ツル目ツル科ツル属
学名 Grus monacha
和名 ナベヅル
英名 Hooded Crane
【分布】
中華人民共和国東北部、ロシア東南部、モンゴル北西部などで繁殖。
日本、朝鮮半島南部、長江下流域へ南下し越冬。
世界の生息数はおよそ1万羽と推定されており、全体の90%近くが鹿児島県出水市(出水ツル渡来地)で越冬。
繁殖地域もシベリアの一部でクロヅルと重なっているため、自然交配でクロヅルと本種のつがいが1-2羽の幼鳥とともに出水に飛来し、その後も通称ナベクロヅルと呼ばれる交雑種が渡来している。
【生態】
沼地、湿原、河口、干潟、農耕地などに生息。
食性は雑食で、植物の根、昆虫、両生類などを採食。
越冬地では、水田の刈跡でイネの二番穂を採食するほか、出水ツル渡来地においては小麦やイワシなども給餌される。
10月中頃に飛来が始まり、3月中頃まで越冬。
【サイズ・形態】
全長約91-100㎝ 翼開長160-180㎝。
雌雄同色。
頭頂から眼先にかけて黒く細い毛状の羽毛に覆われる。
頭頂は裸出し赤。
頭部から頸部にかけての羽衣は白。
体部の羽衣は灰黒色。
三列風切が長く房状であり、静止時には尾羽が三列風切で覆われる。風切羽は黒い。雨覆は灰黒色。
虹彩は赤または赤褐色。クチバシは黄色みがあり、基部は灰褐色で、先端は淡黄褐色。
脚は黒か黒褐色または緑黄色。
【その他】
出水平野は1952年に「鹿児島県のツルおよびその渡来地」として国の特別天然記念物に指定。
主な越冬地である出水平野では他種も含め多数の個体が飛来し過密状態になっていることから、感染症による生息数の激減が懸念されている。
和名は鍋底についた煤の色ということで、ナベヅルと命名されたとされる。
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<ここから鳥の写真>
『ナベヅル(Hooded Crane)』
種小名 monacha はラテン語で「修道士の」の意で、頭部から頸部にかけての羽衣が修道士がかぶっていたフードのように見えることに由来する。
そうして意識してみると、本種の姿が「敬虔」に見えてきます。
出水ツル渡来地の万羽鶴の大半が本種のため、どうしても、軽んじられがちですが、世界の9割がここに集まる状況が異常=ここで見ることが出来ることが幸せ
そう思って、見ていきたいといつも思うのですが、少数派のツルを探し出すにあたっては、本種の絶対数が多過ぎて、正直、「邪魔だな~」と思ってしまう、人間の「性」を感じるんですよね~
どしゃっといる群れの写真は、その圧倒的な数を表現するのが難しいし、
なかなか群れから離れた個体や家族が映える場所で、素敵ポーズをとってくれることも運次第。
なかなかいい感じに撮れていないんですよね~
出水平野以外でも、三重県や千葉県?、石川県?で見たことがあります。
記憶が曖昧・・・涙
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本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。
今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。






