ゴッドロン再び ②
あの3連結ジョイントルアーを見て
「これはバチ抜けで絶対釣れる!」
僕は確信を持っていた。
すぐさま工房で様々なプロトを試作して
何故リップも無いのにウネウネと動くのかを
徹底的に検証した。
ひたすらバルサ材を削り続け
そして約1ヶ月、延べ30個位試作する事で見えてきた黄金率。
ルアーの持つ「浮力」
適正な位置に配置したウエイトの「重心」
そして3連結ピース間で起こる「水流の噛み方」
この3つの要素をバランス良く纏める事
最終的には流体力学まで調べた程。
そしてかなりスローでも魅惑的なスネークアクションを
ボディ重量5gにアップした上で出す事が出来た!
僕は居てもたっても居られず
まだ何のコーティングすらしてないプロトを持って
「アノ川」へと向かった。
あれから一月経ってバチパターンとしては後半戦
夕方の水面には小さなバチが遊泳し
時折水面ではライズらしき波紋も見える。
ライズがあった付近にプロトをキャスト。
「ウネウネ・・」
「ボシュ」
アッサリ釣れてしまった・・(写真は別日のです)
そして怒涛の入れ食いが始まる
ボイルした所にキャストすれば100%バイトするし
水面が明るい所を通せば浮いてくるシーバスが見えるほど!
数時間続く入れ食いに最後の方は
外すのがめんどいのでフックを外してバイトだけを楽しんだ。
もうパターンも何も無くなってしまい
バチにボイルしてるシーバスなのに
ダウンから巻き上げてきてもバイトする始末・・
「こんなルアー公開してはダメだ・・」
傲慢でも無く本気でそう思った。
シーバスが居なくなると真剣に考えてしまう程の釣果
試しに持ってきた様々な既製品ルアーをキャストしても
全然反応は無いのにプロトに戻すと一発。
こんなの僕でなくたって怖くなる。
結局バルサボディが水を吸い、度重なるバイトで
プロトが木屑になるまで釣れ続けてしまった・・
帰宅して風呂に入りながら考える。
本当にこのルアーは万能なのか?
たまたま良いタイミングだったのでは?
僕は様々なポイントや条件でこのルアーを試して
データーを集める事にした。
そして数個のプロトモデルを作成し
ゴッドロン再び③に続きます。
三道 竜也