月末になったので、毎月末に書いているピアノの練習記事です。どうしてこんなことを始めたのか?どうしてベートーベンのピアノ・ソナタとヴァイオリン・ソナタを練習しているのか?については、以下の記事をご参照ください。

 

 

(参考)2020.1.31 ピアノ練習(2020年3月の目標&1月末時点)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12571968320.html

(参考)2020.2.29 ピアノ練習(2020年2月末時点&4月の目標)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12578996972.html

 

 

 

(1)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調op.57「熱情」

⇒年初の目標:3月末までに第1楽章を仕上げる。

⇒3月末時点:ほぼ弾けるようになりました!

 

 

3月末までを目標として練習を始めた熱情ソナタ第1楽章ですが、3月末時点で、ほぼ弾けるようになりました!やったー!

 

以前にトライした時には難しくて途中で挫折したので、毎日のように通しで弾けているのは、大いなる喜びを感じます。時間は10分くらいですが、愛聴盤のヴィルヘルム・バックハウスの演奏が9:27なのでまずまず。とにかく難しい箇所を中心に、繰り返し繰り返し練習して、何とかここまで来ることができました。

 

 

いま弾いていて、特に弾き応えを感じているところをご紹介します。

 

 

 

(写真)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調第1楽章の2回目の第1主題の後の展開部

 

ここは右手の強烈なトレモロ(指は4231)に続いて、左手と右手が交互にフォルテのアルペジオで降りていく、非常にダイナミックな場面です。とにかく白鍵と黒鍵の間を縫うようにして、指を次々と持ち替えながら弾くアルペジオがとても難しく、「アルペジオ地獄」とも言うべき場面。

 

ショパンのアルペジオと違って、指がピタッとはまる感覚がなかなか得られず、何度も何度も練習して(特に左手)、ようやくフォルテで勢いよく弾けるようになりました。

 

思うに、ベートーベンはどの指でどのように弾かれるのか?というスキルのことについてはほとんど眼中になく、とにかくここではこの音を当てたい、この音しかない!という音を楽譜に書き込んでいる、そんな印象を感じています。

 

そして、ここは、短調と長調が交錯するような、まるで悲劇と希望がない交ぜになったような、非常に象徴的な場面で、この第1楽章の鍵を握っていると感じます。

 

 

 

(写真)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調第1楽章の4回目の第1主題

 

ここは右手が弱音を刻んで、左手が主題を奏でる場面です。右手が滑らかなアルペジオを続けるところ(オレンジの丸)、音型のパターンを一から繰り返すところ(赤の丸)の2つのパターンを、ごく弱音でリズミカルに弾く必要があります。

 

ここも難しい場面ですが、この右手が何か時を感じさせるような、神聖さを感じさせるような、何とも言えないニュアンスがあって、とても好きです。

 

 

 

ということで、3ヶ月で一通り弾けるようにはなりましたが、改めて思ったのは…、

 

熱情ソナタの第1楽章はめちゃめちゃ難しい!(笑)

 

もう思い知りました。何と言うか、ドビュッシー/喜びの島の方が、一見して、こんなの弾けないよ~(笑)、という超絶技巧のアルペジオが沢山出てきますが、熱情ソナタの第1楽章はいざ弾いてみるとしみじみ難しさを実感する箇所が多く、それらがいろいろなパターンで出てきて全体的に体力をそがれて、生半可では15ページの最後まで辿り着けない。そんな曲のように感じます。

 

以前はマラソンに例えましたが、あたかもマラソンと十種競技を同時にやっているような困難さです。しかも、これでおしまいではなく、その後には、第2楽章、そしてあの激しい至難の第3楽章が待っているのです。うぎゃー!(笑)

 

 

とにもかくにも、第1楽章は当初の目標通り、3月末までにはほぼ弾けるようになりました。今後も弾きにくいところを中心にしっかり練習して、年末までにできるだけ完成度を高めたいと思います!(特にトリルと単音連打)

 

 

ということで、次の目標です。

 

 

(1)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調op.57「熱情」

⇒3月末の目標:5月末までに第2楽章を仕上げる。

 

 

1週間前くらいから始めた第2楽章です。既に譜読みは終えていて、今は後半の16分音符で左手と右手が速い旋律を弾く、一番難しいところを中心に繰り返し練習しています。年初の予定では4~6月の3ヶ月で仕上げようと思っていましたが、この進み具合だったら、おそらく2ヶ月で行けそう。油断せずに、しっかりと練習したいと思います。

 

 

 

(2)ベートーベン/ヴァイオリン・ソナタ第5番イ長調op.46「春」第1楽章

⇒目標:5月末までに第1楽章を仕上げる。

⇒3月末時点:途中ゆっくりになりながらも、通しで弾けるようになりました!

 

 

3月始めに練習を始めたスプリング・ソナタの第1楽章ですが、全10ページを1ヶ月で通しで弾けるようになりました!3ヶ月の練習期間を見込んでいましたが、思ったよりも早い仕上がり。その理由は、

 

◯イ長調で♭が1つ、そして重音が少ないので、譜読みが比較的楽だった。10ページのうち、半分くらいは初見でもそこそこ弾けた。

◯スケールが頻発するのが難しい点ですが、ハノンや熱情ソナタを練習していて指がよく動くので、どの指で切り返しをするのかさえ間違わなければ、クリアするのは比較的楽だった。

◯春にこの曲を弾きたい!という想いが強くて、熱心に練習した。

 

 

この曲はとても伸びやかで明るいヴァイオリンの音色、聴いていてとても心地良い気持ちになる曲です。いま弾いていて、とても好きなところを1箇所ご紹介します。

 

 

 

(写真)ベートーベン/ヴァイオリン・ソナタ第5番イ長調「春」より重音連打の場面(大きな音符がピアノで、その上の小さな音符がヴァオリン)

 

ここはヴァイオリンが軽快な旋律を奏で、ピアノが重音で呼応する場面(1段目)と、その旋律をヴァイオリンとピアノが交互に展開する場面(2段目)、そしてその旋律を今度はピアノが進める場面(3段目)からなります。

 

この3つの変化はいずれもピアノの弾き心地がよく、特にいよいよピアノが主役になる3段目を少し弾き急ぐくらいで弾くと、得も言えない喜びを感じます。思うにこういうところはメトロノーム通りに正確にキッチリ弾いても味が出ないので、むしろ、つんのめりながら弾くくらいの方が雰囲気が出ると思います。

 

 

ということで練習は極めて順調。5月末までに仕上げる予定ですが、できれば前倒しで4月末までに終えられないかな?との野心を思っています。とにかく練習、練習ですね。

 

 

 

ということで、熱情ソナタ第2楽章、スプリング・ソナタ第1楽章の練習は順調に進みそうですが、言うまでもなく、今年はベートーベン生誕250周年。この際、ここぞとばかりに、積極的にいろいろな曲を練習しちゃいましょう!ということで、さらなる課題曲です。

 

 

 

(3)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調op.78「テレーゼ」第1楽章

⇒目標:5月末までに第1楽章を仕上げる。

 

 

テレーゼ・ソナタの第1楽章を練習することにしました!スプリング・ソナタもそうですが、この曲の明るい曲調や瑞々しさは、春から初夏に弾くのにとても相応しいように思います。

 

 

 

(写真)テレーゼ・ソナタの冒頭の場面。ここは優しさや憧れの感情を抱きます。おっと、嬰ヘ長調ということで、♯が6つも!(笑)

 

 

4月始めからなので、練習期間は3ヶ月取ろうかとも思いましたが、とにかく今は譜読みが速く終えられるので、嬰ヘ長調であっても、2ヶ月で何とかなりそうな予感。より厳しめに追い込んで練習したいと思います。3曲の仕上げるお尻が5月末で揃っていた方が進行管理もしやすいですしね。

 

 

 

ということで、5月までに、熱情ソナタ第2楽章とスプリング・ソナタ第1楽章、ピアノ・ソナタ24番第1楽章を、しっかり仕上げたいと思います。そして、熱情ソナタ第1楽章、ピアノ・ソナタ27番全曲も引き続き毎日弾いていきたいと思います。

 

(新型コロナウイルスには一日も早く終息してほしいと強く願っています。そして、今はどうしても行動に制約がありますが、私は自分にできることに集中したいと思います。)

 

 

それでは、全国のアマチュアのピアノの愛好家のみなさま、お互いに練習頑張りましょう~!