タロットが教えてくれること⑦【恋人たち】

こんにちは

占い師のフランです。

本日は、大アルカナ7枚目の札

恋人たち

が教えてくれる事について解説したいと思います。

前回【司祭】となった愚者は、人間社会の秩序と道徳を学びました。

厳格な時期が続きましたが、今回の恋人たちは、どうやらとても楽しそうな気配。

恋人たちのカードによく見るキーワードは、

楽しい時期

恋に落ちる

愛

調和

協調

良いパートナーに恵まれる

などです。

実は、ウェイト版とマルセイユ版とでは絵柄が大きく異なる札の一つがこの恋人たち。

マルセイユ版ではふたりの人物の間で選択を迫られているかのような人物が描かれています。

それ故に、恋人たちの札には『選択』という解釈が有ります。

今回はウェイト版の恋人たちについて解説していきますが、この『選択』という解釈も、恋人たちを理解する上で重要なものとなります。

大アルカナ7枚目の札である恋人たちは、楽園に居る男女と、大きな天使が描かれています。

聖書を知る人ならばピンと来る筈。

これは明らかに、旧約聖書のエデンの園を描いています。

聖書の物語を知らない方に向けて、エデンの園の話をしましょう。

神様は、一人の男性（アダム）と一人の女性（イヴ）を作り、二人をエデンの園に住まわせました。エデンの園には木の実のなる木が有りました。神様は二人に対し、この木になる木の実は決して取って食べてはいけないと言い聞かせていました。

二人は神様の言いつけを守っていましたが、ある時蛇が現れ、女性のイヴに対して木の実を取って食べるようにとそそのかしました。

イヴは神様の言いつけを破って木の実を食べました。

イヴはアダムにも木の実を食べるように誘い、二人は堕落しました。

この事に気付いた神様は二人をエデンの園から追放しました。

これが（とても簡略化しましたが）エデンの園の物語です。

この物語の中で、アダムとイヴは、親である神様を裏切るのか自分の欲望を優先するのかという選択を迫られました。

結果的にエデンの園を追放されましたが、それは多くの人が、親と対立したり、親に反発し、親の庇護下から離れていく『自立の時』と似ています。

大半はもっと穏やかなものでしょうが、親が子に持つ期待と子供の希望が対立する事はよくある話です。

親の望む進路に進まず自らの道を選ぶ者

親の望む結婚相手の条件を無視して自ら選んだ愛の道に進む者…

このエデンの園の物語のようなことは、実は形を変えて日々この世界で起きているのです。

最初にマルセイユ版の恋人たちには『選択』という解釈が有るとお伝えしました。

この物語と照らし合わせると、ウェイト版の恋人たちにも十分に『選択』という解釈を見出す事が出来るでしょう。

私たち人間が親から自立し始めるタイミングは、他の誰かとの間に愛を見出すタイミングとかぶることが多いです。

誰かに恋をし、惹かれ、また、誰かと愛を育む事に憧れるようになる頃から、人は親からの自立を望むようになります。

休日を好きな人とのデートに捧げて親のことなど見もしなくなったり、アルバイトで稼いだお金を好きな人へのプレゼントを買う為に使ったり。

それまで自分を守ってきた両親に簡単にそっぽを向き、自分の愛を探して外に出て行くようになるのです。

これは新たな自分だけの家族を作ろうとする第一歩とも言えます。

恋人たちの札に性愛や欲望というキーワードがつく事が有るのも、それが親から自立する原動力となる事が多い為です。

恋人たちの札は単に幸せなカップルを描いている訳ではなく、恋や愛という自分の欲を原動力として、居心地の良かった場所から自立して行く人間の段階をも描いています。

そしてその自立の先に、一人だった人間同士が出会い、愛を見出し、一人であれば見られなかった幸せな夢を見ることが出来るのです。

二人ならば楽園を作ることもまた可能です。

恋人たちの札にはネガティブな印象が有りません。

リーディングの際にこの札が出て嫌がる人はほとんど居ないでしょう。

基本的には明るく幸せな気配が漂う札であり、この先の恋の成就、協力し合える人間関係、誰かの中から自分が選んでもらえる、など、素晴らしい未来の暗示を運んできてくれます。

恋人たちの札は、一瞬の火花で終わる恋ではなく、幸せや喜びを生み出せる素晴らしい愛や人間関係が得られると教えてくれることが有ります。

また、恋人たちの札がひっくり返る時、偽りの愛や、一方的で未熟な愛になっていないか？もう終わってしまった昔の恋に執着していないか？と、語りかけてくる事が有るのです。

なんにせよまだまだ人間の叡智の段階の序盤です。

さぁ、恋人たちとなり愛という原動力を得た愚者は、ここからどうなっていくのでしょうか。

続きはまた今度

フラン

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