ようやく『空と風と時と』の前半を読み終えた
前半と言ってもオフコースが終わったところまで読み終えた
私のリアタイは『さよなら』からだ
それまでの小田さんが生まれてからどのように育ってきたか、どんな歌を聞いていたか、これまで知らなかったこともたくさん書からておりとても興味深いものだった
デビューしてもなかなか仕事もなく、誰かの前座で歌っても帰れ!と言われる、ポスターにはオフコースの名前さえ無い、必要とされていないという内容には泣きながら読んでいた
さよならからのオフコースは絶頂期真っ只中
テレビに出ないオフコースの情報源は当時ラジオか音楽雑誌
むさぼるようにラジオを聞き、雑誌を毎月買っては下敷きに切り抜きを入れたり、部屋にポスターを貼ったりしていた
とにかくオフコース5人がとても楽しそうにしているのが嬉しかった
そんな時にアルバム『we are』からまさかの『over』というタイトル
オフコースが終わるなんて…
ヤスさんがいなくなるなんて…
『言葉にできない』は今ではCMの音楽と思われているかもしれないけど、ファンにとってはオフコース5人最後のコンサートでたくさんのひまわりの映像が流れ、小田さんが泣いてしまうことが思い出される
いろんな思いが交差している、それが言葉にできないの歌だ
ヤスさんが抜けてから1年以上が経ってからオフコース再始動
たとえ4人であっても私はとても嬉しかった
また、オフコースが歌ってくれる
小田さんが歌ってくれる
裏でいろんな事が起こっているとも知らずに…
シングルが出るたびにMVが出て、それもドラマ仕立てで面白かった
何しろオフコースのメンバー全員が演技しているのだから、あの小田さんが演技しているのだから楽しいことこの上なかった
(上手い下手は別としてね)
とても楽しそうにやっているように思っていたけど、ほんの少しのズレが積み重なっていったのだろう…
オフコースは解散
わたしがオフコースのコンサートを札幌で見た最終日
コンサートが終わって観客が帰っていく中しばらく座って余韻に浸っていた
結構な人数が帰っていく中、急にステージに明かりがつき、オフコースの4人が出てきたのだ
びっくりしてステージに近寄った
『小田さーん!』とメンバーに叫んだ
オフコースは深々とお辞儀をして手を振ってステージから去って行った
ステージから下がって行ったのになぜまた出てきたのだろう…
不思議に思っていた
それから数ヶ月後にオフコースが解散することを知った…
あの再びステージに出てきたのは、最後の挨拶だったのだと思った
なんとなく予感はあった
コンサートのパンフレットに小田さんのコメントが書いてあった
『君住む街へ』ができた時にこの歌を作って良かったと思った
と書かれていた
なぜかこの文を読んだ時にオフコースは終わるのだ、と思った
言葉の足りなさ
人見知り
気の使いすぎ
小田さんに会ったことのある人の小田さんの第一印象はとても良くない
今でこそ、年もとってきたせいもあるだろうけど、みんなに気を使い、優しい小田さん
小田さんは優しすぎるのだ
優しすぎるがゆえの言葉の少なさ
気を使いすぎて他の人からは別な意味に捉えられてしまう
もう少し話してくれればもしかしたらいろんな事が変わっていたかもしれない
だけど、寡黙な小田さんが好きだったし、それがかっこいいと思っていた
もう過ぎてしまった時間は取り戻すことはできないけど、過去があって今があるのだからそれはそれ、これはこれ…
これで良かったのかもしれないとも思ったりしている
今の小田さんも大好きだし、オフコースの頃の小田さんも大好きだし、メンバー全員が大好きだった
そして、全員が元気で今もそれぞれに活動している事が何よりも嬉しい
小田さんの歌のように
過去はいつでも鮮やかなもの
あの頃のこと今では素敵に見える
過去とはそんなものだと小田さんの歌を聞くとそう思う
オフコースに出会って本当に良かったと、この本を読んでつくづく思った
ありがとうオフコース!
最高だった!