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こんにちは。
本日の注目レーティングです。

注目レーティング 2015/07/22(水)08:53:46  

◆格上げ◆
ラオックス (8202) CS 新規OUTPERFORM 目標株価560円

ダブル・スコープ(6619) いちよし 新規A 目標株価2500円

ピジョン (7956) 大和 3→2 目標株価3410円→4070円


◆格下げ◆
特筆なし


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※「ディーリングコンパス」 では、


毎朝、寄りつき前に、


話題になりそうなレーティングをピックアップしてお知らせしています。



同じ情報でも

寄り前とザラ場に入手するのでは大違い!

ですよねー♪ ( ̄▽+ ̄*)


使いこなし術ヒミツ

※その中でも注目の銘柄は「注目レーティング」で詳細を記載しています。


※それ以外のレーティングについても、「レーティングコーナー」で解説、及び一覧化。スクリーニングや評価の推移ができるようにデータベース化されています。


使いこなし術ヒミツ
☆レーティングコーナーをじっくり読んで---投資判断変更の根拠やコンセンサスを確認。たまにですが、「取材後に投資判断の変更を検討している」などといったオイシイ話もあります。しっかり監視しておきましょう♪


☆データベースを使用して---各社アナリストの見解の違いや、格上げ格下げ推移も一目でチェックできます♪

お題「展望レポート中間レビュー/今日は3M入札ですな/イエレン議会証言は金融政策の説明は従来通り」

ベイスターズ前半戦単独首位ターンとな!!

○決定会合レビュー

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/k150715a.pdf(今回)
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2015/k150619a.pdf(前回)

まずは月例の経済判断部分。

・現状判断部分:輸出と生産の表現が下がっているが全体があまり下がっている感じが無い

『わが国の景気は、緩やかな回復を続けている。』(今回)
 『わが国の景気は、緩やかな回復を続けている。』(前回)

ということで基調判断は同じ。

 『海外経済は、一部になお緩慢さを残しつつも、先進国を中心に回復している。そうしたもとで、輸出や鉱工業生産は、振れを伴いつつも、持ち直している。』(今回)

 『海外経済は、一部になお緩慢さを残しつつも、先進国を中心に回復している。そうしたもとで、輸出は持ち直している。(途中割愛)以上の内外需要を反映して、鉱工業生産は持ち直している。』(前回)

 輸出と生産の「持ち直し」にヘッジクローズ「振れを伴いつつも」が入って若干の下方修正ですなあ。

 『企業収益が改善するなかで、業況感は総じて良好な水準で推移しており、設備投資は緩やかな増加基調にある。』(今回)
 『設備投資は、企業収益が改善するなかで、緩やかな増加基調にある。』(前回)

 業況感の話は短観が出てくる回の定例ですが、「企業収益が改善するなかで」というのがあって、企業部門に対する強気感が出ています。

 『雇用・所得環境の着実な改善を背景に、個人消費は底堅く推移しているほか、住宅投資も持ち直しつつある。この間、公共投資は、高水準ながら緩やかな減少傾向に転じている。』(今回)

 『雇用・所得環境の着実な改善を背景に、個人消費は底堅く推移しているほか、住宅投資も持ち直しつつある。この間、公共投資は、高水準ながら緩やかな減少傾向に転じている。(この次が先ほど引用した生産部分です)』(前回)

 所得、消費などに関する部分は変わりませんな。

 『また、わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(今回)
 『また、わが国の金融環境は、緩和した状態にある。』(前回)

まあここは同じですな。

 『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%程度となっている。予想物価上昇率は、やや長い目でみれば、全体として上昇しているとみられる。』(今回)

 『物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベースでみて、0%程度となっている。予想物価上昇率は、やや長い目でみれば、全体として上昇しているとみられる。』(前回)

 消費税率引き上げの影響云々は統計の話になるのでそこを除くとこれまた不変ということで、今回の現状認識は輸出と生産を若干下げて企業部分への表現を強めにしている感じですな。


・先行き見通し:表現は同じだが物価はいつ上がるのでちゅかねえ

『先行きのわが国経済については、緩やかな回復を続けていくとみられる。消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移するとみられる。』(今回)
 『先行きのわが国経済については、緩やかな回復を続けていくとみられる。消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移するとみられる。』(前回)

 「当面」0%程度というのが延々と続いておりますがそれって足元の時点が毎回1か月後に倒れているのですから事実上の見通し後ずれなんですけどね(ニヤニヤ)。


・リスク要因とか毎度の最後の部分とか

『リスク要因としては、新興国・資源国経済の動向、欧州における債務問題の展開や景気・物価のモメンタム、米国経済の回復ペースなどが挙げられる。』(今回)
 『リスク要因としては、新興国・資源国経済の動向、欧州における債務問題の展開や景気・物価のモメンタム、米国経済の回復ペースなどが挙げられる。』(前回)

 『「量的・質的金融緩和」は所期の効果を発揮しており、日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う(注2)。』(今回)

 『「量的・質的金融緩和」は所期の効果を発揮しており、日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う(注2)。』(前回)

 毎度おなじみの如く同じ表現ですなあ。

 木内さんの反対理由も同じです。

 『木内委員より、2%の「物価安定の目標」の実現は中長期的に目指すとしたうえで、2つの「柱」に基づく柔軟な政策運営のもとで、資産買入れ策と実質的なゼロ金利政策をそれぞれ適切と考えられる時点まで継続するとの議案が提出され、反対多数で否決された(賛成:木内委員、反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、白井委員、石田委員、佐藤委員、原田委員、布野委員)。』(今回)

 『木内委員より、2%の「物価安定の目標」の実現は中長期的に目指すとしたうえで、2つの「柱」に基づく柔軟な政策運営のもとで、資産買入れ策と実質的なゼロ金利政策をそれぞれ適切と考えられる時点まで継続するとの議案が提出され、反対多数で否決された(賛成:木内委員、反対:黒田委員、岩田委員、中曽委員、森本委員、白井委員、石田委員、佐藤委員、原田委員)。』(前回)

 森本さんの名前が布野さんに変わった(メンバー替わりましたので)だけですな(^^)。


・展望レポート中間評価

ということで展望レポート中間評価ですけれども。

 『(参考1)▽2015~2017 年度の政策委員の大勢見通し』の図はペタペタ数字を貼るのが手間なので貼るの割愛しますが、

 成長率
→2015年度は0.2~0.3%ほど下方修正、2016年度、17年度は不変

CPI
 →2015年度は0.1~0.2%ほど下方修正、2016年度、17年度は0.1%下方修正

ちなみに、上記で「~ほど」と書いたのは大勢見通しのレンジの上下限がどう動いたのかというのと、中心値がどう動いたというのかのを総合してみた訳ですが、数字としてはそう出ていますが、では声明文の方でどういう評価をしているのかと言いますと・・・・・・・・

『5.4月の「展望レポート」で示した見通しと比べると、成長率は、2015 年度について幾分下振れる一方、2016 年度、2017 年度については概ね不変である。消費者物価は、概ね見通しに沿って推移すると見込まれる1。』(今回)

という説明になっていまして、成長率に関する説明文は出ている数字と同じなので評価もその通りという話になるのですが、CPIに関しては数字を見ると0.1%程度の低下になっているのですが、評価に関しては『概ね見通しに沿って推移すると見込まれる』となっているので、「評価」としては出ている数字とは違って下方修正ではない(キリッ)という話になっておりますな。

ちなみに脚注1の原油価格の前提ですけど。

 『1 各政策委員は見通し作成にあたって、原油価格の前提を次の通りとした。すなわち、原油価格(ドバイ)は、1バレル60 ドルを出発点に、見通し期間の終盤にかけて70 ドル程度に緩やかに上昇していくと想定している。その場合の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比に対するエネルギー価格の寄与度は、2015 年度で-0.7~-0.8%ポイント程度、2016 年度で+0.1~+0.2%ポイント程度と試算される。また、寄与度は、当面マイナス幅を拡大した後、2015年度後半にはマイナス幅縮小に転じ、2016 年度前半には概ねゼロになると試算される。』(今回)

 『3 各政策委員は見通し作成にあたって、原油価格の前提を次の通りとした。すなわち、原油価格(ドバイ)は、1バレル55ドルを出発点に、見通し期間の終盤にかけて70ドル台前半に緩やかに上昇していくと想定している。その場合の消費者物価(除く生鮮食品)の前年比に対するエネルギー価格の寄与度は、2015年度で-0.7~-0.8%ポイント程度、2016年度で+0.1~+0.2%ポイント程度と試算される。また、寄与度は、当面マイナス幅を拡大した後、2015年度後半にはマイナス幅縮小に転じ、2016年度前半には概ねゼロになると試算される。』(前回4月)

 原油価格の推移に関する置きについては市場価格を反映させる形で割と機械的においている筈ですが、今回は足元の数字が上がって先行きの数字が下がっていますが、寄与度の結果は同じなのですな。


・ということで・・・・・・・・・

まあ事前の市場予想通りという感じで、声明文と中間レビューを見ますと、足元輸出と生産がパッとしないので足元の部分だけはちょっと弱めにしているものの、先行きの見通しは同じですし、良く良く見れば声明文の企業部分での収益云々というような文言が入っていたりと、先行き見通しが弱くなった気配はないということで、全然下方修正する気が無いという結果になっているという評価になりますな。

んでもって一方の市場としては「2%達成??ナンジャソラ」という話になっているのがどこからどう見ても大勢見通しになっている訳でございまして、この間に差があることによって日銀が勝手に鼻息を荒くしても債券市場が別に反応しないというオモシロパターンになっている訳でございますな。

でまあここまでは日銀の見通しがドンドン後ずれするという形でしたので市場大勝利(?)となっている訳ですが、さて今後どうなるのやらというのはこれから次の展望レポートの時期までの推移を見ていくしかないです罠という所で、今回はとりあえず「次の展望レポートまで様子見」というのが結論ではないかと思います。


 会見では中国経済の質問がやたら出ていた気がしますが、会見要旨を見て明日その辺のお話(と金融経済月報のお話)をば。



○今日は3M短国入札ですな

 ところで今日は3M短国入札なのですが、何せ前回の3M短国入札がやたら強い所で足切になって、当日の売買参考統計値が謎のマイナス7.7bpとかいうファンタジーレートになってしまい、翌日の日銀短国買入が利回較差3.1bp甘というこれまたナンジャソラなレートになるの図とか無茶苦茶なプレイが演じられた翌週の入札。

ただまあ先週金曜の短国買入では応札に対して落札で持って行かれた残りが2.5兆円ほどありますし、そこから(相変わらずの別世界入札とはいえ)1年短国が2.5兆円発行されている(ただし受渡日は来週初なので在庫ファイナンスの心配をするのは今日から)訳ですからして、在庫それなりに残る中で入札するのですがどうなんでしょうかねえという所ではあります。

しかしまあ何ですな、(リアルタイムで見てないからイマイチ良くわからんけど)ショートカバーだか何だか知らんけどマイナス7.7bpとかの引けになってしまうというのもナンジャソラな所がありまして、いやまあそこでバカスカ取引があって世の中のニーズがあるからそれが正しいのですという話ならそれはそれで分かるのですが、スクイーズ食らってショートカバーで付いた値段ってそれどうなのよ的なサムシングもある訳で、これが実際問題として実需の背景が無いのであれば早晩修正されるものなのですが、背景に変な制度要因がある場合(これまでであれば代表例は債券先物の受渡決済に絡むスクイーズだったり、もっと昔だと東証上場銘柄と非上場銘柄の会計処理の違いとかありましてですなあ)に妙な状態が継続する、というのがある訳ですな。

でもってまあ後はお察しな話でありまして、日銀による国債等の買入によっても市場の取引には特段大きな問題が起きている訳ではない(キリッ)という日銀のアセスメントになっている(まあそうじゃないと成ると買入の見直しになって政策運営上の大人の問題が生じるというのは推察出来ますけど・・・・・・・・)訳ですが、市場取引の量がどうのこうのとかオファービットがどうのこうのというだけではなくて価格形成に関する影響とかの観点はどうなのかねえとか思うには思うのですけれども、残念ながらこの辺りの話になると定量化して説明するのが難しいという問題点があって、札割れのように分かりやすい物理的現象が発生する方じゃないと理解はされないんでしょうなあと思ったりもするのでした。


○イエレン議長の議会証言(メモメモ)

 議会証言キタコレ。
http://www.federalreserve.gov/newsevents/testimony/yellen20150715a.htm
http://www.federalreserve.gov/newsevents/testimony/yellen20150715a.pdf

時間の関係上金融政策のパートだけ引用します(汗)。『Monetary Policy』って所ね。

 『Regarding monetary policy, the FOMC conducts policy to promote maximum employment and price stability, as required by our statutory mandate from the Congress. Given the economic situation that I just described, the Committee has judged that a high degree of monetary policy accommodation remains appropriate. Consistent with that assessment, we have continued to maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and have kept the Federal Reserve's holdings of longer-term securities at their current elevated level to help maintain accommodative financial conditions.』

ここは普通の話ですな。

 『In its most recent statement, the FOMC again noted that it judged it would be appropriate to raise the target range for the federal funds rate when it has seen further improvement in the labor market and is reasonably confident that inflation will move back to its 2 percent objective over the medium term. The Committee will determine the timing of the initial increase in the federal funds rate on a meeting-by-meeting basis, depending on its assessment of realized and expected progress toward its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. If the economy evolves as we expect, economic conditions likely would make it appropriate at some point this year to raise the federal funds rate target, thereby beginning to normalize the stance of monetary policy. Indeed, most participants in June projected that an increase in the federal funds target range would likely become appropriate before year-end.』

で、この辺が直近のFOMCとSEPによって示されている先行きの利上げタイミングの想定の話になっていますが、これまたイエレンさん手堅い事に昨日ネタにした先週の講演と同様に、あくまでもFOMCの中心的見解の説明をしていますな。議会証言だから当たり前ちゃあ当たり前かも知れませんが、FOMCの中心的見解から何か踏み込んだ情報でも出るかと思った向きには少々肩すかしという感じですかね。

 『But let me emphasize again that these are projections based on the anticipated path of the economy, not statements of intent to raise rates at any particular time.』

でまあFOMCやSEPの説明をしておいて、更にこのようにトドメで「あくまでもこれはその時点での見通しに基づくものなので利上げ時期とかその手の判断を事前に決め打ちしている訳ではない」といつものように断りを入れるの巻。

 『A decision by the Committee to raise its target range for the federal funds rate will signal how much progress the economy has made in healing from the trauma of the financial crisis.』

 次のパラグラフではこのような話をしておりまして、「利上げケシカラン」的な話が議会から飛んでこないように「利上げをするという判断が出来るということは、それだけ経済が金融危機からの回復が進んでトラウマから治癒されたという証拠です(キリッ)」という屁理屈(まあ理屈ではあるが)を投入しているのがチャーミング。

 『That said, the importance of the initial step to raise the federal funds rate target should not be overemphasized. What matters for financial conditions and the broader economy is the entire expected path of interest rates, not any particular move, including the initial increase, in the federal funds rate.』

であるからして、利上げの時期がいつなのか、という話よりも重要なのは今後の経済見通しに基づく正常化実施のパス全体である、というお話を例によって例のごとく打ち込んでいますが、まあそうは言っても市場的には最初の時期重要なんですけどねえ。

 『Indeed, the stance of monetary policy will likely remain highly accommodative for quite some time after the first increase in the federal funds rate in order to support continued progress toward our objectives of maximum employment and 2 percent inflation.』

 利上げ着手開始しても政策は緩和的といういつもの話。

 『In the projections prepared for our June meeting, most FOMC participants anticipated that economic conditions would evolve over time in a way that will warrant gradual increases in the federal funds rate as the headwinds that still restrain real activity continue to diminish and inflation rises.』

 『Of course, if the expansion proves to be more vigorous than currently anticipated and inflation moves higher than expected, then the appropriate path would likely follow a higher and steeper trajectory; conversely, if conditions were to prove weaker, then the appropriate trajectory would be lower and less steep than currently projected. As always, we will regularly reassess what level of the federal funds rate is consistent with achieving and maintaining the Committee's dual mandate.』

とまあこの辺も従来の説明を踏襲していまして、正常化過程における利上げペースは緩慢なものになるという見通しになっていますよというお話とか、そうはいっても経済物価状況を見ながら正常化ペースは調整しますとかそんな話ですな。

 『I would also like to note that the Federal Reserve has continued to refine its operational plans pertaining to the deployment of our various policy tools when the Committee judges it appropriate to begin normalizing the stance of policy. Last fall, the Committee issued a detailed statement concerning its plans for policy normalization and, over the past few months, we have announced a number of additional details regarding the approach the Committee intends to use when it decides to raise the target range for the federal funds rate.』

 最後は正常化における技術的な対応可能性に関する話をしておりまして、少なくとも金融政策のパートでは新しい話をしないで、従来の話をきっちり踏襲する、という形でイエレンさん議長になってすっかり「政策委員会議長」としての立ち居振る舞いが板についてきましたなあという感想なのでありました。

 #ほかのパートについてどうしたというツッコミはしないでください(大汗)

お題「1年短国はまたもこの結果/ECBの買入は淡々と/先週のイエレン講演から少々」
 蟹さん・・・・・・・・・
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRH2WL6K50Y301.html
カーニー英中銀総裁:利上げ開始の時期は近づきつつある
2015/07/14 19:34 JST

ところで今朝はこの話だと思ったらいきなり7時の国営放送のマクラが「ライオンキングの公演1万回!」となったので一瞬腰が砕けましたが、さすがにトップニュースはこれでしたので砕けた腰も治りました(^^)。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150715/k10010151081000.html
安保法案 15日委員会採決で緊迫も
7月15日 4時28分


○1年短国は別世界ですなあ

昨日の1年短国
http://www.mof.go.jp/jgbs/auction/calendar/tbill/tbill_nyusatsu/resul20150714.htm

(3)募入最低価格 100円01銭1厘(募入最高利回り)(-0.0109%)
 (4)募入最低価格における案分比率 53.0555%
 (5)募入平均価格 100円01銭9厘(募入平均利回り)(-0.0189%)

はいはい別世界別世界という所で、マイナス1.89bpですかそうですかという結果なのですが、毎度おなじみのいわゆる不明玉が1兆円弱と微妙に中途半端なのですけれども、そうは言いましてもこんな利回りで1年FIXできるニーズがあるのかなとは????ではありまして、(モノとして必要なら3Mで十分じゃろ)何だかなあという感じではあるのですが、1年短国に関しては海外などのマイナスファンディングの世界の投資家さん以外の普通の投資家にとっては日銀とプライマリーディーラーに完全にシャットアウトされているような状態になっておりまして、それを債券流通市場と呼んで良いのかという気が昔からするのですが、何せ日銀としてはMB直線一気理論による馬鹿買入という設定があるので致し方なしという事ですな。

でまあMB直線一気理論が直線一気にワークしているのなら良いのですが、このMB馬鹿拡大によって国債流通市場がこの有様になっているという惨状にするだけの物価上昇をしているのかと小一時間問い詰めたい状態になっているのは今に始まった訳ではない次第でして、「長期の実質金利を下げて金融緩和効果」というのであればそもそも論としてもっと市場を殺さないで金利を下げる方法が無いのかもうちょっと考えろやヴォケとしか相変わらず申し上げようがないという所ではありますな。

まあ先週は6Mの短国入札があった週なのに短国買入が前週と同じという変化球が飛んで来まして、売参の都合から10日の短国買入では6Mが入らないで浮いていると思われる中で1年を強い所で入札するとなりますと、さすがに次の3Mは前回みたいな入札をすると短国買入で捌ききれないような気がしますので、1年短国は別世界として3Mが更に突っ込むようなイメージも無いんですけど良くわからん。


○ECBの買入残高の定例チェック

http://www.ecb.europa.eu/press/pr/wfs/2015/html/fs150714.en.html
 Consolidated financial statement of the Eurosystem as at 10 July 2015
 14 July 2015

http://www.ecb.europa.eu/press/pr/wfs/2015/html/fs150708.en.html
 Consolidated financial statement of the Eurosystem as at 3 July 2015
 8 July 2015

画面の体裁が変わって、もしかしてスマホ(持ってない)とかタブレット(持ってない)とかだと見やすいのかもしれんが、普通にPCでみると無駄に馬鹿でかくて一覧性が落ちているので見難くなったECBサイトですが・・・・・・・

先週のをネタにしていなかった気がしますのでついでに2週間分。

7/10残高と前週比増加額
CBPP3 EUR 98.2 billion +EUR 2.2 billion
 ABSPP EUR 9.3 billion +EUR 0.4 billion -
 PSPP EUR 216.3 billion +EUR 11.7 billion

 7/3残高と前週比増加額
CBPP3 EUR 96.1 billion +EUR 1.8 billion -EUR 0.3 billion
 ABSPP EUR 8.9 billion +EUR 0.3 billion
 PSPP EUR 204.7 billion +EUR 10.2 billion -EUR 0.6 billion

 7/3の残高に関しては謎の「with 26 June 2015 - quarter-end adjustments」というのがあって、四半期なので何か決算的な補正が入っているみたいなのですが、恥ずかしながらこの会計処理まで詳しく知らない(調べればわかると思うのだがまだ調べていませんすいません)のでそこはスルー致しますと、基本的には淡々と買入が進んでいる感じがします。

なおその前1か月分のペースは以下の通り(過去分再掲)ですのでペースが特に変わっていなあというのが分かるかと思いますが、「夏になると市場の流動性が落ちるからその前に買入を加速させる」といった発言は一体全体なんだったのかと小一時間と申しますか、今朝のモーサテでのコメントの人なんぞは「夏になるとユーロ圏の国債発行ペースが落ちるので金利が低下しやすくユーロ安(キリッ)」とか解説していて、そういうの一応配慮するって話をECB高官発言があったのは無かったかのような認識になっていますな。

などと悪態をついていますが、まあ上記のように買入のペースがそもそも論として前倒しになっていない以上、見通しとして考えるとなると「買入が淡々と続くのであれば発行が減る季節には国債の需給がタイトになります罠」という発想になる方が普通だと思いますので、別に悪態でもなんでもなくて、もともとややこしい話を始めたECBの方が悪いという事になると思いますがね(--;

6/26残高と前週比増加額
CBPP3 EUR 94.6 billion +EUR 2.5 billion
 ABSPP EUR 8.6 billion +EUR 0.3 billion
 PSPP EUR 193.9 billion +EUR 11.6 billion

 6/19残高と前週比増加額

CBPP3 EUR 92.1 billion +EUR 2.2 billion
 ABSPP EUR 8.3 billion +EUR 0.1 billion
 PSPP EUR 182.3 billion +EUR 11.9 billion

 6/12残高と前週比増加額

CBPP3 EUR 89.9 billion +EUR 2.6 billion
 ABSPP EUR 8.2 billion +EUR 0.7 billion
 PSPP EUR 170.2 billion +EUR 10.6 billion


 ○イエレン議長の議会証言前にこの前のイエレン講演を後半だけ(手抜き)鑑賞である

今更遅いですかそうですか(汗)。

http://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/yellen20150710a.htm
http://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/yellen20150710a.pdf
 Chair Janet L. Yellen
 At the City Club of Cleveland, Cleveland, Ohio
 July 10, 2015
 Recent Developments and the Outlook for the Economy

小見出しを並べますと

The Recovery from the Great Recession
 Current Conditions in the Labor Market
 Recent Inflation Developments
 The Outlook for the Economy
 Implications for Monetary Policy
 Long-Run Economic Growth

となりますが、最初のパートはまあどうでもよくて、その次3つのパートに関してですが、こういうのって労働市場や物価に関して新しい見解が出てくると「おー」となるのですが、議会証言直前にいきなりそういうのを騙し討ちで出してくるというのはよーやらんと思うので、手抜きで読みたければ最後の2パートを読むあるヨロシということで・・・・・・・・・・

・説明は手堅いですなあ

『Implications for Monetary Policy』から

『My own outlook for the economy and inflation is broadly consistent with the central tendency of the projections submitted by FOMC participants at the time of our June meeting.』

ということで、6月FOMCで示された中心的な見解とほぼ同じ経済物価情勢に対する見方をしていますと発言していて、議長になる前のイエレンさんは時々独自見解を飛ばしてくれてハトイメージが強い人でしたが、議長になってからは「FOMCにおける中心的な見解の伝道師」という感じになっている(腹の中でどう思っているのかは兎も角としてこのような形で出てくるものに関しては)のは、政策委員会の議長としては当然ちゃあ当然なのですが、もうちょっとファンキーに出てくるのかという期待(?)も世の中的にはありましたよね。あたしゃイエレンさんって議長としては実に手堅い人だと思うしこれで良いと思いますけど。

 『Based on my outlook, I expect that it will be appropriate at some point later this year to take the first step to raise the federal funds rate and thus begin normalizing monetary policy.』

でまあこれがヘッドラインになっていた奴ですが、そらまあSEPの中心的な見解と同じだったら年内利上げの方が圧倒的な意見なのだからそうなるわなということで、ヘッドライン的には話題になっても市場的には「まあそういう罠」という反応になるんでしょうな。

 『But I want to emphasize that the course of the economy and inflation remains highly uncertain, and unanticipated developments could delay or accelerate this first step.』

 先行きはとても不透明なので、不測の事態が起きたら・・・・・と言う話の部分でもまあ手堅いなあと思うのは、ここの後半の部分がたとえば「unanticipated developments could ”change” this first step」みたいな表現にしちゃうと「不透明なので利上げ先送りを示唆ヒャッハー」と反応されてしまうのを警戒してわざわざ「could delay or accelerate」とか表現する辺りの細かさというか手堅さというかで、相当注意深く書いているなあというのがアタクシの印象ですがどうでしょうかね。

 『We will be watching carefully to see if there is continued improvement in labor market conditions, and we will need to be reasonably confident that inflation will move back to 2 percent in the next few years.』

で、労働市場が継続して改善することと、物価が「in the next few years」に2%戻るのが「reasonably confident」であれば正常化ステップという事ですので、この辺も同様ですし、別に物価が2%にならなくても普通に正常化ステップに入るという話。

 『Let me also stress that this initial increase in the federal funds rate, whenever it occurs, will by itself have only a very small effect on the overall level of monetary accommodation provided by the Federal Reserve. Because there are some factors, which I mentioned earlier, that continue to restrain the economic expansion, I currently anticipate that the appropriate pace of normalization will be gradual, and that monetary policy will need to be highly supportive of economic activity for quite some time.』

でまあ最初の利上げ時期よりもその後の利上げペースという話も強調するのだが、そうはいっても実際に利上げするとなるとベース金利に跳ねてくる話だから直前になって来ると時期がどうのこうので市場が反応するのは仕方ないと思うの。

 『The projections of most of my FOMC colleagues indicate that they have similar expectations for the likely path of the federal funds rate. But, again, both the course of the economy and inflation are uncertain. If progress toward our employment and inflation goals is more rapid than expected, it may be appropriate to remove monetary policy accommodation more quickly. However, if progress toward our goals is slower than anticipated, then the Committee may move more slowly in normalizing policy.』

この辺も声明文通りの話をしていて実に手堅いのですが、まあ超自信満々だったらもうちょっと強いトーンの話が出てもおかしくないとは思うので、そこまでではないんだろうなあとは思いますが、議長になってからのイエレンさんってあまりこの辺についてバイアス掛けてこなくなったのでこの声明文棒読み体制をどう解釈するのかは受けてによって幅があるかも。


・最後の部分では結局の所「生産性の向上が必要」という話なのでそれはつまり・・・・・・・・・・

最後が『Long-Run Economic Growth』でありまして・・・・・・・・・・・・

『Before I conclude, let me very briefly place my discussion of the economic outlook into a longer-term context.』

ほうほうそれでそれで?

 『The Federal Reserve contributes to the nation's economic performance in part by using monetary policy to help achieve our mandated goals of maximum employment and price stability.』

そんな事は言われんでもわかっとるんじゃ。

 『But success in promoting these objectives does not, by itself, ensure a strong pace of long-run economic growth or substantial improvements in future living standards. The most important factor determining continued advances in living standards is productivity growth, defined as the rate of increase in how much a worker can produce in an hour of work. Over time, sustained increases in productivity are necessary to support rising household incomes.』

 長期的かつ持続的な成長に関して一番重要なファクターは労働生産性の向上であるという話が来ました。

 『Here the recent data have been disappointing.』

アイヤー。

 『The growth rate of output per hour worked in the business sector has averaged about 1-1/4 percent per year since the recession began in late 2007 and has been essentially flat over the past year. In contrast, annual productivity gains averaged 2-3/4 percent over the decade preceding the Great Recession.』

 労働生産性の伸びが弱くなっていると。

 『I mentioned earlier the sluggish pace of wage gains in recent years, and while I do think that this is evidence of some persisting labor market slack, it also may reflect, at least in part, fairly weak productivity growth.』

で、賃金の上昇が弱いのは労働市場のスラックがまだ経済に残っているからというのが主因とみられるが、要因の中に労働生産性の向上が弱いという面も反映している可能性があるという指摘がキタコレなのです。

 『There are many unanswered questions about what has slowed productivity growth in recent years and about the prospects for productivity growth in the longer run.』

でまあこの2007年後半以降の生産性の伸びの弱さに関してや、今後のロンガーランでみた場合の生産性の伸びがどうなるかという見通しに関してについてはまだ解明されていない点が多いという話をしていますな。

 『But we do know that productivity ultimately depends on many factors, including our workforce's knowledge and skills along with the quantity and quality of the capital equipment, technology, and infrastructure that they have to work with. As a general principle, the American people would be well served by the active pursuit of effective policies to support longer-run growth in productivity. Policies to strengthen education and training, to encourage entrepreneurship and innovation, and to promote capital investment, both public and private, could all potentially be of great benefit in improving future living standards in our nation.』

ということで、纏めの所では生産性向上の為に労働者のスキルを上げたり、起業やイノベーションを活発化させたり資本投資を活発化させるとか色々な施策をすべき、という話で纏めているのですが、労働者のスキル向上がという話の部分では(このパートでは触れていませんが)従来からイエレンさん(だけではなくFEDの高官のほとんど)が言ってるのが「長期失業者の増加は(該当者のスキル喪失によって)労働者の平均スキルを下げる」という話をしている訳でして、その前に生産性向上が弱いと賃金が上がりにくい可能性についても指摘しているとなりますと、このあたりの労働市場の指標についても単なる労働市場のスラックだけではなくて、中長期的な経済の生産性という面でも留意していますよ、というメッセージになっていますなと思いましたがどうでしょうかね。

つまりですな、労働市場のデータが質的(というのはここで指摘されている労働生産性向上に繋がるようなという意味での)改善を示すのが遅いとなると、経済の生産性向上が弱いので、必然的に賃金や物価への上昇圧力が弱くなるので、初回利上げはともかくとしてロンガーランの均衡金利やら利上げペースやらにも押し下げ圧力が掛かるし、裏を返せばそのあたりの労働関連の指標の質的な改善が進むともっとFEDは自信満々モードになって来てうっかりすると利上げペースとかも速くなるという事を説明しているのではないかなどと思ったりする訳で、雇用関連の指標ではヘッドラインの数字よりもそちらの質的指標を見ていきますよという話をしている(ただしマンデートの関係でロンガーランの失業率というのを出している以上失業率のヘッドラインを軽視はできないと思うけど)ように見えましたぞな、というのが後半部分のポイントだったのかなあ等と思うのでした。

 #前半はどうしたというツッコミをしないように(^^)