先週のN響とのドヴォルザーク/新世界からが、いきなりの名演だった原田慶太楼さん。再びN響に客演するコンサートを聴きに行きました。楽しいオール・アメリカ・プロです!

 

 

NHK交響楽団11月公演

(サントリーホール)

 

指揮:原田 慶太楼

 

バーンスタイン/「オン・ザ・タウン」─「3つのダンス・エピソード」

G.ウォーカー/弦楽のための叙情詩

ピアソラ/タンガーソ(ブエノスアイレス変奏曲)

コープランド/バレエ組曲「アパラチアの春」

マルケス/ダンソン第2番

 

 

 

まずはバーンスタイン。リズミカルなグレート・ラヴァー、しっとりしみじみ聴かせたロンリー・タウン、ブルースやジャズなどレニーのめくるめく音楽が堪能できたタイムズ・スクエア。それらの描き分けがいい感じで、非常に楽しい演奏でした!

 

特にロンリー・タウンは大好きな曲。本当に味わい深い。都会の孤独を表す曲ですが、昨年観たミュージカル公演では、アイスクリームを使った印象的な演出により、孤独感を浮き彫りにしていました。

 

孤独に感じてしまうほど、他人との距離感を大切にする都会。だからこそ、そこでの出逢いは貴重です。3者3様の恋物語が展開された、素敵なミュージカルの舞台を反芻しながら聴きました。

 

(参考)2019.7.27 バーンスタイン/オン・ザ・タウン(佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2019)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12498838213.html

 

 

続いてG.ウォーカー。亡くなった祖母に捧げた作品ということですが、前半のほのかな短調から、後半の優しい長調に絶妙に進んでいく流れに魅了されました。一見、何となく聴き流してしまいそうな曲ですが、しみじみとても味わい深い。アンドリュー・ワイエスの絵を思い浮かべながら聴きました。

 

 

続いてピアソラ。タンゴで有名なピアソラですが、前半はチェロを主体とした弦楽が活躍する重厚な味わいの音楽。途中からピアソラらしいタンゴの音楽となりますが、ホルン→オーボエ→クラリネットと印象的な旋律を繋いだり、一味違った音楽です。

 

以前に観たピアソラの映画では、とにかく名曲アディオス・ノニーノに圧倒されましたが、さすがはナディア・ブーランジェにも師事したピアソラ。タンゴに留まらない素晴らしい曲がまだまだ沢山あるんですね。N響のみなさんによる、とても雰囲気のある素敵な演奏でした。

 

(参考)2018.12.9 映画/ピアソラ 永遠のリベルタンゴ(アディオス・ノニーノ)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12424894050.html

 

 

 

後半はコープランドから。アパラチアの春はとても複雑で一言では表せない音楽。コープランドの作曲技法の素晴らしさを大いに感じます。そして、交響曲第3番を聴いた時にはそんなに感じませんでしたが、やはりレニーの師匠ですね~、よく似ている!(笑) オン・ザ・タウンの「ニューヨーク・ニューヨーク!♪」の旋律がこだました様な気がしましたが果たして?(笑)

 

 

ラストはダンソン。これがめっちゃ楽しい踊りの音楽!プログラムにもありましたが、正にめくるめく音楽です。原田さんが踊るように指揮して、N響も大音響でノリノリの演奏。原田さんはアメリカでキャリアを積んだ指揮者ですが、何となくダンス・パーティ慣れしているような雰囲気が?(笑)

 

コロナで残念ながらブラボーは出ませんが、海外だったら一斉に「ヒュー!」と掛け声が出て、足を鳴らして盛り上がることでしょう。最高に楽しい演奏でした!

 

 

 

原田慶太楼さんとN響の‘オール’・アメリカ・プロ、めっちゃ楽しかったです!アメリカだけでなくアルゼンチンやメキシコ、キューバの音楽を楽しめたり、レニーとコープランド、アルゼンチンのタンゴとメキシコの踊りの対比を実感できたり、よく考えられたプログラム。それを原田慶太楼さんが見事に料理、N響もよく乗って素晴らしい演奏でした!

 

 

 

(写真)楽しいアメリカ・プロ、ということで、終演後は先週に続いてアメリカの料理とお酒を。リズ・クラーク ダブルバビーズバーガーとジンファンデル(カリフォルニアワイン)。ハンバーガーとジンファンデルの組み合わせは2回目ですが、かなり行けると思いました。