8/10 臨時愛知県議会

(既報の一般会計689億4,316万余円1件、ならびに専決承認1件について審議の結果、可決・承認しました。

 

 ※補正予算:

  1. 愛知県感染防止対策協力金44,120,116千円:まん延防止等重点措置の実施に伴う協力金の交付

  2. 愛知県中小企業者等応援金674,502千円:まん延防止等重点措置の実施に伴う酒類販売事業者に対する応援金=8月分の交付

  3. 飲食店等感染防止対策促進事業費115,810千円:まん延防止等重点措置の適用に伴う飲食店等の見回り活動の実施

  4. 飲食店等感染防止対策支援事業費640,000千円:ニューあいちスタンダード認証店舗への感染防止対策資機材の配付による飲食店の感染防止対策の支援

  5. ワクチン接種支援事業費23,392,738千円
 

 

※福祉医療委員会にて、私からは、医療従事者へのワクチン接種支援金(インセンティブ)交付による接種加速化には限界があり、その原因である国からのワクチン供給量が予定より不足している問題を解消するべく、国に働き掛けるよう要望しました。


 〇専決承認:上告の提起について

  ・事件名:国家賠償請求上告事件

  ・上告の概要:国家賠償請求酵素事件の判決について、愛知県が敗訴した部分の破棄および更に相当の裁判を求める

 

愛知県では、8/8~31までの24日間、まん延防止等重点措置を実施することとしました。

 

感染再拡大により、新規陽性者数、および入院患者数とも、ステージⅢ~Ⅳとなることから、医療提供体制が厳しくなる見込みであることから、国に対して措置の適用を要請し、決定されたものです。

 

今後も引続き、地域経済ならびに生活実態に見合った支援策について、関係行政当局に働き掛けてまいりたいと思います)

 

 

 

 

8/11 福祉医療委員会

(愛知県がんセンター研究所長の井本先生から、がんゲノム医療の実施状況について説明があり、質疑しました。

 

まず、がんゲノム医療とは、主にがんの組織を用いて多数の遺伝子を同時に調べ(=がん遺伝子パネル検査)、遺伝子変異を明らかにすることにより、個人個人の体質や病状に合わせて治療などを行う医療を指します。

 

がん遺伝子パネル検査は、生検や手術などで採取されたがんの組織を用いて高速で大量のゲノムの情報を読み取る解析装置(=次世代シークエンサー)で、1回の検査で多数の遺伝子を同時に調べます。(一部は保険診療や先進医療)

 

遺伝子変異が見つかり、その変異に対して効果が期待できる薬がある場合には、臨床試験などでその薬の使用を検討します。

 

がん遺伝子パネル検査は一般的に、①標準治療がない固形がん、②局所進行もしくは転移があり、標準治療が終了した(終了見込みを含む)固形がんの方で、新たな薬物療法を希望する場合に検討されます。加えて、新たな治療法に耐え得る全身状態などの条件も考慮されます。

 

なお、検査の結果、遺伝子変異が見つからない場合もあり、また、遺伝子変異が見つかっても使用できる薬がない場合もあります。

結果、がん遺伝子パネル検査を受けて、自分に合う薬の使用(臨床試験を含む)に結びつく人は、愛知県がんセンターでこれまで、全体の5~10%程度だそうです。

 

次に、がん遺伝子パネル検査では、がん細胞でない正常細胞に、がんになりやすい遺伝子を持っていることが意図せず見つかる場合(=二次的所見)があります。

※がん細胞の遺伝子変異を調べて、治療につながる所見のことを、本来的所見(=一次的所見)という。

 

二次的所見は、何らかの遺伝性疾患に関連することがあり、時に患者本人や家族の健康に強く影響するものもあり、その遺伝子変異は、がん治療につながることもあれば、つながらないこともあります。

 

遺伝性疾患を示す二次的所見について、患者本人や家族が疾患の性質や予防・早期発見の機会が得られるため、その情報を患者に開示する一方、遺伝性疾患があるという情報は、患者や血縁者に発症の不安を与える可能性や、民間医療保険や生命保険、就職、結婚において差別的な扱いを受けるなど不利益が生じる可能性があります。

 

従って、二次的所見の情報は、患者の理解と思いを踏まえて慎重に取り扱い、希望される場合には、遺伝専門医により遺伝カウンセリングを行い、遺伝学的検査、個別化治療へと移行します。

 

私からは、愛知県がんセンターにおける、①未発症者に対する検査と治療について、②末期がん患者に対する新たな治療薬や先進医療の発見の可能性について、③海外からの受診者の受入れについて、それぞれ質疑しました。

 

 ①2013年に、ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんががん予防のため、37歳で両側乳房を切除、39歳で卵管・卵巣を摘出したことを告白して話題になった。

 

彼女の場合、母と母方祖母が卵巣がん、叔母が乳がんを発症しており、本人の遺伝子検査で遺伝子変異が発見され、将来がんになる可能性が87%と診断されていたとされる。

 

国内でも2020年から、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(=HBOC)患者に対する未発症の乳房や卵巣・卵管を予防的に切除する手術が保険適用となり、それに伴う乳房再建も保険で行えるようになった。

 

ちなみに、HBOCは、特定の遺伝子に生まれつき変異があるため、乳がんや卵巣がんなどが発症しやすくなる症候群で、200~500人に1人が該当する。

 

また、日本人女性が生涯に乳がんになる割合は9%、卵巣がんで1%だが、HBOCの人では乳がんで約40~90%。卵巣がんで約20~60%にも上る。

 

そこで、がんや卵巣・卵管がん患者でHBOCの人については、未発症の乳房や卵巣・卵管の予防的切除(=Risk-Reducing Salpingo-Oophorectomy; RRSO)によって生存割合が飛躍的に高まることから、愛知県がんセンターでは2017年から、臨床試験として倫理委員会の承認の下、自費診療でRRSOを実施してきた。

 

また、国によるRRSOの保険適応によって、乳腺科・遺伝部門との協議の上、対象患者のRRSOを実施している。

 

 ②がん遺伝子パネル検査の対象となるのは、標準治療がない固形がん患者、または局所進行、もしくは転移が認められ、標準治療が終了となった固形がん患者であることが条件となっており、従来型の抗がん剤など、一般的に行われることが推奨される治療法(=標準治療)を終えた患者に限定される。

 

国内では2019年から、がん遺伝子パネル検査が保険適用されたが、「ゲノム医療=遺伝子解析に基づいて有効な治療薬を患者に届けること」であり、「遺伝子解析=ゲノム医療ではない」。

従って、遺伝子検査ができても有効な治療薬が届かなければゲノム医療とは言えず、がんゲノム医療の対象となる患者は限定的であり、検査を受けたとしても治療に結び付く割合は低いのが現状。

それでも、最適な治療法が見つかる確率が10~20%程度(がん種や遺伝子パネル検査の種類で異なる)というのは、がん患者にとって大きな望みと言える。

 

ちなみに、愛知県がんセンターでの実績は、エキスパートパネル(=専門家会議)に掛けられた全417例のうち、推奨された候補治療薬有りが109例(26.1%)であり、治療到達が18例(4.3%)、今後登録の可能性が22例(5.3%)を合わせた計40例(9.6%)。

 

 ③愛知県では、外国人患者への先進的な医療や最先端の医療機器による検診の実施など、本県の優れた医療技術の提供による医療の国際化の推進を図るため、医療ツーリズム(=患者が医療サービスを受ける目的で他国へ渡航すること)の推進を図っている。

 

愛知県がんセンター(あいち医療ツーリズム推進協議会委員でもある)では、これまでに海外からの受入れ実績はないが、希望者がいれば受入れは可能。

 

愛知県がんセンターは1964年に開設されました。

愛知県がんセンター研究所も病院と同じ敷地内にがん研究を牽引する専門研究機関として設置されています。

 

研究所では、最先端のがん研究を推進する一方、病院との協働によって、愛知県がんセンターが”コンプリヘンシブ・キャンサーセンター(=総合がんセンター)”として最先端のがん診療を提供できるよう日々進化を遂げています。

 

これからも、愛知県がんセンターが国内外のがん研究拠点として、また、次世代の総合がんセンターとしての進化に向けて、しっかりと支援してまいりたいと思います。

 

愛知県がんセンター:

https://www.pref.aichi.jp/cancer-center/index.html

愛知県がんセンター研究所:

https://www.pref.aichi.jp/cancer-center/ri/index.html

愛知県がんセンター病院:

https://www.pref.aichi.jp/cancer-center/hosp/index.html

愛知県がんゲノム医療センター(がんゲノム外来):

https://www.pref.aichi.jp/.../02shinryo/kakuka/genome.html

 

 

 

8/12 建設委員会

(知立建設事務所管内の公共事業等について、各自治体の首長を参考人として招致し、愛知県が行う事業に対する要望を聞き取り、理事者からその事業に関する進捗状況について説明がありました。

 

知立市から愛知県に対しては、10数年来同様の内容で、①知立駅周辺連続立体交差事業と、②-1二級河川猿渡川および②-2水干川における河川整備事業について、これまでの着実な事業進捗に対する御礼と、これからの計画的な事業促進に関する御願いがなされました。

 

愛知県から知立市に対しては、①知立連立では、全10工区における高架構造物の建設が計画通り進み、今年度下半期には名鉄三河線豊田方の工事に着手する予定であること、②-1猿渡川では、弘法橋から八ツ田橋までの河床掘削および護岸設置工事を進めていることと、八ツ田橋から名鉄線までの河川改修工事の設計を進めていること、②-2水干川では、順次、護岸修繕工事を行うことが説明されました。

 

加えて、愛知県が進める連立事業=高架化の完成によって、これまで知立駅周辺の鉄道軌道による南北の分断が解消=踏切が除却されることから、知立市が進めなければならない知立南北線=幅員30メートル道路や知立環状線などの幹線道路や、知立駅南土地区画整理事業の早期着手に関して、愛知県から知立市に対して毎回同様の催促がなされました。

 

こうした要望会では、各首長のプレゼン能力が如実に表れますが、担当部局が作文した要望書を棒読みするだけの市長もいれば、事業の重要性や緊急性などを分かり易く織り交ぜて説明し要望する市長もいて、各人の要望事業の実現に掛ける思い入れや熱意の差の大きさが実感できます)

 

 

 

8/14 リリオ・カミングコンサート

(午前から午後に掛けて、終日様々なジャンルの演奏が聴けるコンサート。

 

今回は計25組の出演で、ピアノ、フルート、マリンバ、チェロ、オカリナ、ピアニカ、クラリネットなどの演奏や歌唱と盛り沢山の内容でした。

いずれも素晴らしいステージで、じっくりと聴き入りました。

 

午後からは、知り合いのお子さんが出演されており、その堂々とした姿に感動。

繊細かつ大胆に弾きこなす素晴らしい演奏技術は、流石、ピアノ講師のお母さん譲りでした。

 

コロナ感染拡大の影響を受け、音楽イベントは早い時期から自粛対象となっており、若手演奏家の活躍機会が激減しています。

以前のように、会場での生演奏に観客が一体となって拍手喝采を送ることが出来る日を早く待ち望む一方、音楽配信などネットを活用して観客とつながる演奏会などを支援し、演奏家の皆さんの活躍の場を増やしていきたいと思います)

 

 

8/15 終戦の日

(ここ連日の雨が止んだ代わりに蝉しぐれが降り、時折、陽が射す夏日となりました。

 

8/15は、76年前、天皇陛下が前日(8/14)に”終戦の詔書”を発布し、連合国へ正式にポツダム宣言受諾を通達したことを、玉音放送を通じて日本国民と大日本帝国軍人に語り掛けた日であり、先の大戦における犠牲者の追悼と平和を祈念する日である”終戦の日”。

 

遡って、8/6は広島に、8/9は長崎に原子爆弾が投下された日であり、原爆死没者の追悼と核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を祈る日である”広島原爆の日”と、”長崎原爆の日”。

 

なお遡って、6/23は沖縄戦で旧日本軍の組織的な戦闘が終結した日(以降遊撃戦に転換し、9/7に沖縄戦降伏調印がなされるまで戦闘が続く)であり、沖縄戦犠牲者の慰霊と世界の恒久平和を願う日である”沖縄慰霊の日”。

 

上皇ご夫妻、ならびに天皇ご一家は、これらを「日本人として忘れてはならない」4つの日とし、これまで欠かさず黙禱を捧げられています。

 

本日8/15、全国戦没者追悼式において天皇陛下は、「先の大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします」「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」とおことばを述べられました。

 

戦後76年。

戦争経験の風化が大きな社会課題になっています。

 

戦後我が国は、平和憲法の下で戦争によって一人の国民も命を落とすことなく、平和な国家を築いてきましたが、戦争の惨苦を味わった先人の「戦争は二度と起こしてはならない」との想いが、世代を超え、世界中でつながることを切望します。

 

私たちは今一度、戦争経験者や遺族の声に耳を傾け、戦時下の国民の暮らし、戦場での兵士の戦いなどの苦難の歴史と向き合い、戦争の記憶と平和への願いを未来につないでいかなければならないと切実に感じます)

 

殉国七士廟@三ヶ根

 

慰霊殿@遍照院

 

千人燈@知立神社

 

原爆と人間展@知立市中央公民館

 

 

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