ここ数年、好調な株式市場の動きを受けて、新しくなったNISA制度を活用し始めた人が増えました。
つみたて投資の効果や非課税のメリット以前に、買い付け後から資産が増えていくこと実感できた人も多かったでしょう。

しかし、「トランプ関税ショック」を受けて、このまま投資を続けてもいいのか?と思うようになった人も少なくないようです。
そもそも、見通しが甘かったと言いえばそれまでなのですが、この機会に「投資しすぎ」になっていないかを考えてみましょう。

 

NISAは「非課税の器」、リスクはゼロではない!

NISAは、利益に対する税金がかからないという点が大きな魅力です。
つまり、「利益が出たら税金が非課税になる制度」であって、「損をしない制度」ではないということを理解しておく必要があります。

投資にはリスクとリターンが表裏一体でついてくる

非課税だからといって、リスクまで免除されるわけではありません。
短期的な価格変動によって資産が大きく減ることもあります。
特に最近では「トランプ関税ショック」という急激な株価が下落するということもありました。
今まで順調すぎただけ、と長い目で考えられれば良いのですが、多くの人が落胆し、狼狽したとも耳にします。
投資をしなければよかったと思う人の多くが、過去のリターンのみに目を奪われてリスクを甘く見ていたためだと言えます。
また、投資とは長期・分散が原則になるので、目先の動きに一喜一憂するのも精神的に良くありません。
NISAを利用している人にしても、投資額が多すぎたということもないでしょうか?

 

収入に対する投資額の目安は?

まずは許容できるリスクを知る!

自分の所得に対して、どこまで投資に回してもいいかを知るには、まず「リスク許容度」を把握することが大切です。

投資にはリスクと同じくらいのリターンがあると考えて欲しいのです。
10%のリターンがあるとした場合、短期的には同じくらい下落することがあると考えて投資することが前提となります。

つまり、自分が投資した金額、積み立てている資産が短期的に何%下落しても耐えられるかということを想像した上で投資をするということになります。

手取り収入をベースに投資額を決める

NISAはiDeCo(イデコ)などとは異なり、投資した時点での税制の優遇などはありません。
手取り収入から拠出して投資することになるので、手取り収入のうちどれくらいの額を投資に回すべきかを考えましょう。
多くのFPが手取り収入の10%~25%の範囲での投資を進めていますが、これは収入の額によって異なるので、きちんとマネープランを立てることが非常に重要になります。
積立投資の場合には、毎月の積立額が多いかな?と感じたら、金額を下げることも一案です。
例として、手取り収入が300万円の人・世帯の場合には、毎月の積立額は3万円程度からとなるでしょう。

あくまでライフイベントに基づいて決める

手取り収入のうち、投資に回す金額は15~25%程度が一般的な目安とはお伝えしましたが、「近いうちに必要な資金(生活費・すぐに使う教育費・医療費など)」は投資に回さず別に確保するのが鉄則です。
これらが確保できないのに、投資に資金をつぎ込むのは絶対に避けましょう。

【再確認】下落相場を「精神的に耐えられるか」が重要

前述しましたが、並べ立てた数字だけではなく、「気持ちのゆとり」も大切です。

値動きチャートを見て、「このくらい下がっても平気」と思えるかを確認していても、実際に急落相場に出くわすと不安になるかも知れません。
しかし、相場の動きに一喜一憂して振り回されるようなら、投資額や商品構成を見直すべきタイミングかもしれません。

 

まとめ:NISAを上手に使う3つのチェックポイント

  1. 生活費・緊急資金を確保したうえで投資する

  2. 投資額は「手取り収入の15~25%」を目安に

  3. 下落時のメンタルも含めて「自分の許容度」を投資後に再確認

NISAは、長期・積立・分散という資産形成の王道を後押ししてくれる素晴らしい制度です。うまく使えば力強い味方ですが、無理をすれば逆に家計を圧迫したり、精神的に不安にさせてしまうこともあります。

家計と投資のバランスを見直すタイミングは頻繁でなくても構いません。
日々の生活を安心して迎えながら、資産形成していくために投資・資産運用との程よい距離感”を見つけましょう。

 

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