バッハ・コレギウム・ジャパンを率いて、バッハの大家として世界的に有名な鈴木雅明さんが、初めてN響に客演するコンサートを聴きに行きました。ハイドンにモーツァルト、めっちゃ楽しみなプログラムです!

 

 

NHK交響楽団10月公演

(NHKホール)

 

指揮:鈴木 雅明

 

ハイドン/交響曲第101番ニ長調「時計」

モーツァルト/交響曲第39番変ホ長調

 

 

 

まずはハイドン。私は先日、ただハイドンを聴きたくて静岡まで行って、結局その勢いで静岡をあちこち楽しんできたくらいの無類のハイドン好き(笑)。鈴木雅明さんのハイドンも楽しみでなりませぬ。

 

(参考)2020.10.9 原田幸一郎/静響のハイドン/学校の先生&受難&帝国@静岡

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12630930586.html

※楽しかった静岡観光は落ち着いてから記事にアップします。ハイドンの経済波及効果が凄い!(笑)

 

 

第1楽章は、意味深長な序奏から始まって、歯切れの良い演奏。ハイドンを聴く喜びを存分に味わえます。「時計」の副題の由来となったチクタクチクタクの音楽にほっこりした第2楽章、雅な雰囲気のメヌエットに魅了された第3楽章もいい感じ。

 

第4楽章は、また第1楽章とは異なる感覚で、非常に小気味好い演奏。疾走するハイドンを大いに堪能しました!これこそハイドンを聴く愉悦。リズムとメリハリが利いて、とても楽しいハイドンでした!

 

 

 

続いてモーツァルト。モーツァルトの交響曲では、ラストの39番・40番・41番の3曲がセットで語られ、中でも小林秀雄がインスパイアされてエッセーにも書かれた短調の40番と、ジュピターの副題を持つ堂々たる41番が特に人気の曲ですが、私は壮麗でウキウキ感満載の39番を最も好んでいます。

 

 

第1楽章は速いテンポかつオケをしっかり鳴らしていたのが印象的。さすがは鈴木雅明さん、メリハリが素晴らしい!第2楽章は、ためらいのニュアンスを強く感じた冒頭、そして激しい中間部との対比が見事。

 

第3楽章。冒頭の「ジャ~ン、チャカチャカチャカ♪」は、3拍子でなく6拍子ではないか?と思ってしまうくらいに推進力を感じて、非常に印象的でした。途中のN響の木管のみなさんの素敵なリレーにも魅了されました。

 

楽しい楽しい第4楽章はインテンポで疾走するモーツァルト!テンポを変えずに強弱とキレとメリハリで勝負する演奏ですが、これが非常に聴き応えありました。

 

大好きな「ジャン!ジャカジャカ、ジャン!ジャカジャカ♪」の場面は、ジョナサン・ノット/東響の絶妙にアッチェレランドする演奏も大好きですが、鈴木雅明さんはテンポを変えずに壮麗さを表に出していました。こういうのもいいですね。最後の逃げ切りも見事!

 

 

(参考)モーツァルト/交響曲第39番変ホ長調から第4楽章。果たしてこんなにウキウキする音楽が他にあるのでしょうか?フランツの大好きな「ジャン!ジャカジャカ♪」は0:15~0:38など何度か出てきます。何か嫌なことがあっても、これ聴けばどっか飛んで行きますよ!

https://www.youtube.com/watch?v=AkJBqXr1rtk (8分)

※Royal Academy of Musicの公式動画より。トレヴァー・ピノックさんの指揮。

 

 

 

鈴木雅明さんとN響のコンサート、非常に聴き応えのあるハイドンとモーツァルト、大いに堪能しました!ハイドンも良かったですが、特にモーツァルトが絶品だったと思いました。

 

N響のコンサートはどうしても広~いNHKホールでの演奏となるので、N響ならではの世界的に著名な指揮者が客演しても、モーツァルトだけは必ずしも十分に楽しめないケースがこれまで多かったように思います。(サントリーホールの方が断然良い)

 

しかし、今回こんなに見事なモーツァルトをNHKホールで聴けて、やはり鈴木雅明さんはただ者ではない。バッハのみならず、古典派の作曲家の聴かせ方も知り尽くしている。そのことを改めて思ったしだいです。

 

 

今月下旬、28日(水)・29日(木)には、サントリーホールで鈴木雅明/N響のシューベルト2連発(交響曲2番&4番)があります。もう楽しみで楽しみでなりません!大いに期待しています!

 

 

 

(写真)そして終演後はお約束でモーツァルトトルテ(笑)。フランツはお酒も甘いものも大好物。両方とも存分に楽しめるのがストロング・ポイントです。いや、逆にウィーク・ポイントなのかも?(笑)