つまんねー!

 

 これで終わりでもいいんですが、あんまりなのでちょっと付記します。

 作家デビュー40周年の翌年(2019年)出版のショートショート。諸々の雑誌やらなんやらに寄稿したものをまとめた本です。なので、統一テーマがあるわけではない、補遺集的なものです。

 

 まず、表題作の「この橋をわたって」。とある民族のある一人が、大河の向こうに見つけた人への思いを込め、大きな石を投げたことから、世代を経るごとにその石を経由した橋の増築へと発展していく物語。

 著者が「一番のお気に入り」と言っていますが、全くつまらない。落ちなし、山なし、意味なしの駄作。

 橋で対岸に渡れたわけでもない。時間つぶしにもなりません。

 

 「黒猫ナイトの冒険」捨て猫が拾われ、家猫になったが、捨てられていた時の毛布(?)への記憶から、その捜索を開始し、野良猫となるも飼い主に見つけられ、めでたく家に戻る、という小学生の作文のような話。冒険というほど壮大なものでもなく、感動的でもない。

 

 他の作品も、おおむねそんな感じ。

 

 新井素子ぐらいになると、ファンに買ってもらうだけで、こんなつまらない作品を出していても作家をやっていけるんですね。うらやましい。