10月。

薄ら寒くなってくる。

駅前のデパート4F洋服売り場。
病院に戻る前に言った。


次出れる頃は冬だからさ、ジャンパーかっとくよ。

うん。
でもさ、初冬にはちょっと暑いかもしれないよ。

いや、雪降ってるかもしれないくらいだと思う。


昼間に出店で買って食べたたこ焼きを思い出した。
ポン酢と鰹節。
4個目のたこ焼きをほおばりながら、
泣きそうな顔で「熱いな」と言った。


それで、オリーブグリーンのジャンパーを買った。

妙にテラテラ光ってて安っぽい。

ボタンも大きすぎる。

お前には多分似合わないと思う。


でもさ、緑色は俺も好きだ。

本当にどうでもいいんだけど、そのジャンパーが
真っ暗なタンスの中で吊り下げられてるところをたまに想像してしまう。

2月14日、母親から贈られたチョコをかじりながら友人を待っていた。
異常に寒かったので、家の中でマフラーを巻きながら。

齧りながらふときがついたんだけど、チョコが美味しいと思ったことがない。

ショートケーキとチョコケーキを選ぶとしたら、どんな状況でもショートケーキを
選ぶと思う。
ドーナツだってチョコがかかっているのは選ばない。
オールドファッションが一番だとおもう。

家にやってきた友人にチョコレートについて不満をぶつけてみた。
ぶつけてからしまったと思った。


ぺんぺん。それは、チョコをもらえなかったから僻んでるだけだよ。
一個でも貰えればそんな気分にはならないよ。

そういいながらポケットからチョコレートの包みを取り出した。
素気ない字体で ブラックサンダー とかかれていた。

ブラックサンダー?AC/DCでそんな曲名あったよね。

ないよ。


やっぱりチョコレートは好きじゃない。
今日は12月24日。

寒さと反比例してイルミネーションはこうこうとしている。
いつにも増して他人様が笑顔にみえる。

パーティーが最高潮を迎える時間帯に、僕はジャスコの食堂で
ラーメンをすすっていた。

向かいの席の友人も幸せそうに笑っている。

手には、今年の夏に使い切れなかった爆竹の束が握られてる。
ホテルの駐車場に投げ込むつもりだと得意げに話している。

ぺんぺん。

うん?

これね、タイミングが凄く重要なんだよ。
一番盛り上がったところじゃないとね。

うん。

話を聞きながらふと天井から吊るされている横断幕に目をやった。
そこには「Merry Christmas」と踊りだしそうな字で大きく描かれていた。
Xmasではなくて。

ねね。

うん。

クリスマスってクライストマスだったのね。

そうだよ。
ぺんぺん知らなかったの?

僕は本当にびっくりした。
それまでクリスマスの意味が挨拶程度にしか思っていなかったから。

・・・。
ダビンチコード?

ちがう。



僕は人よりそういうことが多いです。
めりーくらいすとます。