前回、ドローンを始めるにあたっての基礎知識的なことを書かせていただいましたが
今回は、ではマイクロドローン、Tinywhoop(タイニーウープ)のおすすめをご紹介します。
まず、Tinywhoopとは2016年夏頃にアメリカで誕生した8cm角の非常に小さいドローンで、その小さいボディに精密な6軸ジャイロセンサーなどを搭載したフライトコントローラー(FC)と呼ばれる基盤や小型カメラを搭載し、その映像を電波で飛ばしてゴーグルで映像を見ながら飛ばす"FPV"と呼ばれる仕組みを採用したマイクロドローンのことで、もともとBigwhoopと言う大型(プロペラサイズ約5インチ)のレースドローンチームが生みの親で、Bigと正反対の「小さい」を意味する"Tiny"を商品名に採用したもの。
家庭内で安全にドローンレースを楽しめるホビーとして瞬く間に世界に浸透しつつある奥の深い趣味となるドローン。
早速、そのタイニーウープについて、何から始めたらベストなのかを砕いて解説していきます。
本来でしたらプロポ(送信機)の話からするところですが
今回は先ずは、モーターの話からしましょう。
元祖Tinywhoopといえば、モーターは「ブラシモーター」を使ったものが最初に登場しました。(写真上)
ブラシモーターは"ブラシ"と言う部分と"コミュテータ"と呼ばれる部分をモーター内部で接触させて電流の流れを切り替えているので、小型のモーターとしてはタフな代わりに、必ず一定の期間使用すると劣化が起こるモーターですが、小型の模型やホビーで幅広く使われているモーター。
先ずは615と言うサイズのブラシモーターが主流として登場しました。
例えばこれ(BanchoFPV 19000KV 猫ゴールドモーター)
その他に、マイクロのサイズではようやく2018年頃からTinywhoopのサイズでもブラシレスモーターの物も出回るようになりました。
ブラシレスモーターとは、ブラシモーターとは構造が全く違って、モーター内部で磨耗する部分はなく、うまく使えば損耗による劣化が起こらなく、そして、安定した回転と瞬発力が高く得られる高性能なモーターと位置付けられる物ですが
Tinywhoop誕生当初から学び取った経験から考えると、これから初めてTinywhoopを始められる方に強くおすすめできるのは
ズバリ、ブラシモーターと考えています。
なぜ?瞬発力も劣化も少ないなら断然ブラシレスでしょ!
となる方もおられるかも知れません。
ところがフライトベースの多くのローカルパイロットや、有名なレーサーにも意見を聞きましたが、やはり最初はズバリ!ブラシモーターでしょう!と言う意見は多く得られたのです。某有名ドローンレーサーも、そう言ってました!
それを決定づける理由としては、ブラシレスモーターは初心者には瞬発力がありすぎてコントロールするまでに時間がかかってしまったり、私個人的な経験もありますが、現在(2019年2月ごろ)発売されているマイクロサイズのブラシレスモーターは私の判断ではモーター線の断線率が、大型のブラシレスモーターに比べると高く、また小さいが故にチリやホコリによるモーターの故障が結構頻繁に起こっているのです。通常、チリなどの故障の場合はモーターを分解して掃除することで治るのですが、マイクロサイズのモーターでは、その作業も非常に難しいことに加え、なかなか掃除をしても治らないことも多々ある様に感じています。そして、値段がそこそこ高いこと。高い上に交換頻度が多くなる様に思うのです。
フォローもしますが、それでいてもヘビーユーザーには良い安定感を出してくれるのも事実です。
熟練者であれば、「コントロールもできる、ぶつける頻度も少ない=長持ちするしパワーもある」ですが、これが全くの初心者で、ホバリングもままならないところからのスタートなどである場合は、断然ブラシモーターをお勧めしてしまいます。
モーター比較と、ドローンのサイズ感をオートバイ(バイク)に例えて見ると
自転車=おもちゃ屋さんの小さいドローン
50cc原付バイク=元祖ブラシモーターTinywhoop
90ccの小型バイク=1SブラシレスTinywhoop
125ccバイク=2SブラシレスTinywhoop
150ccバイク=2〜3インチブラシレスドローン
250ccバイク=5インチレース用ドローン
750ccバイク=6Sブラシレスドローン
まぁ、最後の750ccは取って付けたような例だけど、正直、バイクに乗ったこと無い人が90ccのバイクいきなり乗るよりは、できれば、原付からデビューする方がってイメージです。
要するに、ものが馬力もあって良いものであっても、コントロールするのはユーザーなので、熟練者が「今はブラシレスでしょ」と言っても、やっぱ段階を追って行く方が理にかなっている様に思うのです。決してブラシレスが悪いんではないんでどね。
ブラシモーターであれば、4本で1500円程度と安価であり、少々ぶつけたり、色々乱暴に取り扱ってもまぁまぁタフで壊れません。(壊れる時は壊れますけど・・)
と言うことで、まずホビーでやり始めるなら、最初はブラシモーターの元祖Tinywhoopかなと思って止みません。ぜひ、ご参考にしてください。