毎年8月13日はワタシが住んでる町の夏祭りです。
メイン会場はなぜか2か所。
ひとつは商店街(さびれてるw)。民謡町流しがあって、屋台なんかも出ているらしいです。家から歩いて行けるけど、行ったことはない。
もうひとつは川原。ふだんはパークゴルフを楽しむ人でけっこうにぎわっているし、堤防は朝の散歩にはうってつけ。晴れていれば立山連峰が一望できる絶好のロケーションです。
で、ワタシは小さいころから、こっちの川原にしか行ったことないんですよね。徒歩3分くらいだし。
その川原で何が行われるかと言うと、盛大にお盆の迎え火を焚く火祭りなんですね。
川原には町内ごとに、竹で組んだやぐらが十数基立てられます。午後7時半に、町の古刹のお坊さんによる読経が始まり、それを合図にやぐらに火をつけて燃やすんですよ。
今年はやぐらを立ててからほとんど雨が降らなかったので、からっからに乾いたやぐらが勢いよく燃えました。
火の粉が夜空に舞い上がり、竹が爆ぜる音がぼんぼん響きます。そして読経。
川原にはそれぞれ「おしょうらい棒」とかそんな名前の松明を持った人たちが集まり、こちらも火をつけて燃やし、それをぐるぐる回します。その火を目印に、先祖の霊が帰ってくると言われています。
小さいころはそこかしこで「しょうらいこ しょうらいこ じいちゃんも来い ばあちゃんも来い」と歌う声が聞こえましたが、今はあんまり歌わないようです。
この祭り、妹のだんなさんがめちゃくちゃ気に入っていて(大好きなさだまさしの「精霊流し」を思わせるとかで)、火をつける前からやぐらをスマホで激写していて、何かの取材と勘違いされ、すでにいい感じになってるおっちゃんたちに、うまいこと撮ってくれよ、とか、ビール飲めとか焼き鳥食えとか誘われたらしく、焼き鳥を一本食べてきたらしいです。なにやっとんねん義弟(笑)。そんなに気に入ってるんだったら来年はやぐらを立てるところから参加したらどうだい。やぐら立てるのはじいさんたちなので、若いのが来ると歓迎されるよ。
そんなわけで、夜空を焦がす勢いで迎え火を焚くのですが、送り火の風習はないんですわ。「好きなだけ居てテキトーに帰ってね」というスタンス(笑)。
去年は甥っ子ちいたん、火を怖がっておしょうらいできませんでしたが、ことしはがんばってぐるぐる回しました。じいちゃんも喜んで帰ってきたと思います(^^)
そして、やぐら(「ニオトンボ」とか「ニュートンボ」とか呼ばれる。意味も語源も不明)がほぼ焼け落ち、おしょうらいぐるぐるもひと段落したころ、花火が打ち上げられます。田舎なのでしょぼいです。そのかわり、好きなところにピクニックシートを敷いて、寝転んで見られます。一発一発じっくり味わうことができるのが魅力です。とか、物は言いようだな(笑)。で、花火が終わってだいたい8時半ごろに、三々五々、家に帰るんです。持参した花火を楽しむ人もあり。
で、今年は実はちょっと心配なことが。
やぐら焼きの時、まだ燃えていない上の部分が、見に来た人がいる方向へ倒れてしまったんですよ。
いつもなら、やぐらがほぼ燃えたころに、上部に結んだ縄を引っ張って、人のいない方へ引き倒していたんですが、今年はどうしたことか、観客側へ倒れてしまいました。救急車が来てて、近くで見ていた人が、「前歯が折れたらしい」とか「メガネを落としたみたいだ」とか言ってました。メガネはすぐ見つかったんですが、壊れてましたね。本当に当たったんだなと。火がついていなかったのが不幸中の幸いでした。
おしょうらい歴40年を超えるワタシですが、けが人が出たのは初めてです。たいしたことないといいな、と思うと同時に、この一件で、祭りに規制がかかったりしないといいなと思います。先にも書きましたが、やぐらを立てるのはじいさんばかりなので、年々やぐらの数が減っているのですよ。
できればこの祭り、長く残したいと思います。
そのためにも義弟、やぐら作りに参加しないか?マジで。