新NISA元年、情報をどう集めるか | 森本FP事務所のQ&Aブログ

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資産運用・保険・住宅ローンの疑問・質問にお答えしています。

【設例】 30代男性・会社員です。
今年から新NISAが始まります。
ネット上では、いろいろな情報があふれていますが、どのように取捨選択していけばよいでしょうか。

情報の集め方のコツなどがあれば教えてください。

【回答】 ご質問にお答えします。
情報の集め方のコツとしては、まずそれが「事実」なのか、「意見」なのかを区別することが第一歩と思います。

「意見」は、話半分で聞き、「事実」は、信頼のとれる一次情報で確認することをおすすめします。

例えば、最近よく見聞きする意見としては、「(近頃人気の)米国株投信や世界株投信に何も考えずに全額入れて、そのまま放置しておけばよい」というものがあります。

もちろん、投資に一つの正解があるわけではないので、考え方として間違っているわけではありません。


ただ、ここで気を付けたいのは、仮に同じ米国株投信を利用するとしても、2020年1月までに投資をした人と2024年1月から投資をする人とでは、スタート地点が大きく異なることです。

コロナ禍で日米欧の中央銀行による大規模な金融緩和があったことなどが背景にあり、2020年1月頃と比べ今は2倍近く値上がりしています。

4年間で+100%程度なので、年率で過去の平均的なリターンを大きく上回っています。

最近は特に、投資行動について楽観主義が台頭してきていると感じますが、価格変動リスクについての理解は必要です。

一次情報としては、S&P500の長期チャートと米ドル/円の長期チャートを確認してみるとよいと思います。

株価や為替の急変は、過去に何度も起きています。

例えば、2008年のリーマンショック時は、「(自分が買った)投資信託が値下がりしましたが、どうしたらよいでしょうか」というご質問がネット上のQ&Aにたくさん寄せられました。

私としては「値下がりは事前に想定されていたことなので、当初の計画にしたがうべき」という主旨の回答をしましたが、元々の計画が無かった方には、回答が難しかったのを覚えています。

現実に50%程度下落し(中には1500万円下落した方も)、その時点で元に戻る保証もないため、多くの方が混乱してしまったわけです。

安心の備えとして大切なことは、計画に基づいて投資をするという観点です。

計画は、広い意味でライフプランと言い換えてよいと思います。

計画の作成は、家を建てるときの基礎工事と同じくらい大事な作業です。

投資信託は「商品選び」の前に、計画の中で利用するツールという位置づけをFP相談内などでは、繰り返しお伝えしています。

また、リバランス、リアロケーションといいますが、運用を安定、向上させるため、資産配分を調整するリスクコントロールも必要と考えています。(これは個人の意見です)

計画の作成にあたっては、例えば、株式と債券の違い、バランスシートの読み方など、基本的な金融経済の理解も必要です。

金融リテラシー(お金についての読み書き能力)といいますが、そういった情報も、腰を据えて少しずつでも集めていった方がよいと思います。

一年の計は元旦にあり、とよくいわれます。

投資リスクをしっかりと理解し、計画を立てたうえで取り組むのであれば、新NISAは大きな優遇のある税制改正なので、活用するメリットはあると思います。