「優先席」でなく「専用席」
【「優先席」でなく「専用席」】
~「優先席」でなく「専用席」なら座りやすい 「名称導入、広げる価値ある」 札幌地下鉄調査~
札幌市営地下鉄の「専用席」は、関東の「優先席」より対象者が座りやすい―。宇都宮大(栃木)と北星学園大(札幌)の研究グループが、こんな調査結果を論文にまとめた。専用席も優先席も、対象は障害者や高齢者、妊婦らで、ほぼ同じだが、実際に対象者が席に座っていた割合は札幌が93・4%だったの対し、関東は19・9%。「専用席」の名称は全国的にも珍しいといい、同グループは「他地域に導入を広げる価値がある」と提言する。
グループは市営地下鉄3路線と、札幌と混雑率が近い関東の地下鉄3路線の専用席(関東は優先席)の平日の通勤ラッシュ時の車内を目視で調査。2016~17年に札幌は10日間、関東は3日間、専用席に座っている人の数や、座っている人が対象者かどうかを数えた。関東では車内の混雑度が高まるにつれ、座れない対象者が増えたのに対し、札幌は低いままだった。