高崎からとんぼ返りで初台に移動し、バッハ・コレギエム・ジャパンのオール・モーツァルト・プロを聴きました。

 

 

バッハ・コレギウム・ジャパン第129回定期演奏会

鈴木優人 首席指揮者就任記念

(東京オペラシティ・コンサートホール)

 

指揮・フォルテピアノ:鈴木 優人

ソプラノ:モイツァ・エルトマン

アルト:マリアンネ・ベアーテ=キーラント

テノール:櫻田 

バス:クリスティアン・イムラー

 

合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン

 

モーツァルト/交響曲第25番ト短調KV183

モーツァルト/アリア《私があなたを忘れるというのですか?…心配なさらないで、いとしい方よ》KV505

モーツァルト/レクイエムKV626

モーツァルト/アヴェ・ヴェルム・コルプスKV618

 

 

1曲目は交響曲25番。第1楽章は強いアタッカの激しい演奏。不吉なオーボエの長いソロ、咆哮するホルン、曲想によく合って素晴らしい。第2楽章は長調になり切れないもどかしい音楽。再び厳しい雰囲気の第3楽章の後、第4楽章も切れ味のよい演奏ですが、激しさというよりは、古めかしさや格調の高さを感じさせた演奏でした。

 

2曲目はアリア。ソプラノ独唱はモイツァ・エルトマンさん。相変わらずピュアで素敵な歌声、モーツァルトの音楽によくなじみます。面白かったのはフォルテピアノ(鈴木優人さん)が加わるところ。オケの古楽の音色よりも、もっと時代を感じさせます。

 

この曲はモーツァルトがスターのソプラノ歌手ナンシー・ストーラスと共演したくて、敢えてピアノを加えたそうです。今日のソプラノは美貌のエルトマンさん。ということは?鈴木優人さん、やりますね!(笑)

 

(参考)2018.7.3 モイツァ・エルトマンさんのソプラノ・リサイタル(メンデルスゾーン&モーツァルト)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12388306204.html

 

 

後半はレクイエム。冒頭から早めのテンポ、音を短く切って、金管とティンパニ利かせて聴かせます。その後は再びモイツァ・エルトマンさんの清らかな歌声が心に沁みます。こういう歌をエルトマンさんや森麻季さんで聴ければただただ幸せ。

 

キリエは長いフーガの連続を見事なまでのインテンポ!後から後から泉のように湧いて出てくる歌の生命感に感動!続くディエス・イレ(怒りの日)は一転、劇的な歌でした。映画「アマデウス」でも見どころになっていたコンフィターティスは、そこまで劇的でなく小気味よく、その後のラクリモーザの方をより劇的にして対比が見事です。

 

「かつて御身がアブラハムとその子孫に約したまいし生命に」の力強いフーガ!そしてサンクトゥスの晴れやかさ。金管がいつもより利いていたように思いましたが、鈴木優人さんの補筆校訂の表われでしょうか?その後のホザンナのフーガがまたいい。

 

ベネディクトゥスは4人のソリストのハーモニーが本当に見事、完璧なる調和!再度のホザンナなフーガも素敵。冒頭の音楽が帰ってきての最後のフーガも高揚の持続、盛り上がりが素晴らしい!

 

 

もう最高のレクイエム!ちょっとこのレクイエムを聴いてしまうと、今後、他の演奏では生ぬるく感じてしまうのではないか?と心配になってしまうくらいの、切れ味の鋭い、聴き応え抜群の素晴らしいレクイエムでした!

 

 

満員の観客も大きな拍手で迎えました!ここで鈴木優人さんから、首席指揮者就任のご挨拶がありました。もちろんお父様の鈴木雅明さんにはお元気でいつまでもバッハ・コレギエム・ジャパンを率いてほしいですが、この日のレクイエムの補筆校訂を手掛けるなど、既に卓越した後継者がいることは本当に心強い限りです。

 

(なお、鈴木雅明さんはミュンヘンにいらっしゃって、よろしく!とのことでした(笑)。何と、指揮者としてバイエルン放送交響楽団に客演されているようです!)

 

 

そしてアンコール的な位置付けでアヴェ・ヴェルム・コルプス。この世の中には何と清らかな音楽があるんだろう。ソリストの4人も参加しての素敵な歌。レクイエムで終わらない形もまたいいですね。

 

 

バッハ・コレギエム・ジャパンのオール・モーツァルト・プロ、ものの見事な素晴らしいコンサートでした!思えばこの3連休にモーツァルトを聴くのはこれが3回目。モーツァルト好きとしては、堪えられない幸せな3連休でした!

 

 

 

おっと!まとめに入るのはまだ早かった(笑)。この後、3連休の最後を飾るに相応しい、これまた素晴らしいコンサートを聴きに行きました。次の記事で!