時間のスピード | 酒の友は我が友也

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酒好きで女好きとの評判な筆者が、意外と適当じゃないことを綴るブログ。
きっと何か発見がある。たぶん、本を買うより安上がり。
合い言葉は、『愛だろ?愛』

メトロノームは正確に時を刻む。
だが、一定に刻むが、そのスピードが同じとは限らない。
子供の頃、授業の一時間はとても長く感じた。
好きなことをしている時の時間は短く感じた。
同じ時間を刻んでいるのにもかかわらず。

集中。
これを解き明かす鍵はここにあると思われた。
要するに、アドレナリンの分泌が、時間のスピードを変化させる。
もっともらしい理論だとは思うが…。

しかし、ひとつの疑問が生じる。
ならば何故、大人になるにつれ時間が経つのを速く感じるのか。
よく、「○才過ぎたら、あっと言う間に○才」という話を聞くだろう。
これは、意外と言い得て妙で、実際に「あっと言う間に一年が過ぎる」
そして、年を重ねれば重ねるほど、この傾向は顕著になる。

集中が要因だとすれば…。
大人になるにつれ集中力が増すという話になるはずだが、
我々の多くは、むしろ集中力を失っていっていると思う。
集中力を発揮する機会も子供の頃と比べ減っている。
それなのに、時間が経つのを速く感じる。
これは矛盾ではないのか。

そこで思いつく要因が、視野の広がりである。
子供の頃と大人になってからを比べたら、当然視野が変わってくる。
それは、背の高さからくる視野もあるが、ものの見方自体が変わってくる。
その、ものの見方は、鮮度と考えると解りやすいと思う。
習慣化が人の心をある意味蝕むということだ。

それで何故速く感じるのか。
起伏のある道は進みにくい。だが、平坦な道は進みやすい。
同じ距離でも後者よりも前者の方が時間を要するのは明白だ。
人の持つ感覚の襞が、時間の速度を変化させているのではないか。

時計の針は一定のスピードで進み続ける。
しかし、時計の針が一定のスピードで進もうとも、
それが絶対に正しいとは限らない。
それがこの世の面白さだ。