お久しぶりです。M1のKEYです。

今年もはや半分が過ぎましたが、いかがお過ごしでしょうか。

私たちの住む高知ではようやく梅雨が明け、晴天の日々が続いております。

だんだんと暑さが厳しくなりますが、皆様もどうか夏バテなどになりませんようお気をつけ下さい。

 

さて、本日は雑誌会について報告します。今回は、ハロゲン結合を利用した形状記憶ポリマー合成についての論文を紹介しました。タイトルは以下の通りです。

 

形状記憶ポリマー (SMP) は、ガラス転移温度 (Tg) 以上の加熱や冷却など特定の条件下で別の一時的な形状へ変形・固定が可能であり、その後、適切な外部刺激 (熱・光など) を加えると元の形状へ回復するポリマーを指します。このような可逆的な形状変化により、SMPはイヤホン用のイヤーピースやメガネの鼻当てなど様々な製品へ応用されています。最近、特に注目を集めているものが体温応答性SMPです。体温応答性SMPは、文字通り人の体温に応答して動作するSMPであり、ドラッグデリバリーや埋め込み型デバイスなど生体材料としての応用が期待できます。しかし、従来のSMP材料は動的な共有結合を形状記憶の駆動力としていたため、外部刺激に対する応答性が鈍く、体温に応答性を示さないという課題がありました。本論文では、新たなSMPの駆動力としてハロゲン結合に着目し、ポリマーネットワークをハロゲン結合で架橋することによって体温応答性超分子SMPの合成に成功しています。この体温応答性SMP材料は、負荷に対する優れた耐久性と形状回復性をもつだけでなく、水中環境下にも適応可能であり、ハロゲン結合を採用した超分子SMP材料の設計における新たな指針となることが期待されています。

 

普段は低分子で構成された柔軟性結晶について研究しており、あまり高分子の研究とは縁が無いのですが、最新の柔軟性材料について興味があったためこの論文を選びました。この記事を通して、今後の研究における参考になれば幸いです。

 

最後までご覧いただきありがとうございました

 

KEY