こんにちは。今回は「混ぜると機能性が劇的に良くなる」そんな有機結晶に関する論文をSOAが紹介します。
よく洗剤なんかでは、「まぜるな危険」なんて表記をよく目にしたことがあると思います。有害なガスが発生するので、皆さん絶対にやらないでくださいね!(フリとかじゃなくマジでやめてください)
有機結晶界隈では混ぜて結晶を作ると思いもよらない機能を授けてくれるそんなこともあります。
論文(Angew. Chem. Int. Ed. 63, e202411911 (2024).)では、有効な光増幅が得られなかった単結晶に、異なる分子を混ぜて結晶作成することで、光増幅による発光が確認できたそうです。
CNDSBの単結晶では、分子平面が重なり合ったようなπスタック構造を取ります。この構造は光増幅には不利とされます。著者らは、CNDSBと呼ばれる分子と「水酸基を有した分子」を混ぜて共結晶を作製しました。結晶構造中ではCNDSBの間に「水酸基を有した分子」が入ることで、CNDSB分子同士が重なり合わない結晶構造でした。この結果、共結晶からの光増幅を達成しています。
詳しいデータは論文に記載されているので、ぜひ読んでみてください!
個人的には、水素結合性部位を効果的に利用した、シンプルな分子構造によるアプローチ法に惹かれました。
Simple is best!!
以上、「まぜるとお得」でした!!
P.S. 強い光当てて、偏光依存性の測定は結晶が痛んでいないのか気になる