資産形成の手段として「インデックスファンド」が注目されています。
日経平均やS&P500などの株価指数に連動するこの投資信託は、低コスト・分散投資・長期保有向きという点で、世界的には広く普及しています。

しかし、日本では特に銀行や証券会社の「対面販売」を通じて投資信託を購入する場合、インデックスファンドはあまり紹介されません。

なぜ、合理的な商品であるはずのインデックスファンドが、対面販売では広まらないのでしょうか?

理由① 販売側に「儲け」が少ない

インデックスファンドの最大の特徴は何といっても低コスト
信託報酬は年0.05〜0.3%程度と非常に安く、投資家にとっては魅力的です。
一方、販売側(銀行・証券会社)にとっては「儲からない商品」と言えます。

たとえば、アクティブファンド(運用担当者が選別投資を行う)では信託報酬が年1.0〜2.0%かかることが多く、さらに販売手数料(購入時手数料)として3%程度取れる商品も存在します。

つまり、同じ100万円分の投資信託を販売する場合でも、インデックスファンドではほぼ利益が出ないのです。

理由② 「顧客利益」より「営業ノルマ」

対面営業の世界には、ノルマがあります。
ノルマという言葉はよく聞こえないかもしれませんが、営業目標数字とほぼ同じでしょう。
「今月中に〇〇万円分販売しないと人事評価に響く」というプレッシャーが常に存在しています。

その結果、販売しやすくて手数料収入の多いアクティブファンドなどが優先されがちです。
加えて、数字のノルマの他に、「商品のノルマ」も存在します。
会社を上げて、特定の投資信託を販売するなどが一例です。

「長期的に顧客にとって良い商品」であるインデックスファンドは後回しにされるのが現実です。

理由③ 販売現場に「知識・意識」が乏しい

インデックス投資は、「地味だが合理的」な運用です。
派手なストーリーもなく、「年利5〜7%を目指してコツコツ積立」と言っても、多くの営業マンにとっては説明しづらく魅力が伝えにくいことがあります。

さらに、販売側には資産形成を手伝うという余裕がないことも挙げられます。
先述の通り、ノルマが存在する以上、一度の投資で大きな収益を期待する以上、毎月少額の投資信託を投資してもらっても、ノルマには程遠い収益額となります。
営業員自身が投資をしていないケースも多く、「長期投資・分散投資の本質」を理解していないまま営業している実態もあります。

理由④ 顧客側も「華やかさ」を求めがち

投資初心者は、どうしても「最近上がっているテーマ」「流行りの商品」「高配当」など、目立つキーワードに惹かれます。

さらに、大手金融機関が取り扱う金融商品などは特別なものがあると勘違いしている投資家もいます。

それと比較して、インデックスファンドは目立たず地味な存在かもしれません。
対面営業では「話題性」「目新しさ」がある商品でないと顧客の心をつかみにくいため、販売員側もインデックス商品を積極的に勧めづらいのです。

ではどうすればいいのか?

一言でいえば、「自分の頭で判断できる投資家になる」ことです。
インデックスファンドを使いたいなら、ネット証券など販売手数料無料(ノーロード)・低コスト商品が揃った環境を選ぶのが基本です。

そして、販売員のセールストークではなく、自分自身のライフプランと資産形成の目的を軸に判断する視点が必要です。

まとめ

インデックスファンドは、販売する側にとって「儲からない商品」です。
だからこそ、自分の資産を守るために自分で選ぶ力が重要になります。

「地味だけど堅実な道」を選べる人が、結局は投資で勝つ人なのかもしれません。

このコラムはアクティブファンドを否定するためのものではありません。

 

中には、コストが高くても素晴らしいパフォーマンスを誇るアクティブファンドも存在します。

それらもポートフォリオに組み込んで資産形成していくことも市場平均並み、またはそれ以上の成績を期待できるかもしれませんが、まずは、親身になって相談に乗ってくれるアドバイザーに相談することが一番の近道です。

相談料の代わりにファンドを買い付ける際の手数料がかかるケースもあるかもしれませんが、何もわからないまま取引を始めるよりも、しっかりと勉強して取り組むための費用と理解して、資産形成に取り組むことをお勧めします。

 

FPドットコムではライフプランから資産形成の提案をしてくれるアドバイザーをご紹介していますので、お気軽にご相談下さい。

 

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