前回の記事、マルティヌー/ギリシャの受難劇の観劇をもって、私の2023年のザルツブルク音楽祭はフィニッシュとなりました。
終盤にかけて素晴らしかった今回のザルツブルク音楽祭ですが、実は2023年に観に行って、私のザルツブルク音楽祭への参加はちょうど10回目となりました。ヤッター!!!バンザーイ!!!
さらに20回、30回と観に行かれている方もいらっしゃると思いますが、海外のことなので、10回というのもそれなりの回数。そこで、この10回のザルツブルク音楽祭の体験をまとめるとともに、私なりに感じたザルツブルク音楽祭の魅力や特徴を書いてみようと思います。
本ブログで何度かお話ししているように、私は普通の一介のサラリーマンで、音楽関係の仕事に携わったことはなく、もちろん音大も出ていません。趣味でピアノを弾いている単なるピアノ好きで、東京でコンサートやオペラを楽しんでいる、ただのクラシック音楽の愛好家です。
なので、そのクラシック音楽の愛好家の立場、シロウト感覚で見てみると、ザルツブルク音楽祭はどう感じるのか?少しでも参考になれば幸いです。
(なお、同じような趣旨でバイロイト音楽祭とウィーン少年合唱団についても魅力や特徴をまとめた記事を以前に書いています。ご参考まで。)
(参考)2017.8.16 祝!バイロイト音楽祭ワーグナー10作品コンプリート!
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12312539335.html
(参考)2020.1.5 ハイドン/聖ニコライ・ミサ(ウィーン少年合唱団@ウィーン王宮礼拝堂ミサ)
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12581922506.html
(1)私が楽しんできたザルツブルク音楽祭の公演
2006年
初めてのザルツブルク音楽祭です。モーツァルト生誕250周年のザルツブルク音楽祭は、モーツァルトのオペラ22作品を全て上演するという前代未聞の企画!そのことを聞いて、これは何としても観に行かなければ!と、おっかなびっくり(笑)ザルツブルク音楽祭に参加してみました。
この時に観たオペラは、もちろん全てモーツァルトで、観た順番に、牧人の王、ルーチョ・シッラ、魔笛、フィガロの結婚、バスティアンとバスティエンヌ、劇場支配人でした。
特に、2006年7月26日のハウス・フュア・モーツァルトでのフィガロの結婚は、もしかすると人生で最高のオペラ体験!!!
というのも、この公演がハウス・フュア・モーツァルトのこけら落としの公演だったからです(ザルツブルク祝祭小劇場→ハウス・フュア・モーツァルト)。赤絨毯が引かれて、オーストリア大統領が列席されていて、終演後には観客にシャンパンがふるまわれていて、祝祭感に溢れた公演でした。
この時の公演は、ニコラウス・アーノンクール指揮/ウィーン・フィル、クラウト・グート演出で、フィガロがイルデブランド・ダルカンジェロさん、スザンナがアンナ・ネトレプコさん、アルマヴィーヴァ伯爵がボー・スコウフスさん、伯爵夫人がドロテア・レシュマンさん、ケルビーノがクリスティーネ・シェーファーさんと揃いも揃った最高のフィガロでした!
また、牧人の王では、アンネッテ・ダッシュさんのアミンタ、マルリス・ペーターゼンさんのエリーザという強力なツートップ!劇場支配人で前後を挟んで、バスティアンとバスティエンヌを劇中劇として、さらにそれを人形劇で上演するという、最高に行けてる公演も素晴らしかったです!
(写真)2006年のザルツブルク音楽祭のモーツァルトの22のオペラのDVDセット。発売当時10万円以上して、ザルツブルクに行って厳しいお財布事情には泣きっ面に蜂でしたが…、それでも買っておいて良かった!家宝です!
2006年と言えば、私はまだ30代の働き盛りで、ガンガン仕事をしていた頃です。仕事はとても忙しかったですが、意を決してザルツブルク音楽祭に参加してみて本当に良かった!視野や世界が大きく広がった、いわば人生の分岐点となった出来事でした。
2008年
この年の夏のヨーロッパ旅行は、オーストリア → リトアニア → ラトビア → オーストリアという旅程で、さらにオーストリアではオペレッタを中心に観劇したので、ザルツブルク音楽祭はコンサート1公演のみでした。フランス・ブリュッヘン指揮のモーツァルト・マチネで、モーツァルトの交響曲2曲(パリ&リンツ)を聴きました。
ザルツブルク音楽祭はウィーン・フィルのコンサートが堪能できることで名高いですが、モーツァルト・マチネ(ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団)という素晴らしいコンサートがあることをこの時に覚えました。
2011年
この年は何と言っても、クリスティアン・ティーレマンさんの指揮で、R.シュトラウスのオペラ「影のない女」とアルプス交響曲を楽しめたのが今でも最高の思い出となっています!
ティーレマンさんの濃密な指揮で聴く、ウィーン・フィルによるR.シュトラスは圧巻の一言!影のない女の第3幕ラストのエヴェリン・ヘルリツィウスさん(バラクの妻)とアンナ・シュヴァンネヴィルムスさん(皇后)の二重唱は、演出のクリストフ・ロイさんによるドラマのラストへの高め方も含めて、いま思い出しても鳥肌が立ちます!
そして、それまであまり良さが分らなかったモーツァルト/コジ・ファン・トゥッテも、マルク・ミンコフスキ指揮/クラウス・グート演出の素晴らしい舞台を観て、こんなに素晴らしいオペラだったんだ!と開眼しました!さすがモーツァルトの本場です!
2013年
ワーグナーとヴェルディの生誕200周年の年で、この時は初めてとなるバイロイト音楽祭を中心に旅程を組みましたが、ザルツブルク音楽祭では、ワーグナー/リエンツィ(演奏会形式)、ヴェルディ/レクイエム(リッカルド・ムーティ指揮)、ドン・カルロを堪能できました。ワーグナーとヴェルディの記念年の良き思い出となりました。
(なお、2013年以降のザルツブルク音楽祭の観劇は全て本ブログで感想を掲載しています。)
2014年
R.シュトラウス生誕150周年の年。ザルツブルク音楽祭はR.シュトラウスが創設に関わっているので、この年に、R.シュトラウスのオペラ「ばらの騎士」をザルツブルク音楽祭で観ることができたのは一生の思い出になりました!フランツ・ウェルザー・メスト指揮/ウィーン・フィルの演奏も最高!
(写真)2014年のザルツブルク音楽祭のポスターは、R.シュトラウスに敬意を表した感動的なポスター!
また、珍しいシューベルト/フィエラブラスを観れたのも嬉しい。特に、きらめく高音に魅了されたユリア・クライターさんのエンマが素晴らしかったです!インゴ・メッツマッハー指揮/ウィーン・フィルは言うまでもなく最高!
2017年
この年からコロナの期間を除いて、毎年ザルツブルク音楽祭を観に行くようになりました。
ヴェルディ/アイーダはリッカルド・ムーティさんの指揮、アンナ・ネトレプコさんのアイーダ、フランチェスコ・メーリさんのラダメスと揃いも揃って最高!ザルツブルク音楽祭はゴージャスなオペラ公演があるイメージがありますが、そのイメージ通りの贅沢な公演でした!
また、ベルク/ヴォツェックはウィリアム・ケントリッジさんのドローイングを駆使した演出が素晴らしく、今をときめくアスミク・グリゴリアンさんのマリーも魅力的でした。また、ウィーン・フィルのベルクがめちゃめちゃ素晴らしく!もしかすると私の観てきたオペラ公演の中で、最も完成度が高かった公演かも知れません。
さらに、ヘンデル/アリオダンテではチェチーリア・バルトリさんのアリオダンテが素晴らしく、バロック・オペラにハマったきっかけとなった公演でした。このように、この年は極めてレベルの高いオペラ公演の連続に圧倒されました!
しかも、それらに加えて、ヘルベルト・ブロムシュテット/ウィーン・フィルのR.シュトラウス/メタモルフォーゼンとブルックナー7番を聴くことができました!N響に度々来日していただけるブロムシュテットさんですが、ウィーン・フィルで聴くのは初めて。ただただ素晴らしかったです!(しかもマエストロの90歳のお祝いのシーンにも立ち会えました!)
2018年
ロッシーニ没後150周年の年なので、ペーザロのロッシーニ音楽祭を中心に旅程を組みましたが、ザルツブルク音楽祭にも最後に少しだけ参加しました。ロッシーニ・イヤーということで、ロッシーニ/アルジェのイタリア女を楽しめましたが、チェチーリア・バルトリさんの強気なイザベッラ、イルダール・アブドラザコフさんのユーモラスなムスタファが最高で大笑いしました!「パッパターチ」に騙されるムスタファ!笑
そして、前年に引き続き、ヘルベルト・ブロムシュテット/ウィーン・フィルのコンサートを聴くことができました。シベリウスの4番とブルックナーの4番という、ブロムシュテットさんの十八番の曲目。あまりにも素晴らし過ぎて、もう何も言えません…。
2019年
この年のザルツブルク音楽祭はジョルジュ・エネスコを特集していて、エネスコのオペラ「オイディプス王」と、パトリツィア・コパチンスカヤさんのヴァイオリンでエネスコのヴァイオリン曲2曲を聴くことができました。1995年のローレンス・フォスター/N響の交響曲第1番でエネスコにはまった私にとって、この企画は本当に嬉しかったです。
そして、オッフェンバック没後100周年の記念公演、オッフェンバックのオペレッタ「地獄のオルフェ」を、めちゃめちゃ楽しいバリー・コスキー演出で観ることができたのも良き思い出です。日本では幻のピアニスト、アルカーディ・ヴォロドスさんのリサイタルも絶品でした!
2022年
コロナがようやく収ってきて、思い切って海外に行ってみよう!と、参加してみたザルツブルク音楽祭です。カール・オルフ/時の終わりの劇は、この上演を見逃すと一生観れないのでは?というレアな作品。テオドール・クルレンツィス指揮/ロメロ・カステルッチ演出の強烈な舞台!
そして、大好きなヤナーチェク/カーチャ・カバノヴァーを、ヤクブ・フルシャ指揮/バリー・コスキー演出/コリンヌ・ウィンタースさんのカーチャによる、とても印象的な舞台で観れたのも嬉しい。リッカルド・ムーティ指揮/ウィーン・フィルのアッリーゴ・ボーイト/メフィストーフェレ(プロローグ)も最高でした!
2023年
今回の連載記事をご参照いただければ幸いです。
(参考)2023.8 オーストリア・ドイツ旅行
https://ameblo.jp/franz2013/theme-10118762871.html
(2)ザルツブルク音楽祭の魅力と特徴
上記のように2008年~2023年にザルツブルク音楽祭を10回体験して、クラシック音楽のコンサートやオペラの愛好家(=シロウト)の立場から、私なりに考えるザルツブルク音楽祭の魅力と特徴をご案内できればと思います。
①世界最高のクラシック音楽の音楽祭
これは各方面で言われていることですが、私も海外のいろいろな音楽祭に実際に参加した上で、その通りだ!と、大いに実感しました。
もちろん、ワーグナーだったらバイロイト音楽祭、ロッシーニだったらペーザロのロッシーニ音楽祭は他の追随を許しませんが、クラシック音楽の総合的な音楽祭ではザルツブルク音楽祭が間違いなく最高です。
というのも、毎年7月下旬から8月末までの1ヶ月以上の長期に渡って、幅広い分野の5作品以上のオペラの上演がほぼ毎日あって、ウィーン・フィルやモーツァルト・マチネのコンサートが毎週あって、ベルリン・フィルなどのゲスト参加もあって、さらには出演する指揮者や歌手やソリストも超一流。こんな質と量の両面で充実した音楽祭は、この世のどこにもありません。
②モーツァルトとR.シュトラウスの最高のオペラを観ることができる音楽祭
幅広い作曲家のオペラを楽しめるザルツブルク音楽祭ですが、とは言え、モーツァルトとR.シュトラウスのオペラは特別です。なぜなら、ザルツブルクはモーツァルトが生まれたまちであり、ザルツブルク音楽祭の創設にR.シュトラウスが関わったからです。
モーツァルトとR.シュトラウスはザルツブルク音楽祭でオペラを主に演奏するウィーン・フィルとの相性も最高!この2人の作曲家のオペラをザルツブルク音楽祭で観るのは、ただそれだけで特別なイベントとなります。
③隠れた名作オペラを最高の舞台で観ることができる音楽祭
ザルツブルク音楽祭は豪華なキャストのオペラ公演というイメージがあり、実際、2017年のヴェルディ/アイーダの上演はすさまじかったですが、私はどちらかと言うと、隠れた名作オペラを素晴らしいキャストで観ることができることこそ、ザルツブルク音楽祭の醍醐味だと感じています。
私が存分に楽しんで、その作品自体の素晴らしさを大いに体感できた、モーツァルト/牧人の王(2006年)、シューベルト/フィエラブラス(2014年)、ヘンデル/アリオダンテ(2017年)、エネスコ/オイディプス王(2019年)、カール・オルフ/時の終わりの劇(2022年)、ヤナーチェク/カーチャ・カバノヴァー(2022年)、マルティヌー/ギリシャの受難劇(2023年)はその一例だと思います。
④ウィーン・フィルを比較的容易に聴くことのできる音楽祭
あれっ!?ウィーン・フィルはウィーンの方が簡単に聴けるのでは?
いやいやいや。実はウィーン・フィルをウィーンで聴くのは少しハードルが高いのです。ウィーン・フィルの定期演奏会は1年に10回(1回2公演)しかありませんし、基本的に定期会員が押さえているので、チケットを取るのがいささか難しいのです。(定期演奏会と同じプログラムで3日目など定期以外のコンサートもありますが、いずれにしても狭き門ですし、タイミングが合うかどうか?)
その点、ザルツブルク音楽祭では期間中、土日を中心にウィーン・フィルのコンサートが毎週あり、みんなで一斉にチケットをリクエストする形となるので、値段のカテゴリーを抑え目にさえしなければ、ほぼチケットは取れます。
私は一斉予約の段階でオペラのチケットを取れなかったことが3回ありますが(2006年のフィガロの結婚(現地で奇跡的に取れた)、2013年のドン・カルロ(ズーヘ・カルテで取れた)、2018年のサロメ(諦めてバート・イシュルでパウル・アブラハムのオペレッタ「ハワイの花」を楽しんだ))、ウィーン・フィルのコンサートはこれまで全て取れています。
ウィーンのムジークフェラインザールで聴くウィーン・フィルはただただ最高ですが、ザルツブルクの祝祭大劇場で聴くウィーン・フィルもめちゃめちゃ良いです!何しろ、それを目当てに海外やオーストリア各地から観客が来ているので、ウィーン・フィルもかなり気合いが入っているように見受けますし、観客のみなさまの期待感をひしひしと感じて、それがまたいいんです!
(たまに、劇場でオーストリアのウィーン以外に住んでいらっしゃる方から話しかけられてやりとりすることがありますが、みな揃ってウィーン・フィルのことを絶讃して、ウィーン・フィルを聴くことがどれだけ特別なことかを話されます。オーストリアの誇りであることを大いに感じます。)
ちなみに、その点、東京もとても恵まれていると思います。なにしろ、毎年秋にウィーン・フィルが来日してくれて、3つくらいのプログラムをもって1週間近く演奏してもらえて、チケットも発売日初日にトライすればだいたい取れるので。世界的な視点で見ると、本当にありがたいことです。
⑤珠玉のモーツァルト・マチネを楽しめる音楽祭
ウィーン・フィルはもちろん最高ですが、それと並んで素晴らしいのがモーツァルト・マチネ!ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団がオール・モーツァルト・プログラムで毎週土日の11時から、至福のマチネの演奏会をやってくれるんです!
これまで本ブログではモーツァルト・マチネの素晴らしさを何度となくご紹介していますが、ウィーン・フィルのモーツァルトが雅でエレガントでたおやかなモーツァルトとすれば、モーツァルト・マチネのモーツァルトはスリリングで刺激的!コンスタンティノス・カリディスさんだったり、アンドルー・マンゼさんだったり、メリハリを大きく付けた弾けるようなモーツァルトが楽しめること請け合いです!
ヨアナ・マルヴィッツさんだったり、アウグスティン・ハーデリッヒさんだったり、ブレイク一歩手前の若手の素晴らしいアーティストが出演する目利き力にも毎回感服します。白と黄色の美しいモーツァルテウムのコンサートホールも素晴らしい。非常にお勧めです!
(なお、このザルツブルク音楽祭のモーツァルト・マチネに倣って、当時の音楽監督の名匠ユベール・スダーンさんが始めた東京交響楽団のモーツァルト・マチネ(ミューザ川崎シンフォニーホール)も素晴らしいです!とてもハイレベルな活き活きとしたモーツァルトが聴けるので、こちらもお勧めです!)
⑥チケットが比較的取りやすい音楽祭
ウィーン・フィルの項目でもご紹介しましたが、ザルツブルク音楽祭はチケットを取りやすい音楽祭だと思います。これは特にバイロイト音楽祭と比較してですが、インターネットでもチケットが取れるようになったものの、まだまだチケット取得のハードルの高いバイロイト音楽祭に対して、ザルツブルク音楽祭はチケットをリクエストして割り当てのある方式なので、チケット代の指定を控えめにさえしなければ、だいたい取れると思います。
⑦観光やご飯&お酒も大いに楽しめる音楽祭
夏の音楽祭では日中の観光も一つの楽しみですが、その点、ザルツブルクは完璧です!何しろ、ザルツブルクのまち自体が世界遺産(旧市街)で、加えてサウンド・オブ・ミュージックの舞台。見どころには事欠きません。
そして、ザルツブルク近郊にも、ザルツカンマーグートを始め沢山の観光地があり、一度や二度のザルツブルク滞在ではとても回りきれません。ザルツブルク音楽祭とセットで楽しまれることを大いにお勧めします!
以下は、私がザルツブルクのホテルに宿泊して、夜にザルツブルク音楽祭を観劇した時の、日中にエクスカーションとして行った観光地の一例と、ザルツブルク滞在中に食べたご飯&お酒&スイーツです。ご参考まで!(本記事作成に当たり、この作業が一番楽しかったです、笑)
(写真)ブルックナーゆかりのザンクト・フローリアン修道院(2006年)
(写真)ザンクト・ヴォルフガングのイム・ヴァイセン・レッスル。オペレッタ「白馬亭にて」の舞台のホテルです。(2006年)
(写真)バート・イシュルのカイザーヴィラと、ハルシュタットの湖岸にへばりつくように建つ家々の風景(2006年)
(写真)アッター湖のヘレンゲベルクの岩山とグスタフ・マーラーの夏の作曲小屋。マーラーはここで交響曲第3番ニ短調を作曲しました。(2008年)
(写真)モント・ゼーの教区教会。サウンド・オブ・ミュージックでトラップ大佐とマリアが結婚式を挙げました。(2011年)
(写真)ヘレンキームゼー城を見に行った帰りのプリーンのお祭りにて。王宮御用達のビール、トラウエンシュタイン。(2013年)
(写真)グムンデンの陶器工場の巨大なカップのサイン。グムンデン焼きの素朴な味わいが好きです。(2013年)
(写真)ツェル・アム・ゼー。シュミッテンヘーエ山頂からのツェル湖の眺め。この風景を見た翌々日に聴いたヘルベルト・ブロムシュテット/ウィーン・フィルのブルックナー7番は最高でした!(2017年)
(写真)オーベルンドルフ。可愛らしい、きよしこの夜礼拝堂。(2023年)
(写真)ザルツブルク滞在中に食べたご飯&お酒&スイーツ。振り返ってみると、ヴィーナーシュニッツェルばかり食べてる…。ビールやワインに合いますからね。モーツァルト・クーゲルンでカフェの隣の席の観光客の方にいたずらして驚かせたのはいい思い出です、笑。
以上、2006年から2023年まで、ザルツブルク音楽祭に10回参加した私が、クラシック音楽愛好家の目線で感じたザルツブルク音楽祭の魅力&特徴でした。
この記事がザルツブルク音楽祭に興味を持たれている方や、これまでご存知なかった方のお役に少しでも立てば嬉しいです!そして、ぜひザルツブルク音楽祭に行かれてみてください!
(なお、ザルツブルク音楽祭のオペラは、気鋭の演出家による読み替えの舞台も多くなっています。保守的な舞台を好む方は、ザルツブルク音楽祭は観に行かないか、誰が演出家なのかをよく調べてからの方が無難だと思われます。逆に、刺激的な舞台を好む方には、最高の観劇との出会いが待っていることでしょう!)
最後に、この記事をご覧いただいた若い方々に。新NISAが始まり、将来のことを考えて資産を増やすことももちろん大切ですが、日経平均が4万円になって、そのことでほくそ笑んでいても、経験を積むことはできません。若い時には若い時にしかできないことがあり、逆に機会損失の方が大きいと思います。
将来、歳を取って余裕ができてから海外旅行を楽しもうと思っても、その時には足腰が弱っていて行動が限られたり、海外のこってりとしたご飯が食べられなくなっていたり、存分に楽しめないリスクがあります。さらには病気や怪我になって行けなくなる可能性もあります。
海外旅行は行けるうちに行った方が良い、というのが私のこれまでの経験から得られた結論です。ぜひ、若いうちにザルツブルク音楽祭を観に行って、視野や世界を広げられてみてください!