「 はぁっ、はぁっ・・・」

 

洗浄下の扉を開く。

 

その中には割れたガロンビンが立つ、そんな姿を見つけた。

 

「待って・・・!!」

 

慌ててメンバーを集め、指をさす。

その指は、初夏の蒸し暑い空気に反して冷たかった。

 

 

「誰だよ」

 

鳥の音に似た、儚くて美しい声。

 

 

「なんで、また、ガロンちゃんが・・・!」

 

「どうして・・・!」

 

彼は割れたガロンビンを見ているとき(僕には虚空を見つめているようにしか見えないが)、まるで恋をしている男の子のような表情をした。まるで、それは梅干しを食べた時のように甘酸っぱくて。

 

「次回からは気をつけよう」

 

「!ごめん・・」

 

誰しも一度は過ちを起こしてしまう生き物だ。でも、同じことを繰り返さないように進み続けないとね。

 

夕焼けに向かって僕らはそれぞれの家路についた。。

 

著:YUH