追われ者 | FP754のオススメ本書評ブログ

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新タイトルで心機一転、2008年以来5年半ぶりに復活させることにしたFP754初のブログです。
FP754が実際読んでみて自信を持ってオススメしたいと思えた本のみ取り上げる書評ブログです。

皆さん、おはようございます。
FP754です。

最近、読んだ本です。


【オススメ本】


追われ者/松島庸(東洋経済新報社)


(ひとこと解説)

以前、当ブログで紹介した優良バイオ企業の林原の「破綻」と同じような展開で、最終的に上場させた会社を乗っ取られた経営者であるクレイフィッシュ創業者社長の松島庸氏の回顧本です。

クレイフィッシュは、インターネット黎明期の1990年代後半に、早くからインターネットの将来性に着目して、ホスティングサービスを展開、2000年には、日米同時上場を果たし、サイバーエージェント、ライブドアとともにIT企業の三羽烏と呼ばれていたようです。
しかし、当時ヒットショップというドコモ以外の携帯電話を扱う販売店を急速に展開した悪名高き光通信と販売面で業務提携し、最終的に資本注入を受け、子会社化したことから、雲行きが怪しくなり、その後、光通信自体が架空取引など犯罪的な商法をマスコミに暴露され、更にITバブル崩壊により株価が急落し、資金繰りが苦しくなったことで、クレイフィッシュの巨額の上場資金を奪う目的で、訴訟も起こされ、最終的には、松島氏は社長の座を追い落とされ、会社を追われるという結果となってしまいます。
光通信の社長、役員、社員をはじめ、常識を疑う監査役、いかにも怪しいコンサルタントも登場するなど、巨額マネーに群がるまるでドラマのようなドロドロ劇が展開されます。

ノンフィクションということもあり、読み物として非常に面白かったです。


【最後にひとこと】

ちょっと古い本ですが、最近、その存在を知ったので、読んでみたいと思い、図書館で取り寄せてみました。
結局、ライブドアの堀江さんは、前回の「ゼロ」で紹介したとおり、刑期終了後、個人では活動していますが、2006年のライブドア事件で表舞台から一旦退場してしまったので、現在残っているのは、サイバーエージェントの藤田社長のみということになります。
ネットでちょっと検索してみましたが、松島氏自身は現在どうされているのでしょうか・・・。