みなさんお久しぶりです、M2のHITです。
そろそろ別れの季節が近づいてきました。
さて今回は、雑誌会で紹介した論文をブログしていきたいと思います。
今回はオリゴシランを用いたエキシマー形成の制御についての論文を紹介しました。
ポリマーの変形や温度をモニターするために、機械的および熱的刺激を可逆的かつ比抵抗的に表示することができる蛍光色素Sin-Py(n= 1-3)を合成した。Sin-Pyの蛍光はリンカーの長さによって制御され、Si2-PyとSi3-Pyはジシランとトリシランのリンカーによって、顕著なエキシマー発光を示した。 Si2-PyとSi3-Pyにポリウレタンを共有結合させると、それぞれ蛍光性ポリマーPU-Si2-PyとPU-Si3-Pyが得られ、ピレンエキシマーとモノマーの複合発光が得られた。PU-Si2-PyおよびPU-Si3-Pyのポリマーフィルムは、異方性張試験において、一定かつ可逆的に変化する蛍光を示した。このようなメカノクロミックな反応は、機械的に誘起されたピレンの分離と緩和の間に、エキシマー形成が可逆的に抑制されたことに起因する。さらに、PU-Si2-PyとPU-Si3-Pysは、温度に対して熱変色反応を示し、温度関数としてのレシオメトリック発光の変曲点は、ポリマーのガラス転移温度(Tg)の指標となる。オリゴシランを用いたエキシマベースのメカノフォアの設計は、機械的および熱二重応答性ポリマーを開発に寄与するだろう。
メカノクロミズムも近年、生体内にドープしたり、セルロースと複合してセキリティペーパーへ応用するなど目覚ましい発展を遂げました。中でも本研究は、そんなメカノクロミック材料の簡便な設計案を提供しており、今後この領域の更なる発展に寄与することが期待されています。やはり、自分の研究はメカノクロミズムから始まったこともあり、今後もこの研究領域から目が離せません。
それでは皆様、近頃冷えが厳しくなってきましたので体調にはお気をつけてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。