長い夏休み
週末にUC Berkeleyを訪れた。先日Stanfordを訪れてあぁなんて立派なキャンパスなんだと思ったが、UC Berkeleyのキャンパスの方がずっと楽しく、こちらを見てしまうとStanfordのキャンパスが妙に権威的でつまらなく思えた。Berkeleyという街も学生が溢れていて、学生向けの飲食店なども多く、京都のような雰囲気だった。Labour day weekendの日曜日だったにも関わらずキャンパスには多くの学生がいて、各自芝生で寝転んだり、サッカーをしたり、ラップトップで作業をしていたりした。時計台に登ると、Berkeleyの街並みと遠くにサンフランシスコが見渡せる。高校生くらいの時にこのキャンパスに来ていたら、本気で米国の大学進学を検討したかもしれないなと思った(最近そんな愚にもつかないことばかり考えている)。芝生に座ってカフカの「城」を少し読んだ。いかにもカフカらしい、どこにも行きつかない物語だ。でも、誰かの人生が本質的にどこかに行きつくなんていうことが実際にあるのだろうか。
その後Grizzly Peakに行って夕陽を眺めた。夕陽に照らされたBerkeleyの街は宝箱のようだった。遠く、Bay BridgeやGolden gate bridgeも見える。久しぶりに景色を見て心が洗われるような気分になった。丘に登っていると電波塔に登れると聞いたが、鉄格子が張り巡らされてとてもではないが登る気にはならなかった。
Napaの丘陵地帯を覆うブドウ畑が夕焼けに照らされるなかドライブしていると、長い夏休みが終わるのだと思った。Cigarettes After Sexを聞いて、妙に鬱蒼とした感傷に浸っていた。学生時代に留学したり旅行していた時にはよくこのような感傷に浸るときがあった。ここ数年は日々の雑多で圧倒的な現実により、そんなことを感じる余裕もなかったように思う。サンフランシスコはようやく暖かく、夏らしくなってきた。僕のここでの時間は尽きかけている。ロンドンに戻ってどのように感じるのか、自分でもまだわからない。