この2月の客演も絶好調、特にハンス・ロットが素晴らしかったパーヴォさんとN響。最後のBプロ定期を聴きに行きました。凝りに凝ったオール・ストラヴィンスキー・プロです!
NHK交響楽団第1908回定期演奏会Bpro.
(サントリーホール)
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
ストラヴィンスキー/幻想曲 「花火」
ストラヴィンスキー/幻想的スケルツォ
ストラヴィンスキー/ロシア風スケルツォ
ストラヴィンスキー/葬送の歌
ストラヴィンスキー/バレエ音楽 「春の祭典」
パーヴォさんとN響のオール・ストラヴィンスキー・プロと言えば、昨年5月にもありました。苦手な新古典主義の音楽(う~ん、何度聴いても覚えられない、笑)なので、それなりに聴けた、という感じでしたが、今回は作曲年代の若い曲が中心、とても楽しみです。
(参考)2018.5.23 パーヴォ・ヤルヴィ/N響のオール・ストラヴィンスキー・プロ
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12378235027.html
前半はストラヴィンスキーの小曲4曲。木管を中心に音符が飛び交い、和声は火の鳥を思わせる「花火」、せわしなくモヤモヤする弦、流れるような音楽はやはり火の鳥に肉薄する「幻想的スケルツォ」、まんまペトルーシュカ(笑)の「ロシア風スケルツォ」、神秘的で、昨年のロマンティック・ロシア展で観た雪の舞うロシアの冬の大地の絵を思わせる「葬送の歌」と、珍しいストラヴィンスキーの曲を楽しめました!
どうしてこれらの小曲4曲を並べたのか?と思いましたが、師のリムスキー・コルサコフへの思い出を軸としつつ、火の鳥とペトルーシュカを思わせる音楽を配して、よくある3大バレエ音楽で固めたプログラムとは一味違うストラヴィンスキーを見せてくれたのかな?と思いました。さすがパーヴォさん!
後半は春の祭典。これが非常に明晰かつメリハリが利いて、静と動の対比がものの見事なハルサイでした!よくコンサートにかかるハルサイですが、上手いオケで聴くと全然違う。難しいリズムも驚くほどにピタピタッと決まって、響きが立体的で大いに魅了されました。
特に印象に残ったのは、第1部「大地礼賛」冒頭のたっぷりのファゴット、ど迫力で楔を打ち込むティンパニ、そして第1部ラストは最速の入りで、それをさらにアッチェレランドをかけるスリリングさ!パーヴォさんはとんでもないところに連れて行ってくれます!
第2部「いけにえ」では、弦の洪水の中でのホルンの異様な響き、怪鳥のようなトロンボーンの裏の弦の異次元の音色、諦念のように響く何とも言えない味わいのフルート、ティンパニの連打に重なるファゴットが一音一音違う音だったこと、などなど、随所で唸りました。ラストは余韻を残さずにバサッ!と一撃で終わりました!
私は春の祭典はバレエ、特にモーリス・ベジャール振付のバレエが大好きなので、オケだけを聴きに行くことはあまりないのですが、今日のN響の演奏はメリハリとオーラがもの凄いので、知らずと古(いにしえ)の踊りの情景が浮かんできました!素晴らしいハルサイ!バレエがなくても大いに楽しめました!
(参考)2017.9.8 東京バレエ団の春の祭典(モーリス・ベジャール振付)
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12308990811.html
パーヴォさんとN響のオール・ストラヴィンスキー・プロ、めっちゃ楽しめました!プログラムの構成といい、演奏といい、本当に見事で素晴らしい!おそらく日本のオーケストラで聴かれる最高峰の春の祭典、後日に放映があると思うので、ぜひEテレでご堪能ください!