大学生の時、ためらって結局お流れにしてしまって、今更ながら後悔していることがある。
2年生の秋。一般教養が終わって専門コースが決まったころのころだ。同じコースに決まった同期の何人かが研究室でダラダラしていたとき、教育学部美術科の先生が私を訪ねてやってきた。他学部の先生が研究室までやってくるのはとても珍しいことだったので、何事かと思って話を聞いてみると、一般教養の最後の試験で私が提出した美術鑑賞のレポートが気に入ったので、教育学部の学生と一緒にヨーロッパの美術館巡りツアーに行かないか、ということだった。突然のことで返事に困っていると、その先生はツアーの日程表などが書いてあるコピーを置いて、帰って行った。
もう20年以上前のことなので細かいことは覚えていないが、ヨーロッパの有名美術館を数か所廻ることになっていた。もちろん解説はその先生だ。こんなツアーに他学部の学生を誘うとは、先生、よほど私のレポートが気に入ったのだろう。とてもうれしかった。が、一緒に行くのは見ず知らずの学生ばかり。どうしようかな、と決めかねているうちに、気がつけばツアー間近になっていた。ま、いいか。とそのまま話は流れてしまった。
とても後悔している。
ツアーの費用は約40万円だった。40万円なんて学生にとっては大金だ。そうそう簡単に出せる金額ではない。が、私はそのとき40万円を持っていた。持っていなかったのなら、それを理由に断れたのだが、持っていたのだ。だから今更後悔してる。もちろん美術に関心があるから後悔しているのだが、自分の通う大学の美術専門の先生がガイドしてくれるヨーロッパ美術館ツアーなんて、そうそう参加できるものではない。しかも他学部の先生が直々に研究室まで足を運んでくださってのお誘いだ。行かなかったことを後悔しているのはもちろんだが、私がもっと後悔しているのは、そうして足を運んでくださった先生に、「行きます」とも「行きません」とも言わずに無視した形になったことだ。行くにしろ行かないにしろ、先生へきちんと返事するべきだった。きっと礼儀を知らない学生だと思われたことだろう。これがいちばん悔やまれる。そしてやっぱり、費用は出せたのだから、行くべきだった。むしろ借金してでも行くべきだったかもしれない。
今更ながら、先生、本当に申し訳ありませんでした。
というわけで、
「もし過去へ行けるなら、どこまでさかのぼりたいか」と聞かれたら、そのときに戻り、先生に「行きます」と即答し、美術科の学生と一緒にヨーロッパ美術館ツアーに参加したい。テレビやネットで人気のある美術展の情報を目にするたびにこのことを思い出して後悔している。
さて、今日もお昼近くまでダラダラと起きられなかった。昨夜寝たのは3時過ぎだ。睡眠薬は12時ごろに飲むのだが、ちっとも眠くならない。ほんとにもういい加減に寝なければ、と思うのが3時頃で、それから少しだけ寝酒を飲んで灯りを消す。それでなんとか眠れるのだが、最近本当に変な夢を見ることが多い。夢はたいてい変なものではあるが、不快な、変な夢なので、目が覚めた時の気分が悪くてついダラダラしてしまう。何が悪いのだろう。いや、生活のリズムが悪いのだな。
今日はもうすぐもうすぐ本を一冊読み終わるので、読んでしまったら寝ようと思う。3時まではかからないはずだ。