小学校低学年の頃、引っ越し先の小学校に一日中ひと言も話さず、ただ朝から夕方までじーっと自分の席に座っている女の子がいました。
毎朝必ず、先生が生徒ひとりひとりの名前を読み上げ出席をとり、みんな元気よく「はい!」と返事をするのですが、決まって彼女のところでは
「。。。。。」
と沈黙が流れるだけでした。
先生は気にする様子もなく次の生徒の名前を呼びます。
わたしは今カウンセリングの勉強をしていて、さまざまな心の病を学んでいるのですが、当時小学校低学年にして、彼女はいったいどんな病(心?身体?)を負っていたのでしょうか。
心の問題だったとしても、その当時は”心療内科”と呼ばれるようなものはなかったはずだし、学校にはせいぜい”保健の先生”がいるくらいでした。
先生たちもきっとどうしたらいいのか、どう対応するのが正解だったのかわからなかったのだと思います。
ある日、いつも通り朝の出欠確認がありました。
「○○まりこさん」
「。。。。。」
しかし先生は、その日は違っていました。
「なぁ、まりこ。今日はお前が返事をするまで全員待ってるからな。」(ちなみに担任の先生は女です。。。
)
確かそんなようなことを言ったと思います。
「○○まりこさん」
「。。。。。」
このやり取りを何回繰り返したでしょうか。
30分ほどたって、みんながそろそろ退屈しはじめたころ(小学校低学年ですからね
)でしょうか。
「。。。。。はい」
彼女はとうとう小さな声で、返事をしたのです。
(つづく)
