12月に開催された千里メディカルラリー

それぞれのステーションのシナリオからお勉強しています。

シナリオステーション(ST)は全部で8ステージ。


どちらかと言えば、自分用メモです。


わかりにくい点が多いですが、ご了承下さいにっこり



前回のST⑥はコチラから

下矢印



ST⑦概要



想定付与、状況説明


・救急隊、ドクターカー 2チームに分かれよ

・20代男性、嘔吐後、反応なし


救急隊3名(救急救命士最低でも1人)

救急救命士以外は、研修での乗車とする

処置等は可能

ドクターカー3名(医師・看護師最低でも1人)


資格については、自分の資格での活動を行ってください

ドクターカーについては、基本医師1名、看護師1名ではあるが、残りはOJTとして乗車している想定で3名で出場




状況設定


ある日曜日の夕方

自宅、リビングで倒れている兄を発見

発見者は、部活から帰宅した高校生の妹

慌てて、自分のスマホで119番通報


母親を呼ぶも応答なし

父は帰省中のためおらず

兄は呼びかけに反応なし
呼吸はあり
ソファー上に仰臥位の状態で、倒れている横には嘔吐痕あり



現場に向かう救急隊からコールバック


・救急隊がコールバック(プレアライバルコール)

呼吸はしているとのことで、回復体位の口頭指導をする

それと同時に、現場状況の把握もできれば行ってもよいが、高校生のため、かなり慌てている

現場に到着するまで、2分間コールバックし、回復体位と慌てている高校生を落ち着かせる

少し重たく動かないというが、うまく口頭指導できれば回復体位にさせられる



妹の行動


帰宅後に倒れている兄を発見し、急いで119番通報

コールバックの電話へ対応するも、かなり慌てる

兄は仰臥位で嘔吐しそうだと伝える

重くて動けない

何度か誘導され回復体位をとらせる

他に誰かいないか聞かれるが、『母はいると思うが、帰ってすぐのためわからない。大きな声で呼ぶも応答はない。』

『いいから早く来てと伝える』




現場状況(傷病者1:兄)


20歳男性 大学生

リビングで倒れている(仰臥位)

意識なし

呼吸あり

適切な口頭指導で、回復体位

嘔吐痕あり

救急隊到着時に嘔吐する

意識レベル JCS200  GCS E1 V2 M4

呼吸    16回/分

脈拍    120回/分

血圧    80/60mmHg

SpO2          93%

体温    35.4℃

心電図   頻拍 12誘導も同様

血糖値   70mg/dl


救急隊が接触のすぐ後に、ドクターカーチームが到着

ドクターカーチーム到着後、母がトイレから出てきて、ドクターカーチームと接触し、リビング平日

先着救急隊は、他に誰かいるか確認すると思うが、ほぼドクターカーは同着する




現場状況(傷病者2:母)


40歳女性(会社員)

下痢・嘔吐があり、トイレにこもっている

下痢・嘔吐があったため、市販薬を服用

意識晴明

呼吸 速

脈拍 120/分


意識レベル JCS1 GCS E4 V5 M6

呼吸    30回/分

脈拍    100回/分

血圧    100/60mmHg

SpO2          96%

体温    35.9℃

心電図   洞調律 12誘導も同様

血糖値   70mg/dl

嘔吐・下痢症状 内服は正露丸




現場状況(通報者:妹)


17歳 女性

特に症状なし

部活から帰宅し、リビングで倒れている兄を発見




妹からの聴取


母親も兄も体調が良くなかったため今日は1日部屋にいた

昼ごはんは、部活でコンビニ弁当を食べた

兄が倒れているのを見て、かなり動揺している

部活から帰ってきたところ、リビングで倒れている兄を発見

父親は現在、実家に帰省中

(母親の様子を田舎に見に、1週間の休暇中で自宅には不在)




母親からの聴取


今朝から、兄とともに下痢・嘔吐症状があった

市販薬(正露丸等)を服用し、様子を見ていたが治らず

兄も同様、市販薬を服用するも症状改善なし

母親は、下痢・嘔吐の症状でトイレ内にいた

救急隊到着したと同時に、トイレから出てきた


食中毒を疑うキーワードを聴取されれば、

昨日のご飯を伝えるが

何か聞かれれば、『夫が帰省していてそこから送られてきた野菜で料理した』と答える

父からスマホに野菜や花の写真が送られている




妹は野菜嫌いのため、野菜炒めは食べていない






 採点基準


口頭指導/状況評価

・的確に口頭指導し、回復体位を指示し、実施できた

 (50/0)

・状況を把握できたか

 (25/0)

・状況評価、感染防御、安全確認、傷病者数

 (50/25/0)

・現着後すぐなDC隊に情報を共有した

 (20/0)


傷病者1への対応

・初期評価

 気道、循環、意識、体温

 (50/25/0)

・意識障害の原因を鑑別判断、

 バイタル(血糖値を含む)測定した

 (50/25/0)

・処置 気道確保

 用手のみ(10)/挿管(25)

・アルコールや薬剤などの疑いを否定するための聴取

 (家族等に)

 (25/0)

・対応の優しさ

 (10/0)



 結果


イヌサフランを誤食したことによる、コルヒチリン中毒事案

玉ねぎだと間違えて誤食したたも、なぜそうなったかはまったくわからない状況

イヌサフランは、夫が田舎から送ったもの

女子高生(娘)は野菜嫌いであり、野菜は食べていない

中毒事案ではあるが、なぜなったのかがわからないということがある

その中で原因物質を特定することが治療に繋がる




 ポイント


適切な行動指導(回復体位)を実施できるか 

胸骨圧迫の口頭指導もそうだけど、電話で焦っている方(しかも高校生)に口頭指導するのはなかなか難しい・・・

今はスマホで検索できるから、画面で伝えられたら、まだわかりやすいでしょうけど



食中毒事案(イヌサフラン誤食によるコルヒチリン中毒)と判断し、医療機関に伝えることができるか

・本人たちが、食中毒になるような物を食べたという認識がない

・複数傷病者事案であるが、同一の症状があり中毒を疑わせる現場状況を把握すること

・アルコールやODなどの薬物中毒、違法薬物なども考えられるが、現場状況や聴取により否定できる

(現場には開封された正露丸が置いてある)


今回のメディカルラリーはスマホ使用OKでしたので、スマホで写真検索してイヌサフランの誤食と見抜いたチームもおられたようです拍手

自然毒の誤食でよく聞くのは、
ニラと思って食べたら水仙だったとかドクロ
キノコ狩りに行って、食べられるキノコと思って食べたら、毒キノコだったとかかな

畑以外で採れる野菜とかを食べる機会はなかなかないけど、気をつけないと怖いですね驚き


厚生労働省HPに自然毒のリスクファイルがあります



次のST⑧はこちら

下矢印