老というのは、てんぷ
ら屋ででてくるあれですね。いわゆる、車海老の小さいやつです。なぜ細
巻海老なのかというと、単に安いからです。もし予算が許すなら、ぜひ車
海老を使ってください。
調理方法はしごく簡単です。まず、生きた海老を買ってきます。これ、
この料理のポイントです。養殖でかまいませんので、絶対に生きた海老を
使ってください。この時は、沖縄産の養殖物でした。10尾で 1,300円位と、
そんなに高くありません (これが、車海老になると、5尾で 1,000円とか
になってしまいます。)。海老は調理する前に、ボールにでも入れて、お
客様に見せてください。そして、できたら目の前で、紹興酒をふりかけて
ください。少々残酷ですが、あばれる所を見ていただく訳です。酔っぱら
って、すぐにおとなしくなります。そしたら、そのまま火を付けるという
方法が有名ですが、火災報知器が鳴るとヤバイので、鍋に移して、ナムプ
ラーを入れて、強火で一気に蒸し上げます。両面が赤くなったらもう完成
です。バリエーションとして、ナムプラーには、あらかじめライムを軽く
一絞りして、コリアンダーの実を漬けておくとよりエスニックかな?
なんて考えています。今度やってみます。
言うまでもないですが、味はマジうまです。熱いうちに殻を剥いてむしゃ
ぶりつくと、海老の甘みがじんわりと伝わってきます。5尾や6尾なら、あっ
という間に食べてしまいます。酒は紹興酒が一番合うのでしょうが、パーティ
なら、シャンパーニュにしましょう。
カテゴリー 前菜
特徴 縁起物の海老を派手な演出で
難易度 低
材料
細巻海老 生きたもの
紹興酒
ナムプラー
香菜
1.海老をさっと洗って、紹興酒を入れる。
2.火にかけ、ナムプラーを入れ、ふたをして強火て蒸す。すぐに赤く
なるので、急いで返して、両面色付いたら完成。
3.皿に盛り、香菜を添える。
ポイント
・海老は生きているものを。
・火は入れすぎない。