※数年前の出来事を綴っています。

 

 

前々回の続き。

 

 

臨床心理士Y先生の

オフィスに向かいながら


私は思考が

ぐるぐるとまわっていた。

 


私も夫も

行動力は人一倍(仕事上だが・・・)


別居が決まってしまえば

すぐにでも行動に移すタイプ。

 

いずれ、

その選択肢を取るのだろうと

頭ではわかっていたが

 

まだ、

後回しにしたい気持ちがあった。

 


その時は、

まだ母親として、


息子との育児のやり直しや

信頼関係を強くする方に

時間を使いたかった。

 

夫との別居の話を始めると

労力と時間がそちらに奪われる。

それが嫌だった。

 


さらに、

息子の様子が落ち着いたら、

 

もしかしたら

もしかしたら

もしかしたら

 

息子と夫がやり直せるかも…という

かすかな期待もあった。

 

 

そんな

どっちつかずの気持ちで

Y先生のオフィスに到着した。

 

先生はいつも通り

笑顔で迎えてくれた。

 

私はソファに座るやいなや

夫との別居話の顛末を説明した。

 

 

いつもであれば、

Y先生とのカウンセリングは、

学校の担任と話をする感じで

割と落ち着いていたのだが、

 

その日は異なった。

 


夫への行き場のない怒り

怒りに反して、

夫と別れたくはない気持ち

 

息子への申し訳なさ

もっと早くに気付けなかった

自分への悔しさ

 

そして、

前夫と死別して

あれだけ苦しい思いをしたのに、


まだこんなにも苦しい

自分の人生への嘆き

 


そういう様々な想いが

一気にあふれてきて、

 

ところどころ

胸がつまって

泣き声になってしまった。

 

 

Y先生は

ひととおり話を聞いて

提案してくれた。

 

「ふじこさん、

 一度、亡くなったご主人についての

 カウンセリングをしましょうか」

 

と。

 

 

臨床心理士のY先生は

色々な心理療法を取り入れて

セッションをされていた。

 

恐らく私には

亡くなった前夫への悲しみを

整理するする時間が必要だ

と判断されたのだろう。

 

そのまま、

グリーフケアのカウンセリング

を受けることになった。

 

 

つづく。