お久しぶりです。M1のKEYです。

 

厳しい寒さの冬を越え、春が待ち遠しい時期になりましたね。

2024年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

本日は研究室内で雑誌会を行ったため、ブログで論文を紹介したいと思います。

タイトルは以下の通りです。

 

この論文は、「3種類の光応答を示す機能性分子結晶の合成」について報告しています。

光は外部刺激の中でも優れた操作性をもつために、光に応答性を示す材料の開発は長年注目を集めています。

しかし、有機結晶の光応答は分子の異性化や二量化などの大きな構造変化を駆動力とするため応答性を精密に制御することは非常に困難となっています。

そこで、筆者らはこの課題を解決するために、アゾベンゼンとジオキサンで構成された共結晶合成による新たな光応答性分子結晶の合成を試みました。

光照射により、アゾベンゼンはシス–トランス異性化を、ジオキサンはハロゲン結合の切断を示すため、この共結晶は構造中に光駆動点を2箇所設置することができます。

この合理的な分子設計によって、筆者らは照射強度の違いによって3種類の光応答を示す機能性分子結晶の開発に成功しました。

 

シンプルな分子設計で結晶を作製しているにもかかわらず、緻密な駆動点のエネルギー制御によって複数の光応答が成立しており、非常に感銘を受けました。また、ポリマー材料と比べて低出力の光での応答を示すため、代替材料としての優位性を有している点も興味深いと感じ紹介させていただきました。

 

雑誌紹介は以上となります。

最後までご覧いただきありがとうございました。