お久しぶりです、M2のHITです。
もうそろそろ夏の本番8月が近づいてきテそわそわしている反面
沢山の蚊に刺されてしょんぼりしています。
おすすめの最強の虫除けがあればぜひ教えてください!
さて今回は、雑誌界で紹介した論文をブログしていきたいと思います。
今回は液晶性高分子を用いたドラッグデリバリーシステム(DDS)についての論文を紹介しました。
液晶ポリマー(LCP)は、液晶ポリマーと液晶ポリマーの中間のユニークな構造を持つ。中でも液晶―等方性相転移は、その組織構造と運動性を急激に変化させることができる生体膜の性質と似ている。このようにLCPには多くの応用の可能性があるにもかかわらず、薬物送達のような医療用途への使用に関する研究は報告されていない。本研究では、医療応用のために両親媒性の側鎖型LCP(LCP-g-OEG、OEGはオリゴ(エチレングリコール))を合成し、LCP-g-OEG360が体温でネマチック-等方相転移を起こすことを明らかにした。LCP-g-OEG360は水性媒体中で直径約130 nmのミセルを形成した。このミセルは安定で、温度がネマチック-等方相転移温度(TNI)を超えても、水性媒体中で解離することはなかった。モデル薬物である色素のミセルからの放出はTNIより低い温度では抑制されたが、TNIより高い温度では色素の放出が劇的に促進された。LCP-g-OEG360ミセルは、標準的な温度応答性ミセルの挙動とは異なり、解離を起こすことなく、温度の段階的変化に応じて可逆的に色素放出を制御した。この温度応答性色素放出挙動は、ネマチック-等方相転移の結果、よく組織化された動的構造が劇的に変化することによって誘導される。これらの結果から、LCP-g-OEG360ミセルの可逆的刺激応答性薬物キャリアとしての医療応用が期待された。
前回に引き続き液晶性高分子の生体内応用系の論文を紹介しました。液体と固体の中間的な性質を示す液晶のユニークさに惹かれてはや半年が経ちました。しかし、液晶と生体内の関係の密接さは毎回興味をそそられるものがあります。
それでは皆様、夏風邪にはお気をつけてお過ごしください。
最後までご覧いただきありがとうございました。