今回は一昨日に予告した通り、最近の蜜蜂減少の実際の難題になっている害虫の話です。
その害虫の名前は「ミツバチヘギイタダニ」です。
舌をかみそうな文字列ですが・・・
このミツバチヘギイタダニはミツバチに寄生すると「バロア病」を感染させるんです。
そのバロア病は、国際獣疫事務局(OIE)疾病リスト搭載 届出家畜伝染病指定(1999)という法的位置づけになっています。
わが出身校の玉川大学のサイト
(http://www.tamagawa.ac.jp/hsrc/contents/pages/note/bee-diseases.html )より
外部寄生性の吸血ダニによる感染症です.防除が必要な病気の一つで,原因となるミツバチヘギイタダニは,吸血による羽化不全(写真右のような翅伸不良を代表的な症状=縮れ翅),吸血孔からの細菌の感染による敗血症,ウイルスの媒介などを通じて,蜂群に大きな影響を与えます.このダニは,春期には雄蜂の蜂児で繁殖するため,ダニが発生していても蜂群への影響は限定的で気づきにくいことが多いです.ところが,夏になると,雄の生産が停止するため,大量のダニが一気に働き蜂の蜂児に寄生するようになり,多くの場合,重寄生となって寄生された働き蜂が羽化できないため,蜂群の壊滅など重大な被害につながります(夏の大発生)
上が健全なミツバチ 下がダニに寄生されたミツバチの外観
体表に成ダニを付着させた働き蜂が目につくようになるのが第一段階です.この時期には雄の蜂児を取り出すと多くの場合ダニが寄生しています.羽化不全の働き蜂が時折巣板上に見られるのが第2段階で,この段階で薬剤による防除が必要です.巣門前に蛹や翅の伸展不良の成蜂がが捨てられるようになるのが第3段階で,この段階ではかなりの働き蜂の蛹が寄生を受けていて,蜂群の壊滅も間近です.
巣箱の底にも捨てきれなかった羽化直前の蛹とダニの死体が大量に見られるようになっては,すでに投薬しても蜂群を救うことはできません.
末期状態になってしまうと大変なことになるこのダニ被害
山田養蜂場のサイトには、こんな内容が。
http://honey.3838.com/frombeefarm/vol_26.html
今年になってから新聞やテレビで、農作物の受粉用に貢献しているミツバチの不足について広く報道されています。その原因のひとつとして、ミツバチに寄生するダニが重大な被害を及ぼしていると考えられています。
そのダニの名前は、ミツバチヘギイタダニといい、雌の成体(親)は、体長約2ミリの楕円形で褐色。雄は体長1ミリの円形で乳白色をしています。ミツバチの幼虫が大きくなったときに、雌の親ダニが働き蜂に見つからないように巣房に侵入します。やがてその巣房に蓋がかけられ閉鎖空間になると、雌ダニがミツバチの前蛹(ぜんよう)(幼虫と蛹(さなぎ)の間の時期)から体液を吸い、産卵を行います。卵から孵った複数の子ダニは親ダニの保護のもとで育ち、1週間ほどで子ダニから親ダニになり、交尾をします。やがてミツバチが成虫になり巣房の蓋を開けて出てくるときに、ミツバチの体に便乗して外に出てきます。そして、違う巣房に寄生し、この繁殖行動を繰り返すことで爆発的に増加するのです。
正常に見えるミツバチでも、蛹時代に体液を吸われた働き蜂は、育児が上手くできなくなります。ダニが増えてくると1匹のミツバチの蛹に対し複数の親ダニが体液を吸い、成虫になれたとしても翅(はね)が縮れて飛ぶことさえできない奇形蜂になってしまいます。これらの蜂が、複数目に付くようになった頃は、深刻で巣の全滅が近いことを意味しています。恐ろしいこの小さな吸血鬼は、ミツバチの間にだけ起こるウイルス病までも媒介するのです。
このダニの対処方法は難しく、欧米では数百万箱以上ものミツバチが全滅したといわれています。実はこのダニの詳しい生態についてはよくわかっておらず、養蜂部では有効な対処方法を確立するために世界中の研究者と共同で基礎研究を行っており、ダニに抵抗性のあるミツバチの育種、ダニの習性を逆手にとった防除方法などを開発して、世界中の養蜂家を救うことをめざしています。
養蜂家の方々の日々の努力が巣箱管理にはあるんだということが分かります。
御苦労の上に、私たちは、ハチミツを口にでき、農産物を食べることをできるようになるんですよね。。。それを忘れずに・・・ですかね。
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<ここから野鳥の写真>
今年もハチクマを撮影できました。
このハチクマの撮影は、養蜂家の方にしっかりと確認許可を取り
観察する前日にメールで確認してブラインドの設置の許可を得て撮影をしています。
当然、養蜂家の方の敷地にての撮影になりますので
くれぐれも、安易に真似されて養蜂家の方とトラブルにならない様にお気を付けください。
この場所は、問い合わせいただきましてもお答えできませんのでご容赦ください。
今回も『ハチクマ』
この日は、ブラインドにじっくり入っての撮影でした。
途中でトイレと昼ごはんで抜けて。。。
ですが、そんな時間を短時間にしたくなるのが。。。こういう出会いがあるから
そして、それがいつ来るかわからないから。。。
この日は、前日に養蜂家の方とメールで連絡をとって
作業はしないということを確認
ある意味、作業していもらった方が助かるのですが・・・終日作業はまた困っちゃう
まあ、そんなこっちの都合に養蜂家の方も、ハチクマも合わせてくれません
で、この日は午前は不発
午後も夕立の30分前、夕方になってようやく^^
来ましたよ!!
狭くて暑くて腰に負担を与えながら・・・我慢の甲斐有り!!





タカ目タカ科
学名 Perinis ptilorhyncus
和名 ハチクマ
英名 Oriental Honey Buzzard
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本日はお立ち寄りいただきましてありがとうございます。
今日も皆様にとってみずみずしい一日でありますように。