今年も海外のオーケストラの来日公演をいろいろ聴いてきましたが、私の聴く最後のオケの公演が始まりました。N響でもお馴染みのパーヴォ・ヤルヴィさんとドイツ・カンマーフィルの来日公演です!
ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団
(横浜みなとみらいホール)
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
シューベルト/交響曲第5番変ロ長調
シューベルト/交響曲第8番ハ長調「ザ・グレート」
前半はシューベルト5番。速めのテンポで活き活きとした第1楽章、温かくつましい第2楽章、ウィーンのまちのように厳かな雰囲気の第3楽章、弾ける勢いの良い第4楽章と、パーヴォさんとドイツ・カンマーフィルのキビキビとしてメリハリの利いた演奏を堪能しました!
この曲は第1楽章のチャーミングでユーモラスな第1主題が大好き。主題に帰る前の大胆な転調(いつもここ聴いてビックリする)も楽しくて、気が利いていていいですね。
後半はシューベルト8番。奇しくも1年前にヘルベルト・ブロムシュテット/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の来日公演で、シューベルト8番を同じ横浜みなとみらいホールで聴きました。今日はどうでしょうか?
(参考)2017.11.9 ヘルベルト・ブロムシュテット/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のシューベルト8番
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12327066706.html
第1楽章。冒頭のホルンは速めに進ませて、最後のフレーズだけタップリ懐かしく吹かせていました。その後のオケのダ~ダダ~の旋律は大きく。第2主題が終わった後の盛り上がりも充実の響きで聴かせます。全般的にはN響で聴く時のような大きなデフォルメはなく、メリハリとキレで勝負の演奏です。
第2楽章以降もだいたい同じ流れ。第2楽章途中の盛り上がりも、巨大な深淵を見せるというよりはスマート。第3楽章の第2主題は揺れるような歌謡性が素晴らしい。今年のGWの旅行、ウィーンで聴いた演劇付きのグレートで、この楽章が田舎でのピクニック、踊りのシーンだったことを思い出しました。
(参考)2018.4.29 コルネリウス・マイスター/ORFウィーン放送交響楽団のシューベルト8番
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12381836632.html
第4楽章もメリハリとキレが利いて、推進力のある演奏。第2主題はほとんどジャズのよう(笑)。流れるような素晴らしい演奏、大いに堪能しました!
大きな拍手に迎えられてのアンコールはシベリウス/悲しきワルツ!なぜにシベリウス?と思いましたが、これが弱音の部分をほとんど聴こえるか聴こえないかくらいに落としたり、抑揚を大きく付けた素晴らしい演奏!
「シベリウスと違って、シューベルトは古典なんだよ」 そんなパーヴォさんの声が聞こえてきそうな、思わせぶりなアンコールでした!
(写真)ドイツ・カンマーフィルの本拠地は北ドイツのブレーメン。ブレーメンと言えば…、これですね!(笑)ブレーメンの音楽隊!