「栄華と悲惨(光と影)1850~1910年フランスの売春」展 | フランスジェンヌのVIVE LA FRANCE

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東京では現在開催中の「春画展」が話題となっていますが、
パリのオルセー美術館では“売春”をテーマにした思い切った展覧会が開催され話題となっています。

19 世紀半ばから 20 世紀初頭のパリ、 モンマルトルを中心として派手で賑やかな街を彩った女性達。
カフェで、キャバレーで、 売春宿で、女たちと遊び、過ごし、その“栄華と悲惨”を感じ、その姿を描いて後世に伝 えた芸術家達、、、
バレリーナを描いたドガ から「女性は最も美しい景色」(La femme est le plus beau paysage) と表現した ヴァン・ドンゲンまで、、、
ロートレックは「娼婦達の間に居る時ほど人間らしい安らぎを覚えることは ない」と云ったとか。

公開前に賛否両論あったものの、パリを物語る には欠かせない文化との解釈から、
あえ て「売春」のテーマでの展示に踏み切っ た、と説明されています。
下心あって酒をおごる男、酩酊した中年男と連れの女、客引きで捕まり 憂鬱な表情の女、、、快楽の夜が始まろうとしている雰囲気、、、猥雑なざわめき、、が伝わってくる 作 品 100 点 余 り を 展 示 し て い ま す 。 


マネの「オランピア」(’L'Olympia’(1863) -Manet


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ドガの「スター」 (‘ Ballet-L’ Etoile’(1878)-Edgar Degas) 


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アンリ・ジェルヴェスの「ローラ」(‘ Rolla’ (1878)-Henri Gervex)




ロ ー トレ ッ ク の 「 2 人 の 女 友 達 」 (‘ Les Deux Amies’ (1892)-Toulouse-Lautrec) 




 ピ カ ソ の 「 ア ブ サ ン ト を 飲 む 女 」 (‘ La Buveuse d’ absinthe’ (1901)-Pablo Picasso)



ア ン ド レ ・ ド ラ ン の 「 下 着 姿 の 女 」 (‘ La Femme en chemise(1906)’-André Derain)




ヴァン・ドンゲンの「紫色の靴下どめ」 (‘ La Jarretière violette’ (1910)-Kees Van Dongen)





‘L’Absinthe’(1876)-Edgar Degas


こ う し て 例 え ば 有 名 な ド ガ の 「 ア ブ サ ン ト 」 (‘L’Absinthe’(1876))を前に、
普段は大家の傑作として鑑 賞するに止まるものが、
今回の展覧会のテーマの見地から改 めて眺めると、同じ作品でも違った雰囲気に見えるという興味深さから、初日より入場制限を行なう程の人気を呼んでい ます。
会場には“18 才未満お断り”の厚く仕切られたコーナ ーもあり、当時の街角で売られていた春画や怪しげな写真の展示、短編のポルノ映画の放映も行なわれています。

オルセー美術館にて来年の 1 月 17 日迄開催中
月曜日を除く 毎日 09 時 30-18 時 00
入場料 11 ユーロ
Musée d’Orsay
1,rue de la Légion-d’Honneur, Paris 7e
http://www.musee-orsay.fr/