【設例】 夫40代・妻30代・子1人のサラリーマン家庭です。
現在加入している生命保険は、更新時に同じ保障内容で更新すると保険料がアップするタイプです。
少し調べたところ、加入後に保険料が上がらないタイプもあるようで、全体的に見直した方がよさそうと思いました。
どうすれば上手く見直しができるでしょうか。
【回答】 ご質問にお答えします。
FPとして私が考える保険を見直す際の3つのポイントをお伝えします。
1.万一の時の必要保障額を把握する
死亡保障は、万一の時に必要な額を具体的に試算して、把握しておいた方がよいと思います。万一の時に公的遺族年金がどのくらいもらえるかなども細かく計算します。
医療保障も、公的な保険でどこまで給付されるか知っておいた方がよいです。
漠然と医療保険に加入していて、掛け過ぎになっている人もいます。
実際、私の母が大病を患った時も、複数の医療特約や共済契約があったため、入院と手術の給付が実費を上回ることになり、ある意味、保険で儲かっていました。
保険は、生活に困らないように掛けるものなので、必要保障額を把握した上で加入するのが、保険料を無駄にしないコツです。
また、すべてを保険で準備するのではなく、貯蓄でもカバーできないか、よく考えてみてください。
2.貯蓄と保障はいったん分けて考える
生命保険は超長期の契約なので、金利が高いときに、貯蓄と保障を兼ねて契約できれば、一石二鳥です。
なので、金利が高かった頃の契約は、「お宝保険」と呼ばれることがあります。
もし「お宝保険」がある場合は、安易に解約しない方がよいでしょう。
ただ、今から新規で加入する保険については、貯蓄を兼ねるのは慎重に考えた方がよいと思います。
最近はマイナス金利政策の影響で、保険の予定利率が大幅に低下しています。
仮に、近い将来、預金金利が上がり、銀行預金の方が有利な状況になっても、保険は中途解約による控除が大きいため、超低金利でずっと固定せざるを得なくなる場合もあります。
3.専門家のサポートを受けるか検討する
ご自身で勉強して見直しプランを考え、ネット経由で加入することも、今の時代は可能です。
ただし、対面販売でしか加入できない設計や商品もあります。
保険の商品知識がないと、なかなか上手く見直しができないかもしれません。
専門家のサポートを受けようとする場合は、おそらく保険の見直し相談等のワードで検索される方が多いのかと思います。
検索すると、おそらくずらっと並ぶのは保険の無料相談です。
FPが無料で相談に乗ると説明しているサイトもよく見かけます。
相談が無料でも、保険の販売による手数料が入るので、FP側も採算が取れるというわけです。
ただし、保険の手数料は、一般的にはブラックボックスなので、実際にどのくらいの手数料がそのFPに渡っているのか、相談する側には見えないという問題があります。
見えない分、なるべく自らの手数料が高くなるように提案しようとするFPがいたとしても、不思議ではありません。
つまり、相談が無料でも、結局高くつくこともあるわけです。
もちろん、相談者の利益を優先し、きちんと提案してくれるFPもいるので、レッテル貼りはよくありませんが、保険代理店との雇用契約のあるFPだと、手数料のノルマに追われるケースがあるので、最適な人を探すのが大変です。
もしアドバイスに透明性を求めるなら、保険商品の販売を前提としないFP事務所に有料で相談するのも一つの選択です。
FP事務所は、複数社を扱う保険代理店の担当者を紹介できることが多いので、その担当者から最新の商品情報を得られますし、必要に応じ、顧客に対して有資格者の立場で商品説明や契約サポートをしてもらえます。
その場合、担当者からFP側に紹介料が支払われるのかなども、説明がなければ、遠慮せずに率直に尋ねてみてください。
モヤモヤは、早めにスッキリさせておいた方がよいです。
相談は、原則として有料ですが、例えば、月払い保険料に換算して、月々500円程度のメリット(保険料は同じで、保障内容等が充実する場合を含む)を得られるだけでも、1年で6千円、10年で6万円、30年で18万円の違いが生まれます。
きちんとした相談サービスを選べば、仮に数万円の相談料を払ったとしても、長い目で見て十分ペイするのではないかと思います。