スズメ目シジュウカラ科シジュウカラ属
学名 Parus minor
和名 シジュウカラ
英名 Japanese Tit
【分布】
東アジア、ロシア極東地区、日本に分布。
8亜種に分類。
日本では4亜種が留鳥として分布。
◆Parus minor minor 基亜種 亜種シジュウカラ
アムール川流域から朝鮮半島・長江流域・四川省、日本(北海道、本州、四国、九州、壱岐、隠岐、対馬、伊豆諸島、五島列島、佐渡島)、樺太に分布。
◆Parus minor amamiensis 亜種アマミシジュウカラ
日本(奄美大島、徳之島)に分布。
◆Parus minor okinawae 亜種オキナワシジュウカラ
日本(沖縄島、座間味島、屋我地島)に分布。
◆Parus minor nigriloris 亜種イシガキシジュウカラ
日本(石垣島、西表島)に分布。
◆Parus minor commixtus
中華人民共和国南部、ベトナム北部に分布。
◆Parus minor dageletensis
韓国(鬱陵島)に分布。
◆Parus minor nubicolus
タイ王国北部、ミャンマー東部、インドシナ北西部に分布。
◆Parus minor tibetanus
中華人民共和国中南部からチベット南部・ミャンマー北部に分布。
【生態】
低地、低山帯、山地の常緑広葉樹や落葉広葉樹林、樹木の多い公園や住宅地、市街地など幅広い環境に生息。
樹林内で比較的下層部で採餌を行う。
樹木の幹、根本、林床、藪の中、落ち葉だまりで採餌を行うことが多い。
貯食は行わず、他のカラ類の貯食を奪う。
食性は雑食。昆虫類、クモ、種子、果実、木の実を採食する。
秋冬は他のカラ類・キツツキ類、エナガ、キクイタダキなどと混群を形成する。
主に樹洞だが、巣箱、石垣、未使用の植木鉢、家屋の隙間、袋戸などにも営巣。
「ツピーツピーツピー」と囀る。
「ジュジュジュジュジュ」という警戒音も出す。
それらの声を組み合わせた「言語」に近い声のコミュニケーションを行う。
混群の他の鳥たちも、本種の「声」で警戒や安寧の確認などで活用する。
【サイズ・形態】
全長14.5㎝ 翼開長22㎝。
頭頂~後頚部は青みがかった黒。
目先、喉、上胸、頸襟が黒、頭部の黒とつながる。
囲まれた頬は白。
後頚部に白い斑があり、そこから背は黄緑がかった青灰色。
上尾筒は、濃青灰色。
尾は中央尾羽は濃青灰色、最外側尾羽は外側が白。
風切は黒、初列風切羽・次列風切羽の外縁は青灰色、三列風切の羽縁が白。
大雨覆は黒、先端部は白。中雨覆、小雨覆は青灰色。たたむと白の翼帯が1本入る。
下面は灰白色。脇はオリーブ色。
胸の中央から腹部の中央、下尾筒に達する黒い帯が入る。
オスとメスで黒い帯の幅に差があり、オスは太い。
クチバシは黒、脚は淡褐色。
【その他】
1997年(H9年)~2014年(H26年)に販売された70円切手の意匠に採用。
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<ここから鳥の写真>
『シジュウカラ(Japanese Tit)』
もともとヨーロッパや北アフリカに生息するグループや東南アジアに生息するグループを含め、1種の「シジュウカラ」とされた分類であったが、近年、それぞれ、別種という扱いになった。
本種とヨーロッパ種が交じり合うアムール川流域では、それぞれが雑種にならず共存している。
本種は上述した「言語」の利用が特徴です。
NHKの「ダーウィンが来た」でも、放送されたので、ご存じの方も多いと思います。
京都大学の鈴木博士の研究では、20の単語(声)の組み合わせで175以上の文章を扱ってコミュニケーションをとっている。
そうです。
実際に、シジュウカラを撮影していて、いわゆる警戒音の、強い「ツピッ」、「ジュジュジュ」とともに混群がすべて飛び去ったり、と、そんな経験をされた方は多いのではないでしょうか?
実際に、知らずに巣に近寄って、警戒音出し始めたら、伴侶がすぐに飛び戻っていたりするのも経験したことがあります。
本種のそんな生態は非常に興味深いですよね。
最も身近な野鳥の本種の写真をどうぞご覧くださいませ。
次は「ルリガラ」「ヒゲガラ」「クビワコウテンシ」「コウテンシ」の順番ですが、見たことがないのでスキップします。
次回は「ヒメコウテンシ」になります。
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