12月に開催された千里メディカルラリー

それぞれのステーションのシナリオからお勉強しています。

シナリオステーション(ST)は全部で8ステージあります。


前回のST2はコチラから

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ST3の概要


参加チームに示される指令はコチラ





こちらのステーションでは救急救命士が非番でジムへ行き、医師➕看護師チームとは別行動になります。



    

救急救命士が先にスタート

非番日で2人で筋トレのためにジムへ向かってもらいます(資機材なし)

途中、プールから飛び出してきた教員から助けを求められます。


小学校のプールの授業中に、男児Aが突然意識消して水中に沈んでしまった。

それを目撃した男児Bが助けようとするが、自身も溺れてしまう。

教員が2人をプールサイドに引き上げたが、呼吸をしておらず、すぐに胸骨圧迫を開始した。

そこにたまたま通りがかり、助けを求められた救急救命士が接触する。

2人とも体は濡れた状態で、教員は2名おり、それぞれに対して胸骨圧迫実施中。

必死になっていて、こちらから指示を与えないと動かない。


傍らにバスタオルと教員が用意したものと思われるフェイスシールドが2枚落ちている。

周囲には子供たちが不安そうや表情で立っている。

泣いている子もいる。


男児Aは既往症としてQT延長症候群があり、βブロッカー内服中。

男児Bには既往症なない。


AEDはプール内にあり、教員に指示すれば取りに行ってくれる。

教員は現場を離れる。

反応、呼吸、循環(脈拍触知)を評価、いずれもなし。

胸骨圧迫開始(フェイスシールドを用いて2回の人工呼吸を先行させても良い)

応援が来るまでは1人法で実施。


AED装着で男児Aはショック適応あり、実施し2分後の確認でROSCする。

自発呼吸もあり。回復対位にし、Dr・Ns到着後、ルート確保を。


男児Bはショック適応なし。

競技開始2分30秒後、ドクターカー隊としてDr・Nsが合流し、資機材展開。

救急車到着は未。

男児BはBVM換気を行うも胸郭挙上なし。

ルート確保は静脈路でも骨髄路でも可能だが、シミュレーターで実施する。

気管挿管後、チューブ内から水が噴き出すのに対し、吸引を行うことで換気は可能になる。

アドレナリン投与後、2分後の確認でROSCする。


男児Aについて保健室の先生(もしくは担任)からQT延長症候群の既往の情報を言ってくる。

男児AはROSC後2分で痙攣をする。

ミダゾラム(ジアゼパムでも可)を投与、静脈路確保済みであれば静注、ルートがなければ筋注、鼻注、頬粘膜投与いずれも可。

競技終了時に救急車が到着し、終了。






子どもたちのケア

処置が見えないところに誘導する。



PBLSの実施

教員と胸骨圧迫を交代、それぞれの教員に対し、AEDと応援の要請を依頼する。

胸骨圧迫は両手もしくは片手での圧迫、圧迫の質を評価。

圧迫:換気=30:2(1人法)

体は濡れているのでタオルで水気を拭き取る。

AEDのパッドは2人とも成人用を使用(小児用パッドの適応はJRCで6歳未満、PBLSでも8歳未満)

ショックの実施はAEDの指示に従う。



PALSの実施

胸骨圧迫は両手もしくは片手での圧迫、圧迫の質を評価。

圧迫:換気=😭15:2(2人法)

ルート確保(静脈路でも骨髄路でも可、針のサイズは24G、22Gいずれも可)


アドレナリン投与(10倍希釈が基本だが、投与量があっていれば源液も可)

※アドレナリン投与は開始5分以内で加点

・男児B(25kg):10倍希釈2.5ml、原液0.25ml


気管挿管(カフありを選択、カフなしは減点)

チューブ径:4+年齢÷4(mm)(カフありで-0.5はOK)

挿入長:チューブ径×3or5+身長÷10(cm)

喉頭鏡ブレード:3

☆男児B(130cm):5.5or6.0mm,16.5〜18cm固定

※挿管後の換気回数は20〜30回/分



心停止後けいれんの治療

男児A(20kg)薬剤投与量

多いのはミダゾラム(原液でも5倍希釈(1mg/ml)でも可)だが、以下のいずれでも可

☆ドルミカム・ミダゾラム

原液0.4-1.2ml,5倍希釈2-6ml(0.1-0.3mg/kg)

☆ミダフレッサ 

2-6 ml(0.1-0.3mg/kg)

☆セルシン

1.2-2ml(0.3-0.5mg/kg)

☆ブコラム

1.5ml(7.5mg)頬粘膜投与




 具体的な採点基準


安全確保

誘導:子ども達を心理的に安心な場所に誘導

119番通報:119番通報の依頼

人員配置:教員を上手く利用できるか


PBLS

評価:反応、呼吸、脈拍触知

呼吸:気道確保、人工呼吸

胸骨圧迫:部位、深さ、リコイル、テンポ、圧迫:換気比、絶え間なさ

AED:持ってくる指示、成人用パッド、水気の拭き取り、安全確認使用



PALS

胸骨圧迫:部位、深さ、リコイル、テンポ、圧迫:換気比、継続

呼吸:BVM選択、マスク選択、換気回数(挿管後)

気管挿管:ブレード、カフつき選択、チューブサイズ、挿入長、確認

ルート確保:成功(静脈路、骨髄路いづれも可)

アドレナリン:投与量、5分以内の投与

AEDで蘇生する症例なので、PALS部分は採点対象外


周囲への優しさ

患児や周囲への優しさ


※ショック適応ありでの採点基準





ST3は小児の症例

学校のプール授業中、室内プールが現場でした。


傷病者は2名の8歳児


救命士のお2人は非番なので、医師➕看護師の到着まで資機材が無いなかでの活動。


PBLS(小児の一次救命処置)、PALS(小児の二次救命処置)の実施

AEDのショックが〝適応あり〟〝適応なし〟それぞれの対応を求められます。

教員の先生に協力を依頼して、動いてもらうのも大切なポイントです。


小児は救命処置も薬剤投与も成人とは違うので、傷病者の年齢も大事になってきますね。




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