月末になったので、毎月末に書いているピアノの練習記事です。どうしてこんなことを始めたのか?どうしてベートーベンのピアノ・ソナタ2曲を練習しているのか?については、以下の1月末時点の記事をご参照ください。

 

(参考)2020.1.31 ピアノ練習(2020年3月の目標&1月末時点)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12571968320.html

 

 

 

(1)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第27番ヘ短調op.90

⇒年初の目標:3月末までに全曲を仕上げる。

⇒2月末時点:概ね弾けるようになりました!

 

 

(参考)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第27番ホ短調

https://www.youtube.com/watch?v=J8OcEuf7MfY (13分)

※ptnaの公式動画より、桑原志織さんの演奏。YouTubeの公式動画の中で、最も曲の雰囲気が出ている、とても素敵な演奏だと思います。

 

 

3月末までを目標として練習を始めた27番でしたが、2月末時点で第1楽章・第2楽章ともに、だいたい弾けるようになりました!やったー!

 

本格的に練習を始めたのが、冬の旅行から帰ってきた後なので、練習期間は実質1ヶ月半。これで15ページのソナタ全曲がスラスラ弾けるようになれたのは、私なんかの実力からすれば上出来も上出来です。

 

 

今回、短い期間で弾けるようになった理由を考えると、以下の2つです。

 

①とにかく一生懸命、練習したから!少しでも時間の隙を見つけては練習、練習、練習です。改めて、練習は裏切らない、と思いました。そして、その練習の力になったのが、今年がベートーベン生誕250周年であることは言うまでもありません。

 

②(何度も言ってますが)昨年相当練習したスクリャービン先生の音符で真っ黒かつ♯や♭や♮がてんこ盛りの楽譜(笑)に慣れていたので、ベートーベン先生の(奥深くも)比較的シンプルな楽譜はサクサク読むことができたから。譜読みを早々に終えることができたので、繰り返し練習や難しい部分の反復練習に多くの時間を割くことができ、指が覚えるのも早かったです。

 

 

もともと大好きな曲で、以前から弾いてみたいと思っていた曲でしたが、実際に練習してみて、好きな場面が増えるのもピアノを練習する醍醐味です。いま弾いていて、とても好きな場面をいくつかご紹介します。

 

 

 

(写真)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第27番ヘ短調第1楽章中間部の左手が旋律を奏でる場面(上記動画の2:33~2:52

 

ここは左手が旋律を奏でつつ、右手が素早く小刻みに動いて、夢のような雰囲気や魂の飛翔や叫びを感じる場面です。右手は1454が多く、それを速く弾かなければ味が出ないなので難しいですが、右手と左手が連動して雰囲気を作っていく、とても弾き応えのある場面です。

 

 

(写真)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第27番ヘ短調第2楽章の第1主題に戻る前の場面(上記動画の8:52~9:11

 

第2楽章は変奏曲ではありませんが、第1主題と第2主題が何度も繰り返し出てきます。その第1主題(オレンジ色の丸)に戻るシーンは毎回パターンが変わっていて、これがこの曲の一つの聴きどころになっていますが、上記の場面は、ちょっとユーモラスな旋律(赤の丸)がつないでから第1主題に戻ります。ここが何とも言えない味があって好きなんです。

 

 

そして、全曲を練習してみて、この曲でも技術的に最も難しく感じているところがこちら。

 

 

(写真)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第27番ヘ短調第1楽章の後半の左手が10度の場面(上記動画の4:26~4:39

 

前回1月の記事で、同じく前半の左手が10度の場面を難しく感じたものの、練習したところ、まずまず弾けそうな感触、と書きました。そこは今ではバッチリ弾けるようになりましたが、実はラスボス現る!(笑)で、上記の後半の左手が10度の場面の方がより難しいのです。

 

それは、10度は同じですが、途中の音(3や4の指定のある音)が黒鍵か白鍵かの違い。前半は黒鍵なので、3や4の指で拾いやすいのですが、後半は黒鍵よりも低い白鍵になるので、より踏み込まなければならず、弾くのが大変なのです…。

 

少しゆっくりにすれば十分弾けますが、ここは嵐のように素早く歯切れよく弾かないと雰囲気が出ません。27番は残りは十分弾けますが、ここだけは引き続き部分練習をして行きたいと思っています。

 

 

ということで、概ね弾けるようにはなったのですが、この曲でまだ十分にこれだ!と掴めていないのは、第2楽章の解釈。1ヶ月半練習してきて、おおまかには「こんな心境を描いた音楽ではないか?」ということを私なりにイメージはできていますが、まだ十分ではない印象です。

 

特にどう弾こうか?と思案中なのが、第2楽章のテンポ。紹介させていただいた上記の桑原志織さんの第2楽章は7分10秒ですが、いささか速いテンポという印象を持ちます。というのも、私のこの曲の愛聴盤が、かのベートーベン弾きの大家として有名な、ヴィルヘルム・バックハウスの演奏で、7分30秒かかっています。少しゆっくり目の演奏です。

 

バックハウス盤を何度も聴いてきて、練習する前は、8分とか、さらにもっとゆっくりのテンポで弾いた方が曲想に相応しく味が出るのでは?と思っていました。しかし、いざ弾いてみて、曲のイメージがより膨らむと、速めに弾いてもいいような気がしてきました。まだどちらの方で行くか、結論が出ていません。

 

 

全くシロウトの考えなのかも知れませんが、第2楽章にどのようなイメージを持つのか?ベートーベンがどのような想いを込めてこの曲を書いたのか?それらを踏まえて、弾き手がその人なりのテンポを設定する。それでいいんだと思いますし、それこそが、アマチュアのピアノ愛好家が、自分で自ら曲を選んでピアノを練習する醍醐味だと思っています。

 

 

ということで、ただ弾くだけなら、もうかなりスラスラ弾けるようにはなりましたが、引き続き、曲のイメージを深めるために、これからも毎日1回は弾くようにできればと思います。そうすれば、いずれ閃く時が来ることでしょう。(このブログでの目標としては、ここで一旦、終了とします。)

 

 

 

(2)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調op.57「熱情」

⇒年初の目標:3月末までに第1楽章を仕上げる。

⇒2月末時点:まずまず弾けるようになってきました。

 

 

熱情ソナタの第1楽章もまずまずの進み具合です。何よりも、ずっと前にトライした時には途中で挫折してしまった曲を、いまは途中ゆっくりになりながらも、最初から最後まで毎日のように弾けているのが嬉しい!

 

 

まずは難しいところ。前回の記事で取り上げた、トリルと単音連打の場面は繰り返し練習して、かなり克服しつつありますが、いま一番必死に練習しているのはこちら。

 

 

 

(写真)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調第1楽章の最後の盛り上がりの場面

※ずっと前にトライした時に歯が立たず、×印を付けた跡が残っていて…(苦笑)。

 

ここは左手と右手が連動して、まるでアルペジオのような音楽を繋いで盛り上がっていく場面ですが、左手・右手とも白鍵と黒鍵の間を縫うように和音を繋いでいく必要があり、パターンも変わるので、指に覚え込ませるのが非常に苦労する場面です。

 

1月から繰り返し練習して、ゆっくりなら弾けるようにはなってきましたが、それでは悲劇的な雰囲気が出ないので、ここは豪快に弾いて曲想を高めたいところ。引き続き、ひたすら練習!練習!練習!です。

 

 

次に好きなところ。この曲はもう全部好き!と言ってもいいほど、ベートーベンの書いた楽譜に大いに魅了されていますが、最近練習していて、「ここは絶妙だな!」と思っているのがこちら。

 

 

(写真)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調第1楽章の2回目の第2主題の前の場面

 

2回目の第1主題の後、単音連打の場面を経て、第2主題に行く前のつなぎの場面ですが、ここの長調は安らぎのような、ユーモアのような、一言では捉えられない、様々な感情を抱かせます。左手が1で音を押えながら(赤の丸)2345でヒラヒラ舞うように旋律を弾くのが、全般的に緊張感のある曲想の中、何だかホッとする瞬間でいいんでよね。

 

 

 

(写真)ベートーベン/ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調第1楽章のラスト

 

ここはいわゆるベートーベンの「運命の動機」に似たリズムがガンガン出てくるところです。ここを弾いていると、まるでベートーベンの苦悩や困難を我が事のように実感できて、ベートーベンに寄り添っているような気持ちになることのできる、とても貴重な場面です。

 

最後、右手がトレモロで、左手が高い音の旋律を弾く時に、右手と左手が交差しますが、私はここを弾いていると、映像に例えるなら、過酷な運命に打ちひしがれた主人公が倒れた後、カメラのズームが部屋の中を移っていって、最後その部屋に置かれている十字架が映し出されて映像が終わる、そんなシーン思わずにはいられません。非常に印象的な場面です。

 

 

ということで、熱情ソナタ第1楽章も精力的に練習に打ち込んでいます。極めて難しい曲ですが、何とか3月末までには仕上げられるように、引き続き、しっかり練習したいと思います!

 

 

 

さて、今年はベートーベン生誕250周年。ここぞとばかりに、積極的にいろいろな曲を練習したいと思います。ということで、早くも次の課題曲です。

 

 

(3)ベートーベン/ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調op.24「春」第1楽章

⇒目標:5月末までに第1楽章を仕上げる。

 

 

季節がこれから春に向かう、ということもあり、このタイミングでスプリング・ソナタの第1楽章を練習することにしました!

 

 

 

(参考)ベートーベン/ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調op.24「春」の楽譜

 

 

この曲はとても伸びやかで明るいヴァイオリンの音色、聴いていてとても心地良い気持ちになる曲ですが、実はピアノはかなり忙しい曲で、ベートーベンらしい反復を含むシンプルな音型がずっと続いて、かなり手強い曲に思います。

 

逆にとてもいい指の訓練にもなるので、ぜひ5月までに仕上げられればと思います!

 

 

あれっ!?ところで、もしピアノを弾けるようになっても、ヴァイオリンはどうするんですか?

 

 

はい。以前からヴァイオリンを弾く会社の後輩や高校の同級生と、いつかスプリング・ソナタを合わせたいね、と言っていたので、ちょうどいい機会なんです。ベートーベン生誕250周年にスプリング・ソナタを合わせる!これもベートーベン・イヤーのいい思い出となることでしょう。ぜひとも実現したいと思います!(演奏後の打ち上げのお酒も楽しみ!笑)

 

 

 

ということで、まずは3月末までに23番の第1楽章を、5月末までにスプリング・ソナタの第1楽章を、しっかり仕上げられればと思います!27番は引き続き毎日弾いて、曲のイメージを深めていきたいと思います。

 

それでは、全国のアマチュアのピアノの愛好家のみなさま、お互いに練習頑張りましょう~!