スズメ目モズ科モズ属
学名 Anius cristatus
和名 アカモズ
英名 Brown Shrike
【分布】
ロシア中央部~東部(シベリア)、カラフト、モンゴル、中国北東部、朝鮮半島、中国南東部に分布。東南アジアやインド各地で越冬。
日本では、亜種アカモズ、亜種シマアカモズが分布。
4亜種に分類。
◆Lanius cristatus cristatus 亜種カラアカモズ
ロシア中央部~東部(シベリア)・モンゴル北部で繁殖。インド~マレー半島で越冬。
◆Lanius cristatus confusus 亜種ウスアカモズ
モンゴル東部ロシア南西部、中国北東部で繁殖。マレー半島やスマトラ島で越冬。
◆Lanius cristatus lucionensis 亜種シマアカモズ
中国東部、朝鮮半島、中国南西部で繁殖。
日本(九州南部~南西諸島)、フィリピン、ボルネオ島、スラウェシ島で越冬。
◆Lanius cristatus superciliosus 亜種アカモズ
サハリン南部、日本の中部以北で繁殖。
中国南東部、インドネシア東部、小スンダ列島で越冬。
【生態】
開けた森林、林縁、果樹園、草原、河川敷、海岸林周辺などに生息。
食性は動物食。
昆虫類、節足動物、両生類、爬虫類、小型の鳥類、小型哺乳類を捕食。
はやにえを行う。
樹上に枯草等で編んだ皿状の巣を作り営巣。
カッコウの托卵相手。
【サイズ・形態】
全長20㎝ 翼開長_㎝。
◆亜種アカモズ
頭部および上面は赤褐色。
下面は白、下腹部には赤褐色が混じる(個体差がある)。額、眉線は白。
過眼線は黒。
翼は黒、羽縁は褐色
メスは体側面に鱗状の斑が入る個体もいる。
クチバシは黒く太く、先端は鍵状。
脚は黒。
◆亜種シマアカモズ
頭部は灰色。
上面は灰褐色。
下面は淡褐色。
額および眉線の白色部は狭く不明瞭。
【その他】
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<ここから鳥の写真>
『アカモズ(Brown Shrike)』
本種は、いわゆる「昔は見た鳥だけどずいぶん減ったよね」と言われる1種です。
北海道大学の最新の研究が発表されました。
抜粋すると危機的な数字が並んでいます。
『2019年現在の亜種アカモズの繁殖つがい数は149つがい,成鳥の総個体数は332個体と推定されました。国内における本亜種の繁殖分布域は,現在では長野県と北海道にほとんど限られ,過 去 100 年間で 90.9%縮小したと推定されました。』
もはや、トキよりも危機的な状況と言える危険水位と言えると思います。
少々、2021年より、私も、本種のこの研究チームのメンバーに過去データや現在の観察記録の共有を行うことにしました。
その結果、本種の保全が進むことを願いつつ、実は、2021年から長野県の本種のつがいの確認数が大幅に減ってきたことも現実なのです。
10年前に1エリアに6~7つがいの確認がされた地域でも、1~2に減少したりと。。。
私もここ10年行って来た、農家さんへの本種の存在とその環境があることの素晴らしさなどの啓発活動も、浸透し始めて、上記研究グループは農協まで手広く話を広げてくれて、研究の協力体制も出来た矢先に、この減少傾向が起きてしまったこと・・・
それが、ものすごく残念で、かつ心配でなりません。
農家さんは鳥が嫌いな方が多く(作物を荒らす)、鳥の巣を落としてしまうことが多く、実際に本種の巣を落とした例を見たことから、本種やモズの有益性などを話して回りました。
農家のおばあちゃんに巣の場所を教えたら、孫を見るように毎日、気にかけて
親が餌を運び入れる姿を楽しんで切れたこともありました。
その時は、おばあちゃんが、今朝から巣の周りに雛がいると教えてくれたりと・・・
そんな思い出のある鳥が本種です。
かなり硬い記事になりましたが、日本の宝の、世界に誇れる鳥がいること、それがもはや種として存続するための限界数に達しようとしていることをお伝えできればと思い、筆を進めました。
亜種アカモズ と 亜種シマアカモズ を写真でご紹介します。
◆亜種アカモズ
富士山麓のアカモズ
信州のアカモズ
農家さんが草刈りしている後ろでハンティング
ブラインドからの撮影
巣立ち雛
北海道のアカモズ
◆亜種シマアカモズ
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本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。
今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。