キツツキ目キツツキ科アカゲラ属
学名 Dendrocopos leucotos
和名 オオアカゲラ
英名 White-backed Woodpecker
【分布】
ヨーロッパ東部、スカンディナイビア半島南部、コーカサス地方、シベリア南部、モンゴル、中国東北部、ウスリー地方、カムチャッカ半島、朝鮮半島、樺太、日本、台湾、中国東南部などに分布。
12亜種に分類される。
日本には4亜種が留鳥として生息。
◆D. leucotos leucotos - 基亜種 - ヨーロッパ北・中央・東部からアジア北東部、朝鮮半島、樺太に生息。
◆D. leucotos uralensis – ウラル山脈西~バイカル湖に生息。
◆D. leucotos lilfordi - ピレネー山脈からアムール川、コーカサスおよびコーカサス地方南部に生息。
◆D. leucotos tangi - 中国西部(四川省)に生息。
◆D. leucotos subcirris - 亜種エゾオオアカゲラ - 南千島、北海道に生息。
◆D. leucotos stejnegeri - 亜種オオアカゲラ - 本州北部・中部に生息。
◆D. leucotos namiyei - 亜種ナミエオオアカゲラ - 本州南西部、四国、九州に生息。
◆D. leucotos owstoni - 亜種オーストンオオアカゲラ - 奄美大島に生息。
◆D. leucotos quelpartensis – 済州島に生息
◆D. leucotos takahashii - 鬱陵島(韓国東部)に生息。
◆D. leucotos fohkiensis - 中国南東部の山地(福建省)に生息。
◆D. leucotos insularis - 台湾に生息。
【生態】
枯れ木の多い落葉広葉樹林や針葉樹林、混合樹林に生息。
食性は雑食。甲虫類の幼虫、節足動物、陸生貝類、果実、種子を捕食。
生木や古木に樹洞を掘って営巣する。
鳴き声は「キョッ キョッ」。
ドラミングの音はアカゲラよりも大きめ。
【サイズ・形態】
全長25-30㎝ 翼開長38-40㎝。
オスメスは頭部の色に差がある。オスは頭部に赤い斑。メスは黒。
目の周辺から頬、襟から下面にかけて白。
上面は黒、横紋状に白斑が入る。
体側面に黒い縦縞が入る。腹部や下尾筒はやや赤みを帯びる。
クチバシはやや長く色は暗灰色。
脚は暗灰色。
亜種エゾオオアカゲラ:上面の白斑が亜種オオアカゲラよりも大きく、下面は白みが強い。
亜種オーストンオオアカゲラ:上面は黒色部が多くて白斑が少なく、下面は暗褐色みが強い。
【その他】
亜種オーストンオオアカゲラは1971年に国の天然記念物に指定。
※類似種:アカゲラ
アカゲラは翼上面に白い大きな斑があるが、本種はない。
体側面に縦班がない、本種には縦斑がある。
********************************************************
<ここから鳥の写真>
『オオアカゲラ(White-backed Woodpecker)』
森を歩くと、ドラミングの音や「キョッ、キョッ」という声が聞こえてきます。
信州北部~新潟県県境は本種の密度が比較的高いので、MFの戸隠・飯綱、栄村、松之山では比較的見る機会の多いキツツキです。
体の大きさに似合わず、結構細めの枯れ木で営巣することもあります。
本種のようなサイズのキツツキの存在は、樹洞生活者にとっては、古巣の再利用に活用されることが多いです。
コノハズク、オオコノハズク、ブッポウソウ、カラ類、ムクドリ類、モモンガ、リスなど・・・
生態系の中で、食物連鎖という概念だけでなく、営巣場所の提供という側面を担う役目が本種ということになりますね。
秋にキノコ採りで山を歩いていると、地面や倒木を掘削したりして、虫探しに没頭している姿を見る機会が多いです。
実際に営巣シーンを観察していると甲虫類の幼虫など大きな栄養豊富な餌を持ってきたりします。
そんなシーンを中心に、各亜種をご覧いただこうと思います。
◆亜種エゾオオアカゲラ
◆亜種オオアカゲラ
メス
オス
◆亜種ナミエオオアカゲラ(未撮影)
◆亜種オーストンオオアカゲラ
********************************************************
本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。
今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。