3月24日に行われた吉原バレエ学園第39回発表会に行ってきました!^_^
写真は終演後にいただいたお花。
ロビーのスタンドフラワーを、終演後にバラしてお客さんに配布してくれる心遣いにとても感動しました♪
さて、舞台は10代の子たちを中心とするフレッシュなプログラム。
第一部は小品集、第二部は「ドン・キホーテ」ほぼ全幕に近い構成で驚きました!
第1部冒頭は、各コンクール第1位の実力者たちが次々に登場し、まさに圧巻でした^_^
最初に登場したのは全国舞踊コンクール第二部(小学生の部)で第1位を獲得した亀田智世さん。
演目は「ジゼル」第1幕より村娘のバリエーションです。
全国舞踊コンクール第1位だけあって、非常に安定したテクニックに大人顔負けの表現力。
智世さんはまだジュニアながら、自ら積極的に見せ場を作るそのセンスが素晴らしい!
あの若さで自己の踊りが確立されているというか。
将来どんなダンサーになるか本当に楽しみです♪
お姉さんの亀田直子さんによる「エスメラルダ」バリエーションも迫力満点。
身長が高くモデルのような美しさとオーラがありました。
そして、今回の発表会で最も印象的だったのは、私がずっと応援している渡邉美菜実さん♡
美菜実さんは、ヴァルナ国際コンクールやアジアングランプリ香港ファイナルなど数々の国際コンクールに入賞している(国内のコンクールではグランプリを含む数え切れないほどの入賞歴を誇ります!)未来のバレリーナの卵です。
私は彼女が中学生の頃から知っているのですが、お母様によれば、とにかく勤勉で頑張り屋さんだそうです^_^
今回は、「眠れる森の美女」第2幕よりオーロラのバリエーション、「白鳥の湖」より黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ、「ドンキホーテ」ではキューピッドを踊られました。
まずは「眠り」第2幕のオーロラのバリエーション。
(ご本人の了承を得て掲載)
この踊りはそれほどメジャーではないですが、一見地味な振り付けの中にも持久力を必要とする超高度なテクニックが含まれています。
美菜実さんは技術の難しさを微塵も感じさせず、楽々とこなしていました。
彼女のバレエでいつも感心させられるのは、その踊りの丁寧さ。
一つ一つのパ(ステップ)やポーズをとにかく大事にしていること。
動作の一つ一つに「心」がこもっているっていうのかな。
バレエにおいて、手をあげる動き、あるいは足をあげる仕草は、ただ手や足をあげればいいのではなくちゃんと意味があるわけですが、自分を含めプロフェッショナルでない踊り手は、何も考えずに「ひょい」と動いてしまいがちです。
しかし、美菜実さんはそのあたりが違う。
動きの一つ一つを本当に大切にしていて、どの瞬間を切り取っても美しい。
踊りに心がこもっていて、バレエを愛する真心が隅々に現れていることにとても感動させられます。
そしていつも感心するのは、パ(ステップ)とパのつなぎが非常に滑らかでスムーズであること。
自分もそうですが、アマチュアの場合、パとパのつなぎの部分が雑でギクシャクしていたり、動作が唐突になることはよくあり、一瞬止まったポーズの写真はよく撮れたとしても、動画で踊りを見るとガックリ_| ̄|○…ということが頻繁に起こります(^_^;)
ところが、美菜実さんの踊りはそういう素人臭さが全く感じられない。
すでにプロフェッショナルの領域に足を踏み入れていると強く感じました。
そういえば、吉原バレエ学園の皆さんは、このパとパのつなぎのなめらかさが他の人たちの踊りにも現れていて非常に感心させられます。
「眠り」でもう一つ感心したのはラストのシェネとピケの素早さ!
よくあんなに敏捷に回れるなあとつくづく感銘を受けました。
さて、美菜実さんが次に踊ったのは「黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ」!
バレエをやっている人であれば、この演目を踊るのがいかに大変なことかわかることでしょう!
私も実は中学1年の時に黒鳥のバリエーションに挑戦したことがあるのですが、先生から技術的に無理と判断され断念した経験があります(^_^;)
(ご本人の了承を得て掲載)
「黒鳥」は、数ある演目の中でもおそらく最上位に位置するほどテクニックが難しいですが、美菜実さんはこの超絶技巧を完全にクリアしておられました^_^
バレエはまずテクニックがないとどうしようもなく、いくら表現力があってもコンクールでは土俵にすら上がれない厳しい世界ですが、そこはさすがに数々のコンクールで受賞歴を誇る美菜実さん^_^
コーダのグランフェッテもダブルを4回入れておられましたね。
しかし私が一番驚かされたのは、安定した高い技術力を素地としながら、表現力が数段上になっていたこと。
まだ「プロ」ではないダンサーが「黒鳥」を踊る場合、私は二通りあると思っていて、一つは黒鳥らしい表現を一切しないタイプ。
中学、高校ぐらいのジュニアの子達が黒鳥の「妖艶さ」を表現すると、不自然になるので、全く表現しないことが多いですね。
この場合は笑顔で踊るのではなく、どちらかというと勝ち誇ったようなツンとした表情で踊るケースが多いです。
もう一つは、成人後あたりから可能になると思いますが、黒鳥の特性である「魔性の女」を表現しているタイプ。
「白鳥の湖」第3幕の黒鳥は、王子を惑わせてオデット姫から奪ってしまうわけですから、ファムファタル(運命の女性)の妖艶さやなまめかしさを表現する必要があり、これはかなり難しいわけです。
テクニックが追いついていないのにこの妖艶さを表現しようとすると、かなり残念な感じになってしまいます(^_^;)
美菜実さんは二十歳ということもあり、ちゃんと大人の女性を表現しており、しかもいやらしさがまったくなく、華麗な妖艶さやあでやかさを表現できていたところに非常に感銘を受けました。
これは、表現力を裏付ける確かなテクニックがあって初めて可能になることで、この領域に到達するまでにどれだけ大変な修練を積む必要があることか…
中学生だった美菜実さんが、ここまで大人になられたんだなあ…と感無量で、少し涙ぐんでしまいました...
美菜実さんが踊っている間、客席もシーンと静まり返って固唾をのんで見守っているのが感じられました。
休憩時間は「黒鳥が綺麗だった…」「黒鳥すごかった」とたくさんの感嘆のため息が聞かれました。
美菜実さんがこれからどんな素敵なバレリーナに育っていくことか、本当に楽しみです^_^
第二部の「ドン・キホーテ」も、皆さん素晴らしかったことは言うまでもありません^_^
だいぶ長くなってしまったので今日はこの辺で。
これからも美菜実さんをはじめとし、吉原バレエ学園の若いダンサーたちは、たゆまぬ努力を続けられ、鍛錬を重ねていくことと思います。
未来のバレリーナたち、これからも応援しています^_^