今日はいきなり回転である。回転あるいは、回すことに何の意味があるのかを考え

てみることにした。

 最初はノーマルに回転寿司から。子供にも大人気だ。子供達が外食の際行きたい店

として、ファーストフードやファミリーレストランと並んで人気の上位に付けている

。理由が面白い。自分が好きなものを好きなだけ食べられるからということらしいが

、それ以外に、自発的に皿を取ったり、お茶を入れたりという行為が人気のひけつと

いうのだ。普段子供達は大人から与えられたプレートを、大人の指示に従って食べて

いる場合が多いと思う。しかし回転寿司では、子供がすべて自分のことは自分でする

ことが可能だ。このことが、子供の好奇心を満たすというのである。事実、同じ寿司

屋であっても、回転してない寿司屋は子供達にそれぼとの人気はないそうだ。回転寿

司の本来の目的は、セルフサービスによる人件費の削減にあると思うが、そのセルフ

サービスが、予想外の効果を実現しているようだ。

 次はレストランの光景を。先日、ミドルセグメントのイタリアンレストランで面白

い光景を見かけた。女性だけのグループで、二人が赤ワインを、一人がスパークリン

グワインを飲んでいた。おきまりのパターンで、赤ワイン組みはグラスをクルクルと

回しながら話しに熱中していた。すると、スパークリングワインの一人も、無意識に

つられてしまったのだとは思うが、グラスを回し始めた。余計なお世話なので静観し

ていたのだが、炭酸が抜けてしまわないか否か、見ている方がやきもきしてしまった

。ワイングラスを持つと、老若男女みなクルクルと回すが、ちょっとは考えた方がい

い。たとえ赤ワインであったとしても、十分に開いているのなら回す必要は無いし、

白ワインでも、ボディのしっかりしたタイプなら、少々回した方がよい場合もある。

スパークリングワインは、例外なく回さない方がよいと思う。泡を適度に抜くために

専用のマドラーも存在するが、これは、上品な貴婦人がスパークリングワインの炭酸

でゲップをしない為に、かき回して炭酸を抜く為の道具で、貴女が上流階級の貴婦人

でなければ、やめた方がよいだろう。

 最後は胡麻擂りの話を。子供の頃、胡麻を擂るのは子供たちの仕事だった。大きな

すり鉢に黒胡麻を入れ、姉か私のどちらかがすり鉢を抑え、もう一方がすりこぎで胡

麻を擂ってゆく。このコンビネートョンがなかなか難しい。鉢を押さえる力が弱いと

、擂る力にまけてしまい鉢が倒れてしまう。しっかりとおさえるのはなかなか疲れる

作業で、擂る方が楽に思える。しかし実際に擂ってみると、以外に力がいることがわ

かる。すりこぎをすり鉢に力強く押し付けながら擂るので、子供の力では大変なので

ある。どちらの役をやっても、しばらくすると役割を交代したくなるのである。とに

かくがんばってすりこぎをぐるぐると回して行くうちに、胡麻がつぶれ油がにじんで

しっとりしてくる。ひとしきり潰れたら、砂糖を加え更にすりこぎを回し混ぜてゆく

。胡麻がなめらかになり、粘度がでてきたら完成である。母が丸めた餅米の飯にたっ

ぷりとまぶすと、胡麻のおはぎの完成である。あんのおはぎは好きではなかったが、

胡麻のおはぎは大好物であった。一度に二つも三つも食べて、驚かれたことを思い出

す。

 回すものに対する思いは尽きない。どうも生来の回し好きらしい。そのうちに、続

きを書こうと思う。