1151.唐辛子バターの巻 | フランス絵巻き

フランス絵巻き

南仏コートダジュール・画家よんじょう


ボルディエバターのフレーバーをイロイロお試し中。

前回は柚子、今回は唐辛子(ピマン・ド・エスプレット=ピマン・デスプレット=piment d'espelette)

見た目はギョっ!とするほど鮮やかな超オレンヂ色(人参のピュレーのやうな)バターなんですけど、天然無着色。唐辛子は2.5%しか配合されてないのに、どえりゃー発色力やねんね。イカ墨のよう?

唐辛子バターのお味は、ちっとも辛くなくて、旨味がジワっとくるカンジ。
(このバター)単独でも、酒のアテになりそな風味よ。チビチビと舐める珍味、にも似たり。
レーズンバターってありますけど、エスプレットバターでもイケるんちゃうカナ。

ピマン・デスプレットは、仏国では頻繁にその名を耳にしますけど、バスク地方で収穫された唐辛子のみが、”エスプレット”を名乗れるノラ。(村の名前です)
シャンパーニュ、カマンベール、ロックフォールなども同様ですけど、仏国の食品にはこういう厳しい規定があるのが特徴ネ。普段は大雑把な国民なのに。

ホボ同じ顔と味をしていても、出生地がソコじゃなかったら、その名を名乗れないってのは、氏(ウジ)素性にこだわる俗物野郎に見えるかもしれんけど、そうすることで、地域の特産物を守ってるんですわ。こーゆー差別化は大事かもしれませんナ。
類似品や模倣品をイッショクタにしてしまうと、土地(地域性)の価値がなくなってしまうもんね。
そもそも、地方が首都(中心)に合わせるんじゃなくて、お国が地方の生産物を尊重して保護したほうが、国全体が活性化するシネ。よく知らんケド・・。

しかし。仮にブサイクでも、シャンパーニュ地方に生まれたばかりに、一生、シャンパーニュと呼ばれチヤホヤされる運命と、ものすごい美人なのに、アルザスに生まれたばかりに、一生、クレマン呼ばわりされる運命と、どっちが幸せなのかしら?
後者のほうが一見、アンラッキーのようだけど、お家柄だけで無条件に贔屓される人生だと、誰を信用していいのかワカランようになりますで。
もし、私が、美しいシャンパーニュだったら『どいつもこいつもフンッだ!』って、暴れ馬になろうナぁ。
セバスチャンがお食事を運んでくれる宮殿生活も、実際やってみると、3日目には退屈しちゃうしネっ。


<おまけのYJクイズ・難易度★★★★★>
キッコーマンとボルディエに、ある共通点を発見。
さて何でしょう?ヒマ人な方はトライしてみんさい。