ロシアの傑出したチェリストとピアニスト、アレクサンドル・クニャーゼフさんとニコライ・ルガンスキーさんによる室内楽のリサイタルを聴きに行きました。

 

 

アレクサンドル・クニャーゼフ&ニコライ・ルガンスキー デュオ・リサイタル

(紀尾井ホール)

 

ショスタコーヴィチ/チェロ・ソナタ ニ短調

フランク/チェロ・ソナタ イ長調(原曲:ヴァイオリン・ソナタ)

ラフマニノフ/チェロ・ソナタ ト短調

 

 

 

私は滅多に室内楽を聴きに行きませんが、このリサイタルだけは直感で、「これは万難を排して聴きに行かなければ!」とビビビっと閃めきました。クニャーゼフさんはN響とのドヴォルザーク/チェロ協奏曲が素晴らしく、ルガンスキーさんはサンクト・ペテルブルク・フィルとのラフマニノフ2/ピアノ協奏曲2番が圧巻でした。その2人の特別感を大いに感じるデュオ。これは聴きに行くしかないでしょう!

 

(参考)2018.11.11 ニコライ・アレクセーエフ/ニコライ・ルガンスキー/サンクトペテルブルグ・フィルのロシア・プロ

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12418380192.html

 

 

 

まずはショスタコーヴィチ。ショスタコということでいざ構えたものの、とても聴きやすく瑞々しさまで感じた第1楽章、機械的なリズムにショスタコらしさを感じた第2楽章、深々としたチェロの叙情的な響きが素晴らしい第3楽章、これまたショスタコらしいユーモラスな音楽に魅了された第4楽章。クニャーゼフさんとルガンスキーさんの素晴らしい演奏!

 

 

続いてフランク。何と!あのヴァイオリン・ソナタのチェロ版です!あのヴァイオリンでも難しい第2楽章を果たしてチェロが弾けるんでしょうか?

 

ゆっくりたっぷり思わせぶりに慎重に入った第1楽章、実はより難しいのはピアノの方だった(笑)激しくスペクタクルな第2楽章、こんなに深く聴き応えのある楽章だったのか?と改めて魅力を再認識した第3楽章、美しい神の御業を思わせるカノンにただただ魅了され涙溢れた第4楽章。これまたお2人によるエレガントさと情熱の同居した、感動の演奏でした!

 

室内楽は疎くても、さすがにフランクのヴァイオリ・ソナタは音楽が入っているので(笑)、今回の演奏がどんな演奏なのかよく分かりましたが、お2人とも情感をたっぷり込めた、聴き応え満点の演奏。またヴァイオリンの旋律をチェロで聴くと、低音の深々とした音の凄みがビンビン伝わってきて、大いなる聴きものでした。

 

 

後半はラフマニノフ。さっそうとしたチェロとピアノの旋律にラフマニノフらしさをたっぷり感じた第1楽章、チェロのピィツィカートからピアノへのリズムのつなぎがユニークで、中間部の旋律に魅了された第2楽章、魅惑の旋律と揺れる和声、ラフマニノフを聴く喜びを十二分に堪能した第3楽章、どこまで発展するのか?これでもかと展開する第4楽章、たっぷりと響かせた素晴らしいラフマニノフでした!

 

いや~、クニャーゼフさんとルガンスキーさんのチェロとピアノ、よく楽器を響かせて歌いつつ、強調を入れたりハッとさせる弱音を入れたり、自由自在の演奏、もう圧巻でした!

 

ラフマニノフは全く初めて聴く曲でしたが、この演奏がどんだけ凄いのかは、よく伝わってきました。アンコールのブラームスとバッハも見事の一言。あのルガンスキーさんを従えて、悠々と舞台袖に去っていくクニャーゼフさんの貫禄!2人して肩を組んで、凄すぎる2ショット、感動の一夜でした!

 

 

アレクサンドル・クニャーゼフさんとニコライ・ルガンスキーさんの室内楽、非常に感動的なリサイタルでした!室内楽まで手を出すとお金はもとよりピアノを弾く時間がなくなるので、これからもピアノのリサイタル以外はあまり行かないと思いますが、今日のリサイタルは聴きに行って本当に良かった!また一つ大きな思い出となりました!

 

 

(追伸)よくよく考えてみたら、フランクのヴァイオリン・ソナタ(今回はチェロ・ソナタ)の実演を聴くのは初めてでした。それがヴァイオリンを差し置いて、チェロ・ソナタからとは!(笑) 自分の室内楽のあまりの初心者っぷりに大いに受けました!(笑)