子供が日本語を覚える様子を見て、
「外国語のインプットをたくさんすれば、
そのうち日本語以外の言葉も
話せるようになるのではないか」
と考える人は少なくないと思います。
その証拠に、
世の中には語学習得を目的とした、
子供向けDVD教材がたくさんあります。
外国語に興味を持たせる、
という動機づけの一つとして
導入するのなら、いいと思います。
ただ、
「DVDを見る事で
外国語のインプットをしてもらい、
いつか外国語を話すようになれば、、」
という事を期待するのは
どうだろう、、、と思います。
赤ちゃんが言葉を覚えていく
プロセスを見ていると、
たくさんの日本語を聞いているだけで、
どんどん言葉を吸収している、
と映るかもしれませんが、
実はそれだけではなくて、
以下のような条件がそろって始めて、
「言語習得」というのは起こっています。
１．自分に理解可能な言葉遣いで
熱心に、繰り返し、
話しかけてくれる人がいる
→ 無意識にやっている事だと
思いますが、普通、
大人が子供に話しかける時、
子供に分かりやすい言葉を選び、
子供が聞きやすいトーンで
話しかけています。
２．自分の発話に、
耳を傾けて、反応してくれる人がいる
→ 子供は、自分が発した言葉が
どんな意味を持つ言葉なのか、
大人の反応を見ながら、
言葉と意味を結び付けていきます。
３．言葉を間違った時に、
正しく言い直してくれる人がいる
→ 発音、文法共に、
間違ったまま発しても、
大人が何度も修正してくれるので、
だんだん、正しく話せるようになります。
つまり、簡単に言うと、
・理解可能なインプット
・相手の反応から意味をつかむ
・間違いを訂正してもらう
そういう条件がそろった環境で
過ごしているからこそ、
日本語をちゃんと話せるように
なっていくのです。
そう考えると、
ただ、DVDを見るだけでは
外国語を習得する事には
なかなかつながらない、
という事が理解できると思います。
同じような場面で頻繁に使われる
挨拶的な表現、
つまり、英語で言えば、
Hello!
Thank you!
Goodbye!
くらいは、
DVDだけを見ていても、
身につくとは思います。
が、
会話らしい会話ができるように
なっていく、、、というのは、
期待しないほうがいいでしょう。
動画、DVDを見ることによって、
そこから何かしらの言葉を覚えるとか、
新しい表現を覚えるという事が
できるようになるのは、
既にその言語で一通りの事が
理解できている場合です。
全体を見ていて意味が分かって、
時々ポンと出てきた未知の言葉を
拾って、
「お母さん、〇〇の意味って、
なあに？」
と聞く力があれば、
DVD学習が成り立ちます。
そうではない場合で
DVD鑑賞を学習に役立てようと
思うのならば、
大人が一緒に映像を見て、
「今なんて言ったか分かる？」
「今はこう言ったんだよ。」
という解説を添えて、
理解を補ってあげる、
という事をしていくといいと思います。
過去にも似たような記事を書いた事は
あるにもかかわらず、またこの話題で
記事を書いたのは、
相変わらず我が家には、
英語教材のたぐいの案内が、
どしどし届くから（笑）。
興味本位でチラシを眺めていますが、
DVDのパッケージとか、
びっくりするほど高くて、衝撃でした。
でも、宣伝文句を読んでいると、
「あぁ～こんな事書かれたら、
きっと、
『わが子にはぜひ英語力を！』
と思っている熱心なお母さん達、
買っちゃうかもなぁ、、、、」
と思う事が多々あります。
実際、私の知り合いが、
訪問販売の口車に乗せられて、
某英語DVD教材のセットを
ローンで買いそうになったという
体験談を聞きました（汗）。
子供には教材にしても何にしても、
いいものを与えたい、というのは
親として自然な気持ちだと思いますが、
何にせよ、
「乗せられる」のではなく、
正しい知識を持って、
しっかり判断したうえで、
価値あるものを選んでいきたい、
と私自身思っています。
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