こんにちは

 

以前こちらのブログでも書いた通り、私はとあるカルト宗教の二世信者として生まれました。


 

大変不本意な境遇であった為、自身の人生には多くの課題が生まれました。

 

今の自分は幸せですし、自分の人生を生きています。

 

ですがまだまだ多くの二世信者として生まれた人達が苦しんでいます。

 

その中で多く見るのが「親に条件付きの愛情しか貰えなかった事による自分自身への無価値感」です。

 

私の両親が傾倒していたカルト宗教は、二世信者を特別な存在として位置付けていました。

 

神様に愛された特別な子達で、俗世間の子達とは違うのだと言うのです。

 

二世達は「成績はクラスで上位に入るのが当たり前である。人に愛を与えよ。」という事を口酸っぱく言われて育ちます。

 

親が宣教活動に明け暮れて家に居なくて自分は寂しい思いをしていても、人に与えろと言うのです。

 

そして年少者の手本となる事も求められます。

 

ですので、その宗教の二世信者は比較的成績優秀な高学歴者が多いです。

 

飲酒や喫煙が禁止されており品行方正な姿勢が求められる為、世間的には真面目な優等生に見られる子も多いです。

 

しかし自由な恋愛や結婚を禁じられている事、信仰を継承していく事を当然に求められる事に対して「本当の意味で自由に生きていけない」という悩みを抱く子もまた多いのです。

 

恋愛している事が親にバレて、包丁を振り回された経験の有る二世信者も居ます。

そういう世界でしたが、これは物理的に何か日常的な虐待を受けた訳では無いので外からは見えにくい事です。

 

愛が大切と説きながら、そもそも人生のハンドルを握ることを放棄している親が多い訳ですから、愛を体現出来ない親の元に育った子もまた多く、愛情の欠乏感、自身の存在への無価値感、自己肯定感の低さ、自己憐憫を強く抱えて心を病んだり、教団の外側の世界に逃げ出す子も居ました。

 

私はカルト宗教二世問題とは今後も向き合っていきたいので、もう大人になったかつての二世達(つまりもう脱会していたり親と疎遠になっている人達)とも、交流を持つ事が有ります。

 

別の宗教の二世信者として生まれた人達と混じって情報の交換をすると、自分の事が俯瞰して見えて気付きを得られる貴重な時間です。

 

その集まりで言われたあるセリフがとても印象的でした。

 

「特別な存在だと言われる事が羨ましい」

 

「スタート地点がもう違う。良いなぁ。私も言われたかった」

 

このセリフを口にした人達の生育過程がどれほど過酷であったのか聞いてきたので、それはこちらの感覚が解らないのは当然だよなと私は感じました。

 

このセリフを口にした人達は別のカルト宗教の二世信者として生まれた人達でした。

 

その教団は子供への日常的な暴力を容認(というか実質推奨)しており、二世は生まれながらに罪を背負っている存在であるという位置付けだったそうです。

 

ですので自分に存在価値が無いという気持ちを抱えている人、ハラスメントに気付けないマインドになる人が多いのだそうです。

 

そんな状況を脱した人達ですから、私のように特別な存在と言われて育った人間に「羨ましい」と感じるのは自然な事だと感じました。

 

しかし、私はこのセリフで改めてこう思いました。

 

自己肯定感に必要なのは無条件に自分を認めることだ

 

「特別な子」という条件付けは「だからこう生きなければならない」という足かせです。

 

ただあるがままの自分を否定され、「立派な人間」を目指すのです。

 

自分を否定して別人になる事を目指すのです。

 

否定されて育とうが、賛美されて育とうが、ただあるがままの自分を認めてもらえないのであれば根っこは同じです。

 

今、占い師として多くの人とのご縁をいただく中で、自己肯定感の低さで悩む方や子供時代を引きずり生きづらさを感じている方々が訪ねて来て下さる事が有ります。

 

そんな方の多くが「自分で自分をただ認めてあげる」という事をほとんどしていません。

 

とてもストイックで、仕事も出来て、向上心が有り、自分に鞭を打って厳しく生きてこられた方が多いです。

 

だからこそ思うのが、自己肯定感は成功体験に左右されないという事です。

 

成功体験じゃないです。

 

何を手に入れたかじゃないです。

 

自分をそのまま認めてあげられるのか。

 

そんな事を、他のカルト宗教二世信者の方々との交流で改めて感じました。

 

大人になっても自己肯定感を育む事は出来ます。

 

自分がそうでした。

 

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