ジョヴァンニ・アントニーニ/読響の素晴らしいコンサートの興奮、醒めやらぬ中ですが、アントニーニさんが普段活動されているのは古楽のイル・ジャルディーノ・アルモニコ。同じく古楽の素晴らしいオケ、フライブルク・バロック・オーケストラの来日公演を聴きに行きました。

 

 

フライブルク・バロック・オーケストラ

(トッパンホール)

 

ソプラノ:キャロリン・サンプソン

音楽監督&独奏ヴァイオリン:アンネ・カタリーナ・シュライバー

オーボエ:カタリーナ・アルフケン

 

J.B.バッハ/管弦楽組曲第2番ト長調 

J.S.バッハ/カンタータ 《わが心は血の海に泳ぐ》BWV199

J.S.バッハ/オーボエとヴァイオリンのための協奏曲BWV1060R

J.S.バッハ/結婚カンタータ《今ぞ去れ、悲しみの影よ》BWV202

 

 

 

フライブルク・バロック・オーケストラは、過去に何度か聴いています。改めて確認してみたら、海外で聴いたのも含め、これまで4回。後期ロマン派からメシアン辺りまでが一番好みの音楽で、古楽はずっと苦手に思っていましたが、何だか、だんだん「饅頭こわい」の話のような気もしてきました。

 

「饅頭こわい!(もぐもぐ)」 ならぬ、「古楽は苦手、バッハも不得手…(めっちゃ楽しい!)」みたいな(笑)。

 

 

(参考)2014.2.12 フライブルク・バロック・オーケストラのバッハ/ブランデンブルク協奏曲

https://ameblo.jp/franz2013/entry-11772743884.html

 

 

 

1曲目はJ.B.バッハの管弦楽組曲。ヨハン・ベルンハルト・バッハはJ.S.バッハの「はとこ」です。フランス風のエレガントな曲。今回は17名で来日したフライブルク・バロック・オーケストラ。一人一人が主張し、それぞれの楽器がよく聴こえるものの、全体はまとまって、本当に見事な演奏です。

 

J.B.バッハは初めて聴きましたが、充実した響き。バッハ一族、恐るべし!という感じでした。

 

 

2曲目はJ.S.バッハのカンタータ。アリアを3曲含む計8曲からなる曲ですが、前半のレチタティーヴォやアリアは悲しい曲調で、なかなか明るくなりません。コラールを経て、最後のアリアは解放感に溢れる晴れやかな歌!あたかも、懺悔と救済を体感しているような心持ちになりました。

 

キャロリン・サンプソンさんの軽やかな、でも芯のある歌が素敵、カタリーナ・アルフケンさんの懐かしい音色(ややクラリネット寄り)のオーボエも見事でした。

 

 

後半1曲目はJ.S.バッハのオーボエ&ヴァイオリン協奏曲。この曲は冒頭の旋律に聴き覚えがありました。しっとりとした哀愁を湛えた素晴らしい曲!フライブルク・バロック・オーケストラの味わいのある音色にも、最も合っていたように思いました。

 

 

最後はJ.S.バッハ/結婚カンタータ。名前は聞いたことありますが、聴くのは初めてです。結婚に臨む厳粛な気持ち、期待や喜びを伝える素晴らしい曲!

 

キャロリン・サンプソンさんの歌の歌詞には春や花の女神フローラや、愛の神アモールが出てきて楽しい。最後は「二人の愛が花を咲かせますように」の歌詞で明るく終わりました。ブラーヴァ!

 

 

そして、アンコールは何と、「からたちの花」!イギリス人のソプラノとドイツの古楽のオケによる「からたちの花」。これが何とも言えない味わいがあって、いいんです!

 

「からたちの花」と言えば、森麻季さんのアンコールの十八番(おはこ)。透明感のある歌に美しい日本語。これ以上のものはないくらい素晴らしく、森麻季さんのリサイタルを聴きに行く度に魅了されていますが、今日の「からたちの花」の温かみのある歌にも感動しました。音楽にはいろいろな魅力がある。大いに楽しみましょう!

 

 

 

フライブルク・バロック・オーケストラのバッハを中心としたコンサート、非常に楽しめました!来日を重ねてきたためか、今回の選曲はバッハに明るくない私には少し捻った曲目のように感じましたが、その分、バッハの新しい魅力を体感できるチャンスです。フライブルク・バロック・オーケストラ、またの来日を心よりお待ちしています!

 

 

 

 

(写真)フライブルクの顔、大聖堂。私が訪れた時は、ドイツの教会で最も美しいとも言われる塔は修復中でした。フライブルク・バロック・オーケストラ、いつか地元で聴いてみたいです。

 

 

 

(追伸)今日は世界的に評価の高い古楽のオケの演奏を存分に楽しみましたが、同時に、昨日聴いたジョヴァンニ・アントニーニさん指揮の読響のヴィヴァルディやバッハ、ハイドンもかなり良かったことを再確認しました。日を置かずに続けて聴くと、非常によく分ります。

 

古楽のスペシャリスト、アントニーニさんの力が大きかったことは言うまでもありませんが、それと同時に、私は読響が常任指揮者シルヴァン・カンブルランさんといろいろな曲を演奏してきて、あの大曲&難曲のメシアン/アッシジの聖フランチェスコまで大成功させて、いろいろな曲に対する対応能力を高めてきたことも大きいように思います。カンブルランさんの大きな大きな功績だと思います。